【(日本で真剣に学ぶ)フィリピン滞在記62】

生徒たちは3年間、日本で働く。

その間、日本には帰らない。

家族とは直接会えなくなる。

家族との結束の強い彼らにとっては大変なことだ。

 

今、受け持っているクラスは12月に日本に行く。

クリスマスに家族に会えない。

3年間クリスマスに会えないわけだ。

それでも日本に行く。

 

それは家族のため。

豊かな生活をするため。

好きな日本に行きたいため。

 

彼らは日本人を尊敬している。

「日本人は真面目です」

「日本人は仕事に一生懸命です」

現地での評判もよい。

 

車は日本製が多い。

トヨタ、三菱、ホンダ……。

「日本製は丈夫です」

真面目にものを作っている。

ものは嘘をつかない。

かれらはそのことをよく知っている。

 

先輩方のおかげで日本人は好かれている。

日本で技術を磨きたい。

信頼できる国で学びたい。

彼らの想いだ。

彼らを応援することは大きな意義がある。

 

実習生制度が変わりつつある。

時代が変わりつつある。

円安などの状況もある。

ただ、人が信頼できるという点は変わっていない。

最後は人と人だと思う。

 

彼らが初めて会う日本人。

それが日本人教師。

それだけ責任が重いと思う。

 

フィリピン人先生のJさん。

日本に5年間行っていた。

「バイクで転んで大けがをしました」

「大丈夫でしたか」

「上司がとても優しく助かりました。日本人を尊敬しています」

 

卒業式には家族が来る。

「先生、写真を一緒に撮ってください」

Kさんには2歳の子どもと奥様が来ていた。

こんな小さな子がいて、3年間日本に行く。

 

Kさんは30歳を超えている。

彼は日本語の発音に苦労した。

それでも必死に努力した。

 

「健康に気をつけてくださいね」

涙が出そうになってしまった。

彼にどれくらいのことができたのか。

私自身、真剣に学ぶ日が続いている。