びわ湖ホールの「神々の黄昏」、素晴らしかった!!

 62分前からスタンバイしました(笑)

モニターに釘づけでした。相変わらず美しい舞台です。ハンペさんの演出は大変オーソドックスなので、字幕が無くても分かり易い。字幕のないライブ配信にはとても適していると思いました。

まず幕開けから沼尻さんの音楽と京響さんの響きが耳を奪っていきます。序幕では懐かしい岩山。2年前のワルキューレ公演で岩山を何度も昇り降りしたのを思い出しました。結構急勾配で筋肉痛になったなぁ。私は岩山の先端に立たなければならず、高所恐怖症なんて言ってられなかった(笑)    ステファニー(ブリュンヒルデ役)が出てきた時には懐かしい思いで胸がキュンとなりました。2年前に彼女ともう一人のブリュンヒルデ池田香織さんのアンダーをさせていただきました。いやぁ本当に懐かしい。相変わらずの美しいドイツ語。私はどうしてもブリュンヒルデを見てしまいますが、ジークフリートのクリスティアン・フランツ、グンターの石野繁生さん、ハーゲンの妻屋秀和さんが素晴らしい。声の伸びが抜群(声に関しては今回は機械を通していますし、マイクの場所などの関係もありますので、取り上げてはいけないかなと思いますが)。ワルトラウテの登場では天をかける馬が懐かしい。ワルキューレの騎行では沢山飛び交っていました。そしてワルトラウテが出てきたら、衣裳が懐かし過ぎて! あれを着て歌ったなぁ。

休憩時間にはお茶を飲みながらもぐもぐタイム。びわ湖ホールのロビーから見える琵琶湖を見ながらまったりしているという妄想に浸りました。大ホールの時計と客席が映り、相変わらず綺麗なホールだなとしみじみ。

そして2幕からブリュンヒルデの聴かせどころ満載。ステファニー、凄いよ。素晴らしいよ。この2年で声に深みが増したと思います。それにしてもジークフリートが強い人だけどおバカキャラなのが、このオペラを暗いだけの物にしない所ですね。笑ったついでに、ブリュンヒルデがグンターを思いっ切り突き飛ばしたのには笑いました。と同時に、グンターを本気で心配しました。ステファニー、力入っちゃったねぇ。

3幕、ラインの乙女のアンサンブルが美し過ぎます。クリスティアン・フランツのキラッキラした美声。素晴らしいヘルデンテノール!! 生で聞きたかった。妻屋さん、悪役ハマり過ぎです。そしてラスボスのような存在感のブリュンヒルデの自己犠牲。圧巻!!

カーテンコール、拍手がないけど、観ていた多くの方が拍手を送っていたことと思います。沼尻さん、素晴らしい公演をありがとうございました。三澤先生、素晴らしい合唱をありがとうございました。ハンペさん&ギールケさん、美しい舞台をありがとうございました。そして京響さんがカーテンコールで舞台の上に乗るってのも感動しました。カーテンが閉まってからの出演者の歓声と拍手が感動で涙ポロポロ。

このくらいの感想でしたらネタバレにはならないでしょうか。

公演中にプロンプターの大川さんの声が聞こえて、これも懐かしかった。大川さんのプロンプは正確で、欲しいタイミングでくる。しっかり楽譜を読み込んである証です。お疲れ様でした。

今回、観客を入れての公演は叶わなかったものの、大成功だったのではないでしょうか。YouTubeで世界配信したことにより、会場には到底入れない人数の視聴者が観劇しました。1万人以上の人が同じ時間に同じオペラを観ていると思うと震えます。Twitterも良い意味で大荒れ。日本の地方の劇場でこんなに高水準の公演を行っていることを、世界中の人に知っていただくことができたのではないでしょうか。しかしながら、チケットの払い戻しなど赤字になってしまったことも頭の痛いところだと思います。私に出来ることは些細なことではありますが、今回の公演のDVDが発売された際には、購入させていただくことでしょうか。私は昨年12月のプレトーク・マチネにてブリュンヒルデを歌わせていただきました。前座と言えど、こんな素晴らしい公演に少しでも関われたこと、改めて感謝申し上げます。

明日の組みはワルキューレの時にご一緒させていただいた仲間が沢山出ます。きっと香織姉さんがガツンとやってくれるでしょう。明日も楽しみだ〜ピンクハート


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9/5、6には愛知県芸術劇場コンサートホールにて、愛知祝祭管弦楽団主催の「三澤洋史のRING2020」があります。こちらは「三澤洋史によるダイジェスト版 〜2日間で描ききる指輪のドラマ〜」と題して演奏されます。9/5は「ラインの黄金」「ワルキューレ」、9/6は「ジークフリート」「神々の黄昏」です。私はブリュンヒルデで両日に出演します。