日本は本当に輸出依存国なのか? その3 | 日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

「中小企業経営者」や「働く人」として危機感を持っている方へ
日本経済復活への解決策を共有していくブログです

日本経済復活への処方箋とは!?を考えていくブログです。

中小企業経営者の視線から、閉塞感の強まる日本経済に必要なモノとは何かを一緒に探っていきたいと思います。

 

前回は、主要国の名目GDP、実質GDP、輸出割合、賃金割合の推移を見ながら、

日本の状況がいかに主要国と異なっているかを取り上げてみました。

 

今回はせっかくなので、他の国の状況についても取り上げてみます。

 

 

まずは、G7各国です。

フランス、カナダ、イタリアのグラフを示しました。

名目GDP、実質GDPは2003年時点を100としての推移を示しています。

輸出割合、賃金割合はその年の名目GDPに対するそれぞれの名目値の割合を示しています。

 

各国とも2009年のリーマンショックで落ち込みはありますが、

年々名目GDPが増加し、実質GDPが緩やかに増加しながら差が開いている状況ですね。

 

名目GDPに対する輸出額、賃金総額の割合については、

輸出割合:フランス26→31%、カナダ37→31%、イタリア23→31%

賃金割合:フランス37-38%、カナダ43-44%、イタリア27-29%

イタリアが極端に賃金割合が低い事がわかります。

カナダは輸出割合を年々下げているようです。

 

また、イタリアは名目GDPが15年間で27%増加していますが、

実質GDPはほとんど増えていません。

インフレではありますが、物価の上昇を吸収してさらに

実質GDPが増加していくほどは成長が大きくないという事でしょうか。

 

 

 

 

G7以外の特徴的な国も見てみましょう。

今回は、ギリシャとポルトガルのグラフを示します。

ポルトガルは比較的低成長で、

2008年から成長の鈍化がみられますが2012年あたりから反転して少しずつ成長しています。

この間輸出割合が27→44%と大きく伸びています。

逆に賃金割合は38→35%と他の国と比べて落ち込みが大きいようです。

 

ギリシャはもっと不安定な印象ですね。

2008年までは順調に成長しているように見えますが、その後は大きく落ち込み、

実質GDPのレベルではまだ2003年の水準まで回復していません。

 

どちらの国も近年輸出の割合を大きくしており、直近ではそれぞれ44%と36%です。

 

さて、色々な国についてデータを見てみました。

その中で、まず経済成長(GDPの増加)と輸出の関係については、

必ずしも輸出が多いから成長するなどという相関があるとは限らないという事がわかります。

 

輸出割合が少ない: 

日本←ほぼ成長なし、デフレ

アメリカ←大きく成長

 

輸出割合が中程度:

カナダ←輸出割合を下げているが大きく成長

フランス、イギリス←輸出割合を少しずつ上げており大きく成長

イタリア←輸出割合を少しずつ上げているが低成長

 

輸出割合が大きい: 

ドイツ、韓国←大きく成長

ギリシャ、ポルトガル←低成長または成長が不安定

 

ちなみに、日本の名目GDP、実質GDPの伸びについては、

OECD36か国中で名目GDPが6.8%で35位(36位がギリシャ)、

実質GDPが13.8%で33位です。

 

実質GDPについては前回見た通り、デフレ型経済成長で

名目GDPよりも実質GDPの伸びの方が大きいといういびつな関係であるにも関わらず、

結局は33位という結果に終わっています。

 

日本の経済状態は何故このように、1国だけ取り残されたような形になっているのでしょうか。

 

輸出が増えているとか、減っているとかという理由よりも、

もっと根本的な原因があるように思います。

 

一つは、今まで見てきたように、企業が投資を渋り、人件費を抑制し、内部留保や配当金、投資有価証券に充てている、という日本企業の経営実態にあるように思います。

その結果、国内経済で回る仕事が増えず、労働者の所得も上がらず、民間消費が停滞し、仕事が増えないという循環が、デフレを長引かせているのは誰の目にも明らかではないでしょうか。

 

もう一つの大きな要因は、主に大企業のグローバル化に伴う国内経済の空洞化が進んでいる結果ではないかと思うのです。

日本企業でも、国内で労働者を雇用し、国内で生産して輸出するよりも、

グローバル展開によって現地生産、現地販売が進めばその企業の売上や利益は上がりますし、

その企業に勤める労働者の賃金も上がるのかもしれません。

しかし、その企業の事業活動が、国内に還流しなくなり、国内の労働者や経済は取り残されます。

 

このような空洞化が進む事で、国内でボリュームのある付加価値の高い仕事が減っており、高スキルの労働者の需要も減って、所得階層が2極化→アンダークラス等の低所得階層へ移動する労働者の割合が増えている。

 

私は、グローバル化により、このような推測が成り立つのではないかと思うのです。

 

そもそも外国人労働者を本格的に受け入れる程、人手不足と騒いでいる割には、

人件費がそれほど上がっていない事自体が不思議でなりません。

つまり低所得層の仕事は人手不足になる程需要があり、

高スキルの仕事は国内にはそれほど需要が無いという事ではないでしょうか。

 

次回以降で、そのあたりの要因について詳しく考えていきたいと思います。

 

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