スクールの説明会では、自分を知ってもらうために、自分の今までの人生を語ります。そのときにお伝えするエピソードがあります。
当時(大学生のとき)受け持っていた中3の女の子。力を持っていて、N高校に行きたいとずっと言っていたのですが、その子と仲の良かった友達が、N高校からK高校に進路を変更することにしたんです。そうしたら、その女の子も、弱気になったのか、友達につられたのか、「私もN高校に行く」と言い出したのです。
何を言ったかは覚えていませんが、動機があまりにもおかしいし、N高校に行ける力を十分持っていたので、必死に面談などをした結果、何とか思いとどまってくれたんです。
そして、きちんとN高校に合格していきました。そのときに、その子は僕に言ってくれた一言があります。
「先生のおかげで、人生を誤らなくてすみました。」と。
実は、この合格発表の日が、僕自身も最後の仕事だったのです。だからこそ、この一言が自分にとって特に大きく響いているんです。
もし友達につられていたらどうなっていたんでしょう。そのときは良くても、きっと彼女は後悔していたに違いありません。「人生」という言葉まで使うくらいですから。
もちろん、ちょっとしたことであれば友達につられることもあってもいいでしょう。ご飯食べに行ったときに同じものを頼むとか。でも、自分の意志で決めたことが結果同じだったというならいいですね。僕もそんなことよくあります。
まずいのは、自分の意志を持たず、何でも友達の決めたことについていくこと。中には、友達と一緒じゃないと不安になる子もいるのかもしれません。でも、話を聴いていると、結構多い。外れることでいじめられるとか、仲間を外されるからとか。
きっと他人と比べすぎているのかなと思います。ついつい自分を卑下してしまうことはあります。ここで、比べることを辞めてみると、すごく楽になると思うんですね。比べるなら前の自分と比べる。そうすると、成長している部分がたくさんあることに気づきます。他と比べているときりがなくなる。これによって、自分勝手な行動を引き起こすこともあるような感じがすることもあります。それで、その行動が他に迷惑をかけていたり、他を傷つけていることもあるかもしれません。
自分の意志をもって、自分で考えて、アクションをおこしていきたいものですね。