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日本の経済統計を共有しながら、「日本経済復活への処方箋とは何か!?」を考えていくブログです。

 

中小企業経営者の視点から、閉塞感の強まる日本経済に必要なモノとは何かを一緒に探っていきたいと思います。

1. 企業&政府負債増→家計資産増

前回は、政府の収支と負債・純負債について主要国と日本の状況を比べてみました。

日本は政府の収入も支出も少ない状況ですが、収入よりも支出が多く収支マイナスの状態が続く事で、負債・純負債が増大し続けています。

 

これまで様々な統計データを見てきた中で、日本だけが異常な状況である事が分かってきました。

 

経済主体は家計、企業、政府、金融機関、海外と別れます。

日本は他国同様家計の資産が増大していますが、企業の負債が増えず、代わりに政府と海外が負債を増やしている状況ですね。

 

この傾向は他の先進国も同じなのでしょうか?

 

どの主体の資産が増え、どの主体が負債が増えているのかという観点は、「国のカタチ」を見るという事に繋がると思います。

 

とても重要なポイントになると思いますので、今回からは少し詳細に各国のカタチを見ていきたいと思います。

 

アメリカ 純金融資産 推移

図1 アメリカ 純金融資産 推移

(OECD 統計データ より)

 

図1はアメリカのグラフです。

青が家計、赤が企業、緑が政府、ピンクが金融資産、黄色が海外です。

 

今回はひとまず各国の通貨ベースの総額でのグラフを見ていきましょう。

 

純金融資産ですので、金融資産から負債を差し引いた数値です。

 

どの経済主体が純資産を増やし、どの主体が負債を増やしているのかが一目でわかると思います。

今回はあまり単位や数値にはこだわらずに、グラフの形を見ていきたいと思います。

 

アメリカは典型的ですね。

 

家計の純金融資産は右肩上がりで、その変わり企業が純負債を増やしています。

ちょうど鏡に映したように対称形状に見えますね。

 

また、政府も相応に純負債を増やしていることがわかります。

 

金融機関は純資産がマイナスになっていますね。

その代わり海外がプラスです。

 

海外の純金融資産がプラスと言う事は、海外がアメリカに資産を持っているという事ですね。

アメリカからすると、海外に負債を負っている状況です。

 

主に企業が負債を増やし、政府がそれに準じて負債を増やし、家計の純金融資産が増えていくという形ですね。

これが主要国の標準的な「国のカタチ」と言えそうです。

 

2. 基本の「国のカタチ」

アメリカと経済の形が似ているのは、やはりイギリスとカナダですね。
これら2国の純資産の状況も見ていきましょう。
 

カナダ 純金融資産 推移

図2 カナダ 純金融資産

(OECD 統計データ より)

 

イギリス 純金融資産

図3 イギリス 純金融資産

(OECD 統計データ より)

 

図2がカナダ、図3がイギリスのグラフです。

 

アメリカと似ていますが、少しずつ傾向が異なりますね。

 

家計の純金融資産が右肩上がりである事は同様ですが、カナダの場合は政府の純負債が停滞し、企業の純負債が一方的に増えています。

イギリスは政府の純負債が一方的に増えていますが、企業の負債の増加は緩やかで、近年は停滞気味ですね。

イギリスは工業が縮小している国ですので、その影響もあるのかもしれません。

 

また、金融機関と海外の純金融資産/負債も逆の関係になっているようです。

 

 

3. ドイツという地域経済大国

続いて、日本と同じ工業立国であるドイツに着目してみましょう。

 

ドイツ 純金融資産 推移

図4 ドイツ 純金融資産 推移

(OECD 統計データ より)

 

図4がドイツのグラフです。

 

アメリカやカナダなどとは少し状況が異なりますね。

 

家計の純資産が右肩上がりで増大はしていますが、最も純負債を増やしているのが、政府や企業ではなく「海外」です。

 

企業も少しずつ純負債を増やしています。

政府は最近では純負債を減らしている状況です。

 

代わりに2008年頃から海外がものすごい勢いで純負債を増やしていますね。

 

恐らく、企業の対外直接投資が急激に進んでいるのではないでしょうか。

海外に現地法人などに投資して工場等を建設するのが対外直接投資ですね。

ドイツの場合はEU域内(特に東欧各国)への対外直接投資が多いのではないでしょうか。

 

日本と異なるのは、ドイツの国内でも投資が行われている点と、低成長ですがしっかりと経済成長していて実質賃金も増加しており、何より労働生産性が高いという事ですね。

 

EU圏での地域経済大国の地位を確立しているとも言えそうです。

 

4. 企業が負債を減らす日本

 
日本 純金融資産 推移
図5 日本 純金融資産 推移
(OECD 統計データ より)

 

そして図5が日本のグラフです。

 

日本国内の統計データ(日銀 資金循環など)を見ていると、家計の純資産の増大ばかりが目につきましたが、他国と比較してみると家計の純資産の増加ペースも緩やかである事がわかります。

 

他の主要国はこの15年程で3倍以上の増加ですが、日本は1.6倍ほどですね。

 

他の主要国と唯一異なるのが、企業の純負債が減少している点です。

 

その代わり、政府と海外の純負債が増えています。

 

海外の純負債の増大は、企業の対外直接投資が増えている事も大きな要因ですね。

日本企業からすると、資産になります。

 

企業が、「事業投資による負債を増やす主体」から、「金融投資により資産を増やす主体」に変貌したことがここにも表れているようです。

 

金融機関の純金融資産が増えているのは、以前資金循環で見た通り、日銀当座預金が増えている分ですね。

 

やはり、企業が負債を減らしているという部分においては、日本だけ状況が異なるようです。

その分、政府が負債を増やし、国民1人あたり〇〇万円と言われるような状態になっているわけですね。

 

 

 

今回は、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツと日本の「国のカタチ」とも言える経済主体ごとの純金融資産について比較してみました。

政府の負債が増えるという部分よりも、企業の負債が減っているという部分の方が特殊であるという事が分かったのではないでしょうか。

 

とても重要な観点だと思いますので、次回は他の国についても「国のカタチ」を見ていきたいと思います。

 

皆さんはどのように考えますか?
 

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好評につき以前の記事を加筆・修正して再掲載しています。

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