昨日の厚労委員会理事会で、前回の私の質問に対し開示されなかったため、理事会での協議を求めていた、医療従事者先行接種者におけるワクチン接種後の新型コロナ感染状況の数字が開示された。

 

(厚労省作成)

 

 

ワクチン1回目接種後は感染率が上がる「魔の2週間」が存在するのでは、と懸念する声もあった。しかし、データ上、確かにその範囲は感染者数が比較的多いものの、感染率は0.015%。

出来るだけ近似の期間の20〜60代の陽性率は0.038%なので、6割ほどの有効性があることが見て取れる。(*計算式は末尾)

 

2回目接種後2週間以内では成績が上がり、0.0034%。したがって、9割ほどの有効性なので、ほぼメーカーの治験どおり。2回目接種後2週間以降はさらに上がっている様子。

したがって、この情報の重要さは次の点に集約される。


「1回目接種後2週間の期間でも効果は6割あり、2回目接種ではさらに上がって9割以上の有効性がある。換言すれば、1回目接種から2週間は感染率を60%強減らすものの、一定程度の発症(117万人で174人)は確認されているので、従前と同様の注意が必要」

 

現に先行接種が行われた北海道の病院でクラスターが発生したケースも報道されており(北海道NEWS)、少なくとも1日目接種後2週間は従前と同等の注意が必要だろう。今後接種が行われる高齢者施設でも、このことは十分に頭に入れておいていただきたい。

 

*計算式

4/15までの1回目接種者117万5324人、2回目接種者67万8405人

 

【全体の4/1〜4/14までの感染率】

20代~60代の4/1~4/14までの感染者数(人)(A)  28827人

20代~60代の人口推計(R3.2総務省統計局の推計値)(B)  7681万人

感染率(A/B)    0.03753%

 

【ワクチン1回接種後感染の医療従事者】

感染者数(人)(4/1~4/14までに感染と想定)(C)   174人

ワクチンを1回接種した医療従事者数(万人)(D)  117万5324人

感染率(C/D) 0.015%

 

【全体からワクチン1回接種後感染の医療従事者分を抜いたもの】

(20代~60代の4/1~4/14までの感染者数)-(1回接種後の医療従事者感染者数)   (A-C) 28653人

(20代~60代の人口推計(万人)(R3.2月))-(ワクチンを一回接種した医療従事者数)(万人)(B-D) 7561万人

感染率(A-C)/(B-D) 0.038

 

【ワクチン2回接種後2週間における感染率】

23÷67万8405人=0.0034%