私達はどれだけ貧困化したのか? | 日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

「中小企業経営者」や「働く人」として危機感を持っている方へ
日本経済復活への解決策を共有していくブログです

日本経済復活への処方箋とは!?を考えていくブログです。

中小企業経営者の視線から、閉塞感の強まる日本経済に必要なモノとは何かを一緒に探っていきたいと思います。

 

前回は、消費者物価指数(CPI)やGDPデフレータを取り上げ、日本では物価水準が上がっておらずデフレが続いている状況がわかりました。

 

一般にデフレが続くと国民は貧困化していくと言われます。

最近ではアンダークラスと言われる階層も出現し、日本の中で新しい階級社会が出来上がっているとの指摘もされてきました。

(「新・日本の階級社会」、橋本健二著、講談社現代新書)

 

それでは、私達日本国民は、どれだけ貧困化が進んだのでしょうか。

 

とても深刻な問題ですし、いち企業経営者としてもこの問題は真摯に受け止めていきたいと思います。

少しボリュームがありますが、一つひとつのグラフをじっくり見ていただければと思います。

 

まず所得の問題から見てみましょう。

 

図1 所得5分位の推移 (国民生活基礎調査より)

 

図1は世帯所得5分位の推移を示しています。

所得5分位とは所得の分布を5等分する分割線(第I~第IV)と中央値の事を示します。

1993~1997年頃をピークに世帯所得が少しずつ減少している事がわかります。

中央値で見れば1995年の550万円がピークで、直近の2017年で423万円となります。

実に1世帯当たり130万円以上下がっています。

(もちろんこの期間に、一人世帯が増え、世帯数が増加していますので、その影響もあると思います)

 

図2 所得分布の推移 (国民生活基礎調査)

 

図2は世帯所得分布の推移を示します。

1993年あたりを底にして、200万円未満、200~400万円の低所得層が増大していることがわかります。

400~600万円、600~800万円の中所得層は横ばい、800万円以上の高所得層が減少しています。

 

図3 生活意識の推移 (国民生活基礎調査)

図3は生活意識の推移を示します。

やはり1993年頃から、大変苦しい、やや苦しいと答える割合が増えていき、

普通、ややゆとりがあると答える割合が減っていっています。

実に6割近くが生活が苦しいと回答する世の中になっています。

 

やはり、私たちの生活は苦しくなってきている事がわかります。

 

このような貧困化について、もう少し専門的な指標を使って定量的に見てみましょう。

 

図3 格差と貧困に関する指標推移

 

図3は貧困を表す指標として生活保護割合、低所得者率、格差を示す指標としてジニ係数の推移を示しています。

前述の橋本健二氏による「新・日本の階級社会」にて同様のグラフが掲載されていますが、

2010年までのグラフでしたので私の方で2017年まで補完的に作成してみました。

(ジニ係数は3年ごとの統計となりますので、グラフ作成の都合上間は前回数値と同じ数値を用いています)

 

本来は貧困率を記載したかったのですが、ちょうど良い統計データが無かったので、

男性のアンダークラスと同程度(200万円未満)の所得者割合を低所得者率として記載しました。

 

ジニ係数とは社会における所得の不平等さを示す指標で、0~1の間の数値で表されます。

ジニ係数が0だと各人の所得が均一で格差が全くない状態です。

ジニ係数が1だとたった一人が全ての人間の所得を独占している状態を示します。

0.4を超えると、社会的な騒乱が起こりやすくなり、警戒しなければいけないラインとなるそうです。

 

日本においては、当初所得のジニ係数と再分配所得によるジニ係数の2つの指標が用いられます。

当初所得は当初の額面そのままの所得です。

日本においては、所得税などの税金や、社会保障などによって所得の再分配が行われますので、

それらの再分配による調整を加味した係数が再分配所得によるジニ係数となります。

 

図3を見ると、当初所得のジニ係数は上昇し続け直近では0.55程度となっています。

所得格差は広がり続けている状況がわかります。

再分配所得によるジニ係数は1997年頃まで上昇傾向ですが、その後は0.35~0.40の間で推移しているようです。

 

低所得者率は1991~1998年にかけて底を打ち、上昇に転じた後10~11%程度で高止まりしています。

現在では所得200万円未満の低所得世帯が10世帯に1世帯程度は存在するという事です。

 

生活保護割合は全世帯数に対する生活保護受給世帯数の割合を示します。

(ジニ係数とレベルを合わせるために割合を10倍してあります。さらに10倍にすれば全世帯数に対する割合[%]になります)

生活保護割合は、2000年からのデータしか取得できませんでしたが、一貫して上がり続けていますが、

2010年頃から増加率が鈍化しています。

現在では、全世帯中3%程度が生活保護世帯という状況です。

 

上記の結果から言える事は、日本では税金や社会保障政策により、

実質的な格差はある一定範囲に抑える努力が見られますが、

特に1990年代後半あたりから貧困化が進んでいると見てよいのではないでしょうか。

 

また、上記のジニ係数や貧困率などの指標の水準は、他の国と比較してどうでしょうか。

 

図4 ジニ係数の国際比較 (OECD統計データより)

 

図5 相対的貧困率の国際比較 (OECD統計データより)

 

図4に2016年時点のジニ係数の国際比較、図5に相対的貧困率の国際比較のグラフを示します。

 

ジニ係数はメキシコ、トルコ、チリが高い数値を示し0.4以上です。

次いでアメリカが0.39で4番目の水準です。

日本は0.33でOECD36か国中13番目でした。

OECDの平均が0.315ですので、平均よりも所得格差が大きいという結果です。

OECDではなぜか0.33ですが、図3の直近値0.37を当てはめると順位はさらに上がり、

アメリカに次いで5番目の水準となります。

 

 

相対的貧困率については、アメリカが最も大きく15.5%です。

日本は13.6%と9番目に高い水準です。

OECDの平均が10.7%ですので、やはり平均値よりも貧困率が高いという結果となります。

 

先進国と見ても良いOECD36カ国の内で、格差も貧困率も高い方に位置するわけですね。

 

いかがでしょうか、各種統計データからやはり日本は貧困化が進んでいるという事が明確になったのではないでしょうか。

 

日本では社会保障の拡大や増税によって格差の広がりを抑える努力をしているようですが、

かえってその分一般労働者の可処分所得が減り、

消費も減ってデフレが続き、、、と貧困化に拍車をかけているのかもしれません。

 

また、従来の資本家階級、新中間階級、労働者階級、旧中間階級という4つの階層に加えて、

アンダークラスと呼ばれる5番目の階層が生まれ、

日本社会に無くてはならない存在として定着しているという指摘がなされています。

 

このアンダークラスの労働者は主に非正規雇用(主婦のパートタイムは除く)であり、

低賃金の単純労働に就かざるを得ず、

平均所得は186万円程度、未婚率は男性で66%以上と言われます。

このような労働者が日本には930万人ほど、全就業者に占める割合は15%程度にまでなるそうです。

そして、主に人手不足と言われる分野で、低賃金で労働を余儀なくされています。

雇用者側も、このような労働者抜きではビジネスが回らない状況に甘んじてしまっているように見えます。

 

また、格差や貧困は世代を超えて受け継がれていくという指摘もなされています。

貧困世帯からは中々抜けられないばかりか、解雇や病気などで突然貧困世帯に転落する人も増えてきているようです。

 

既に大企業の大規模なリストラも当たり前になってきており、解雇されてもまた同規模の企業への再就職は難しくなります。

恐らく、大企業で働いていた労働者程、アンダークラスに転じるリスクが高いのではないかと思います。

 

既にこのような問題は一部の貧困層の限定的な話ではなく、

日本人全員が”自分事”として向き合わなければならない問題なのだと思うのです。

 

経済的な停滞から脱し、格差や貧困を減らしていくために、

私達企業経営者やビジネスに関わる人間は何ができるでしょうか。

 

人材投資・設備投資・技術投資による事業の高付加価値化を図り、

事業内容を好転させて、従業員の賃金を向上させていく事でしか解決できないのではないでしょうか。

その決断ができるのは、”政府”ではなく、”企業経営者”なのではないでしょうか。

 

そのポイントの一つになるビジネスのグローバル化について、次回取り上げてみます。

 

皆さんはどのように考えますか?

 

このブログの主旨にご賛同いただき、応援していただけるようであれば、

是非下記バナークリックにてアクセスアップにご協力いただけると嬉しいです。

にほんブログ村 経済ブログへ