数学的思考に目覚める会話1-4

角の二等分線④

 

こんにちは。ヨッシーです。私は長年数学教師をしておりました。

現在はフィリピンで日本語を教えております。

数学の魅力に魅せられたモノですが、何でもないごく普通の人間です。

 

このブログでは、多くの人に数学の魅力をお伝えしたいと思っています。

数学の魅力がわかれば世界が変わって見えます。

一生の財産となると思います。

 

AIの台頭する時代であるからこそ、数学的思考はより重要になると思います。

数学的思考に目覚めた人々が多くなることを夢みています。

 

 

【今回の課題】

・二等分線の性質を面積公式から導く

 

登場人物はヨッシー先生(Y先生)、努力家のM君、直観のするどいH君、冷静なSさん。

この3人とヨッシー先生の会話で構成されています。

 

ヨッシー先生 「みなさん、こんにちは」

「ヨッシー先生、こんにちは」

ヨッシー先生「今回は二等分線の性質を振り返ります」

 

M「外角の二等分線と内角の二等分線の定理がありました」

ヨッシー先生「もう一度定理を書いてみます」

 

 

ヨッシー先生「どのように証明しましたか」

H「結局、三角形の面積比を使いました」

ヨッシー先生「そうですね。面積比を辺の比で考えました」

 

H「角を使った面積表現がポイントだと思います」

ヨッシー先生「それができれば、簡単に証明ができそうです」

 

角は辺の比で表現されます。その考えから三角比の考えが生まれました。

 

ヨッシー先生「三角比を使って面積を求めてみましょう」

 

                    (α=∠AOBとする)

 

H「sinαを使えば高さBCが表現されます」

M「角αを使って高さを表したわけだ」

M「あとは底辺をかけて2で割れば良い」

 

 

ヨッシー先生「公式②を使って公式を証明してみましょう」

 

 

M「これを使うと③ができそうです。

△OAE:△OEB

 =(1/2)OA・OE・Sinα:(1/2)OE・OB・Sinα

 =OA:OB」

 

ヨッシー先生「簡単にできましたね」

 

H「こちらも面積比ですね」

M「確かに!△OAC:△OBC

     =(1/2)OA・OC・Sin(180°―α):(1/2)OB・OC・Sinα

     =OA:OB」

 

ヨッシー先生「ここで 公式Sin(180°―α)=Sinα を使っています」

 

   角を辺で表すという考えで三角比(Sin α)が考えられたのです。

   三角比の考えで証明がより見通しよくなりました。

 

  【応用】 次の問題を考えます。

H「角の三等分線の比?こんな公式は知りません」

ヨッシー先生「二等分線と同じ考えで解けませんか」

M「三角形の面積公式を使えば簡単です」

M「AC:CD:DB=△OAC:△OCD:△ODB

H「これは三角形の面積公式から

AC:CD:DB=OA・OC:OC・OD:OD・OB」

 

【話題】アポロニウスの円

ヨッシー先生「次の図を見てください」

ヨッシー先生「∠EOCは何度ですか」

M「360°の半分で90°です」

ヨッシー先生「そうです。では次の図を見てください」

 

 

   OA:OB=PA:PBとなる点Pをとる。

   点PはECを直径とする円周上の点となる。

 

ヨッシー先生「この円はアポロニウスの円と言われます」

H「点Pが円周上の点となるのはどうしてですか」

ヨッシー先生「∠EOCが直角になるからです」

 

S「直径の円周角は直角です」

ヨッシー先生「そうですね。∠EPCも直角です」

 

ペルガのアポロニウス

紀元前262年頃 - 紀元前190年頃)は、古代ギリシアの数学者・天文学者