命の授業【絵本:いのちをいただく】 | 子ども達の未来に大人が残すモノ@奈良情熱学校+親子塾『創』とと校長

子ども達の未来に大人が残すモノ@奈良情熱学校+親子塾『創』とと校長

誰もが本来持っている力を引き出せる環境を、子ども達の未来に残す! 『子ども教育』(自宅塾経営)+『子育て支援とあそび場学び場づくり』(NPO法人 奈良情熱学校の経営)+全世代への教育研修を実践する 教育コンサルタント 田中章友(とと)@奈良 の想い。

僕は顔に似合わず、ロマンチストでして(笑)、
小学生の頃からフォークソング(松山千春、中島みゆき、オフコースなど)を聴いていて、高校になるころには作詞が毎日の日課だった。まるで日記のように。


そんな僕は絵本が大好きで、
大切な友人の誕生日や結婚のお祝いには、よく絵本を贈っていた。


仕事人間になってずいぶん絵本を買うことも少なくなった僕が、
久々に購入したのが、以前もブログで紹介した「いのちをいただく」という絵本。
坂本さんという食肉加工センターで働く親子の『実話』を素にした絵本だ。


いのちをいただく



先日、小4生の家庭教師中に、この本を一緒に読んだ。

「感情を込めて読むのは苦手だ、嫌だ」
と話していたその子は、僕が読むのにつられて、
少しずつ素敵な抑揚をつけながら 前向きに読んでくれていた。


恥ずかしがらずに それを楽しむ大人の前では、
子ども達もいつしか恥ずかしいという思い込みを取り払うようになるのだろう。




一緒に読み終わった後、
その子にゆっくりと尋ねながら、こんなことを話した。



我が国では、年間1800万トンもの食糧が廃棄され続けている

一方で・・・
1日4万人以上もの人(主に子ども)が、
飢餓を理由に、今も命を失っている
のに・・・



これだけの量を廃棄するにも関わらず、
どうして これだけの「過剰な」モノや食べ物を毎日生み出すのだろう?



企業の利益・政治が、どのように僕らの生活に結びつくのか?



そういったことまで、その子に分かる範囲の言葉で話をした。



発展途上国の中には、我が子の身体を傷つけてわざと障害をもたせることで、
物乞いで稼いだ金で我が子を養う親もいること。


じゃあなぜ、その親は働かないのか?
働けないのか?




・・・と 本当に様々な話にまで発展してしまった(笑)



小4生には難しいかな?
だけど、明らかに、普段問題を解いている時よりも、
その子のは表情は豊かだった。



そして、本題である
「いのちをいただく」というテーマについて話した。



自分たちが食べるために
毎日口にする食物にはすべて、自分と同じように、

「誕生」と「死」の瞬間 があったこと。



自分たちが食べるために、亡くなる命があること。

牛を殺し、すべての血を抜き、その皮をはぎ、

人間の何倍もの重量のある内臓を、切り分ける。



そういった仕事を、誰かにお願いして

僕らは生かせていただいている  ということ。



それだけじゃない・・・・。

両親は 限られた時間(=命)を削ってくれて
家族のために料理をしてくれている。



そうした様々な命をいただいて、
僕らは 今まで、 生かせていただいた こと。




それらをすべて ひっくるめた

『いただきます』 という言葉。

『ごちそうさまでした』という言葉であること。



小学4年生の子に、どこまで伝わったかは分からないけれど、
僕は親以外の身近な大人が、 様々な大切な心を子ども達に残すことが
大切だと思っている。


受験のための長時間深夜までの詰め込み勉強をあえて選ばず、
この子のお母さんは、こういった教育も含めて長期的に子どもの心と脳にとって良いと思われる教育を、すべて僕に任せていただいている。


このお母さんの器の広さ・視野の広さ・子どもへの本気の愛情には、
本当に本当に恐れ入る。 
頭ではそれが大切だと理解していても、人間は本気で必要に迫られないと(手遅れにならないと)これまでの常識を行動レベルでは打開できないものだから。





ところで・・・



「じんじん」という自主上映映画を ご存じだろうか?
先日観たのだが、映画を見ながら涙が止まらなかった。
いや、感涙というレベルではなく、嗚咽してしまった。


この映画は、「絵本を通して子どもに伝え残す」ことがテーマ。
これについては長くなるので、また次回の記事で~★★