いよいよ本年度（平成23年度）から、小学校での英語必修化がスタートしました。これまでは、ALT(外国人英語補助者）に完全お任せだった小学校においても、いよいよ日本人教師自身が英語の授業づくり（英語活動）をしていかなければならなくなりました。

これから、私が塾で行っている小学生向け英語レッスンの一端をご紹介していきたいと思っています。学校と塾では異なる点もあるかと思いますが、参考になる部分をご活用いただければ幸いです。

さて、その前に、下記新聞の切り抜きは、当地中日新聞に掲載された、中学生の英語に対する意識調査の結果です。実に中学生の６割（正確には57.7%）が英語を「苦手・好きではない」と思っている結果です。

画像をクリックすると、ベネッセのアンケート結果がご覧いただけます。

これに対して、小学校の英語活動に対しては「簡単だった」「楽しかった」という感想をよせています。この中学生と小学生でのギャップの大きさはいったいなんなんでしょう。

もう一つ、わたしの英語レッスンの大きな支柱ともなっている書籍をご紹介させてください。百ます計算などで有名な陰山英男氏が、出版社アルクと共同で、広島県土堂小学校の校長として実践された英語活動をまとめた本です。

この本の中で、現場で指揮を執った藤井弘之先生はご自身の目指す英語の授業のあり方をこう述べておられます。「絵を描いたりゲームをしたりという小学校の英語活動はたしかに楽しいけれど、これではほんとうに英語ができるようにはならないと強く感じていました。・・・」

全く同感です。ここに、現在の小学校英語と中学校英語の根本問題があると考えます。つまり、小学校でいう英語とは英語に親しむためゲームをしたり歌を歌ったりすることです。しかし、そんなことはいくら続けたとしても英語の本当の力をつけることにはならない。

一方、そういう英語活動を楽しんだ小学生が中学校にあがるといきなり「三単現のS」とか「Do・Does」という文法の壁に突き当たる。ベネッセも分析しているように、この小学校と中学校のギャップの大きさが英語嫌いを生んでいる面がある。

前置きが長くなりましたが、小学生たちには、だからどういう英語授業をしてあげたらいいのかというと

１）中学校につながる英語を小学生に教える

２）（言語習得の臨界期ともいわれる小学6年生までに）正しい発音を教える

３）学習指導要領では禁止されている「読み」「書き」も含めた「聞く」「話す」の4技能のトータルな発達を促す

４）小学校５、６年生は十分に文法を理解する力があるので、文法も教えるべきだと考える

５）けっして中学校の先取り学習ではなく、中学校英語の導入と考える

６）けっして異文化理解の授業ではなく英語を習得するための授業とする

７）身の回りのところからどんどん英語の言葉を増やしていく

８）音読すること、暗唱することを楽しむようにさせる

結論から言うと、ゲームやお遊びによって喜ぶのではなく、英語の言葉を覚え、話し書けるようになって、英語を学ぶのが楽しいと思えるように育ててあげるのが本当の英語の授業と考えます。

小学校英語 はじめに