日本は本当に輸出依存国なのか? その2 | 日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

日本経済復活への処方箋とは!? 22世紀へのモノづくり

「中小企業経営者」や「働く人」として危機感を持っている方へ
日本経済復活への解決策を共有していくブログです

日本経済復活への処方箋とは!?を考えていくブログです。

中小企業経営者の視線から、閉塞感の強まる日本経済に必要なモノとは何かを一緒に探っていきたいと思います。

 

前回は、内閣府の国民経済計算の統計結果から、日本のGDPと輸出割合の推移を示しました。

輸出割合はGDPの18%程度である事、日本はずっとデフレ状態であることがわかりました。

 

今回は、国際比較をすることで、この日本の状況がレアケースなのか、一般的なのか、確認してみたいと思います。

 

今回はOECDの統計データを取り上げます。

 

図1 日本 GDP・輸出割合・賃金割合の推移 (OECDデータより)

 

まず、図1に2003年から2018年の日本の名目GDP、実質GDP、輸出割合、賃金割合の推移を示します。

名目GDP、実質GDPは2003年の数値を100としています。

実質値を表現する場合は、評価する基準の年を統一したほうが見やすくなるため、今回はこのようにしてみました。

輸出割合、賃金割合は各年の名目GDPに対する割合を示します。

 

着目したいのが、名目GDPと実質GDPの伸び率です。

日本は名目GDPの伸びに対して、実質GDPの伸びが高く差が広がっているように見えます。

輸出割合は12→18%に微増、賃金割合は42~43%でほぼ一定の割合で推移しています。

名目GDPは微増していますので、賃金の総額も微増していると考えてよさそうです。

(ただし、労働参加率が上がっているため一人当たりの所得が減少しているのは、これまで見た通りです)

 

図2 アメリカ GDP・輸出割合・賃金割合の推移 (OECDデータより)

 

図3 ドイツ GDP・輸出割合・賃金割合の推移 (OECDデータより)

 

図4 韓国 GDP・輸出割合・賃金割合の推移 (OECDデータより)

 

図5 イギリス GDP・輸出割合・賃金割合の推移 (OECDデータより)

 

図2~5までに、主要国の同様のグラフを示します。

2003年からの名目GDPの伸びはアメリカ79%、ドイツ53%、韓国121%、イギリス69%です。

実質GDPの伸びはアメリカ34%、ドイツ25%、韓国68%、イギリス25%です。

各国とも名目GDPの伸びに対して、実質GDPは名目GDPとの差が緩やかに広がる形で上昇しています。

(つまり適度なインフレ状態)

 

日本は名目GDP7%、実質GDP14%の伸びで、名目GDPに対して実質GDPの伸びの方が大きいです。

つまりデフレ状態ですね。(グラフで赤い線と青い線の位置関係が日本だけ逆)

 

こうやって他の国と比較してみると、いかに日本の状態が”異常”であるかがよくわかります。

 

名目GDPに対する輸出額の割合も見てみましょう。

日本12→18%に対して、アメリカ9→12%、ドイツ41→42%、韓国38→39%、イギリス23→30%です。

アメリカは極端に割合が低いですが、その他の主要国は日本よりも明らかに大きな数値です。

ドイツ、韓国はまさに輸出に大きく依存していると言っても良いかもしれません。

 

その他OECD加盟国で輸出割合の大きな国はたくさんありまして、

ルクセンブルク227%、アイルランド120%、東欧諸国は軒並み80~100%程度の数値です。

その他の国も概ね20%台後半以上の割合です。

日本とアメリカだけ突出して低い数値です。

日本は輸出依存国か?という問いに対しては、むしろ逆で日本は現在の状況では明らかに内需依存の国です。

ただし、輸出割合は増えていますので、GDPを増やすという意味で輸出が大きく存在感を示していく可能性もありますね。

(例えば自動車産業など、本来輸出産業が、現地生産化によってどの程度GDPに影響を及ぼしているか、今後取り上げてみたいと思います)

 

賃金割合も見ていきましょう。

日本42-43%、アメリカ45→43%、ドイツ41-42%、韓国38-39%、イギリス42→41%です。

数字だけ見ると日本は他の国と同じ水準のような感じがしますね。

ただ、この賃金割合はあくまでも名目GDPに対する賃金総額の”割合”です。

従いまして名目GDPの上昇に伴って賃金総額を上げていかないと、この数値は同じ水準では推移しません。

 

つまり、日本はほとんど名目GDPが増えていないが、賃金割合は一定のためほとんど賃金は増えていない。

他の国は名目GDPが増加しているのとほぼ足並みをそろえて賃金が増えている。(だから賃金割合がほぼ一定)

 

上記をまとめますと、次のようなことが言えると思います。

・ 日本はデフレが続いており、GDPが増加していない

・ 日本の賃金割合はほぼ一定に推移しており、賃金総額はほとんど増えていない(労働参加率を考えればむしろマイナス)

・ 日本は輸出割合が18%程度であり、他の国と比べると低水準

 

少しずつ、日本経済衰退の要因が見えてきたような気がします。

 

皆さんはどのように考えますか?

 

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