若獅子会 プロデュース公演
『知覧へ』
『殺陣 春夏秋冬』(東京公演)
@両国 シアターΧ


「知覧へ」
本年は終戦78年を迎えます。
『知覧へ』は戦争劇でも反戦劇でもございません。

戦争を背景として、
生き残った負い目を一生背負いながらも、
健気に逞しく情愛をもって生き抜く、
特攻隊生き残りの男の戦後史の物語。

風化させてはならない
日本人の心の傷痕を感銘深く描きます。


「殺陣 春夏秋冬」
若獅子会の母校、新国劇には、
創立者澤田正二郎先生立案による
立ち回りの一幕物『殺陣 田村』がございました。

素踊りの如く紋付・袴姿で、謡曲『田村』をモチーフとし
和楽奏の調べで殺陣の形を演じるもので、
構え、足運び等の美しさが要求され、
爾来、島田正吾・辰巳柳太郎両先生始め、
新国劇の先輩諸氏に引き継がれ、
研鑚を重ねながら新国劇の貴重な財産演目にまで高められました。

此度の『殺陣 春夏秋冬』は、“新・田村”でございます。



日本時代劇研究所でお世話になっております、
桐山さん、奈良崎さんが御出演。


畏れ多くも、滝先生をはじめ、
日本時代劇研究所の皆様と一緒に
楽屋挨拶にも伺わせて頂きました。


出演者の皆様、
本番前のお忙しい時に、
ありがとうございました。


堅実で誠実なお芝居、
目指したい舞台でした。

「戦後」を生きる人たちのお話ですが…
戦後っていつまで戦後なんですかね。

「もはや戦後ではない」
そんな言葉がありますが、
戦争は終わっても、
戦後に終わりなんてないのでしょう。

戦争という事実があったのですから、
戦後はいつまでも戦後。

その苦しみと痛みはどこかで必ず残っています。
完全に消え去ることはありません。

いつまでも、戦後。


だからこそ再びあってはならないことです。

この作品自体には反戦メッセージはありませんが、
戦争があったという事実を忘れてはならない、
風化させてはならないのだと、
改めて考えさせられる作品です。


素晴らしいお芝居でした。
14日に名古屋公演があるそうですので、
お近くの方は是非。


*+*・:.丸山小百合.:・*+*