ねえねえ、Z世代の若者が有能か無能かのケンケンガクガクの議論をある程度決定づけるエビデンス出たよ | 研修医ノート

ねえねえ、Z世代の若者が有能か無能かのケンケンガクガクの議論をある程度決定づけるエビデンス出たよ

現在10代前半から20代後半の世代をZ世代と言います。

 

Z世代はそれより上の世代から見てかなり特徴が面白いようで、ビジネス向けとか医者向けの解説がネットでたくさんあります。

 

Z世代に否定的な一般人の意見↓。

 

医者の世界では、Z世代は上の世代から↓このように見られています。

上の世代から見てZ世代の若い医者は熱意がなく、時間外は一切働きたがらず、仕事よりプライベート優先だが、効率は良く、IT利用で合理的に仕事をするように見えている。

 

Z世代の医者に否定的な医者の意見↓。

まあプライベート重視で上の世代の若い頃みたいに奴隷奉公は断固拒否という姿勢は良し悪しですね。

 

良し、というのは医者はある程度プライベート重視を主張しないと自己犠牲を無限に要求される職業だから。

 

悪し、というのは医者はある程度がむしゃらに仕事しないと無能な医者になりがちだから。

 

Z世代の医者に肯定的な医者の意見↓。

これね、この10年くらいの間に全国の大学医学部の偏差値が異常に上がってることが影響してると思います。

 

この過去ブログ記事に、

・医者の能力の高低は出身大学の良し悪し(つまり高校の学業成績)で決まる

・医者の能力の高低は医学生時代の成績の良し悪し(つまり大学の学業成績)で決まる

・医者の能力の高低は研修医時代の研修内容の良し悪し(つまり研修医時代の研修成績)で決まる

…という医学エビデンス示した通り、医者の有能無能の差は結局どんだけ知的技術研鑽したかで決まりますので。

 

で、一般人の世界でも医者の世界でも賛否両論あるZ世代の頭の良し悪しについての議論なんですが、先月面白い論文が出まして。これ↓です。

JAMA Neurol . 2024 Mar 25:e240469.

この出来立てホヤホヤの医学論文は、「世代が若くなるほど、脳容積も脳細胞ネットワークも脳細胞数も海馬脳細胞数も増える。世代が10歳若くなる毎に脳細胞は1.5%くらいずつ増加している。」というエビデンスです。現在のAIの知的能力は用いられているGPU数に比例する法則がありますが、おそらく人間の脳もそうでしょう。

 

つまり、遥か昔の時代から常に若者は上の世代から「最近の若者はなってない!」と言われ続けていることが知られていますが、Z世代への上の世代からの評価は実は↓これが正しいのかもしれないということ。

 

あなたはどんなに憎い大盗賊の石川五右衛門を捕まえても生きたまま煮殺そうとは思わないでしょう?

 

どんなに憎い浅井久政、浅井長政、朝倉義景を討ち取ってもその頭蓋骨を肴にして酒飲もうとは思わないでしょう?

 

多分、長い歴史の中で人間はどんどん賢くなってます。

 

そして、勉強を続けてその賢さを保つことがおそらくどの人にとっても健康と幸福の促進につながります。

 

なので、これからもこの破戒僧医者ブログ読んで最新鋭の非常識医学情報を仕入れといてね。