昨年末にも書きましたが、福島県南相馬市立総合病院の医事会計情報によれば、主な病名に、白血病、癌、(甲状腺を含む)心筋梗塞、肺炎などが2010年から2017年にかけて増加の一途を辿っているのですが、http://m-soma-hsp.com/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/20181212/

この他に脳卒中の増加についてもあるのです。南相馬市議会議員の大山弘一氏の昨年の市議会での一連の質疑を転載しますのでお読みください。

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≪南相馬市  平成30年 9月 定例会(第3回)  09月12日-04号≫
◆4番(大山弘一君) 大項目1 原発事故による放射線の健康影響について、中項目(1)不溶性放射性微粒子の危険性について、小項目① 「不溶性放射性微粒子」の危険性について。
 NHK等各社に報道され久しいが、未だに行政サイドからの検証がなされておらず、最新論文では表土1グラムにつき1,000個程度の水に溶けない放射性微粒子があるとされています。市の認識を伺います。
◆4番(大山弘一君) 再質問いたします。肺に入って定着すれば、水溶性のものに比べ、ガラス玉となったおよそ数億個の放射性原子の固まりが1カ所を長期間被曝させますので、その粒子が接した部分の発がんリスクは、NHKの報道によりますと1万倍以上の危険性があるともされ、空間線量や食品中の放射性原子に比べ、その危険性は破格であると考えられます。市の認識を伺います。
◎健康福祉部理事子育て支援・健康づくり担当(牛来学君) 今、お話がありましたように、不溶性放射性微粒子については、NHKで報道されまして、情報の確認をしているところでございます。ただ、どこにどれぐらい存在して、健康にどれだけ影響するか、このあたりが不確定なところがございます。また研究者間でもいろいろな評価がありますので、引き続き、情報の入手に尽力していきたいと考えております。
◆4番(大山弘一君) 早速ですけれども、どこにどの程度あるかわからないとおっしゃいましたので、即、情報提供させていただきます。皆さんのお宅の天井裏、そして床下に当時そのままの放射能プルームが保存されておりまして、私の家では、1平方メートル当たり、100個以上が確認されております。情報提供だけにしておきましょう。
 中項目(2)公共施設の放射性微粒子残留の危険性について、小項目① 生涯学習センターや学校等の残留放射能残渣調査について。
 私が調査したところ、除染対象外の公共・民間施設の屋内外に、忘れられた放射能がいまだに大変な濃度で存在していることがわかりました。学校の体育館の梁など公共施設において、清掃できない部分に付着している可能性がございます。管理責任者として早急に調査する意向がないかどうか伺います。
◆4番(大山弘一君) 私が質問しているのは、生涯学習センターや学校等の除染対象外の残留放射能、放射性微粒子のことを聞いていますので、空間線量の話は全くしておりません。ですから、こう言ってもお答えできないとは思いますが、学校管理者としての教育長の見解もお伺いしておきます。
◆4番(大山弘一君) 教育長、全く教育上、質問と答弁がかみ合っていないのは御了解いただきながらお話されていると思うのです。私は、空間線量のことは一切言っていませんし、ものから離れて1メートルで測る、マイクロシーベルトに換算するなどとも言っておりません。そしてホールボディーカウンターの検出限界値は、おわかりだと思いますが、子供は1キログラム当たり200ベクレル、大人は1キログラム当たり250ベクレル、そういう話をなぜ放射性微粒子の答弁として用いるのですか。教育長にお伝えしますが、学校の体育館の鉄骨造りの梁がございます。ほこりがたまって裏側が黒くなっているでしょう。私も小中学校に行きますが、それが気になるのです。先ほどもいいました、皆さんのお宅の天井裏、床下、そのまんま。体育の事業とか休み時間に子供のボールが当たって、上を見上げて口を開くではないですか、スポーツで息を吸うではないですか、その時の危険性を考えるべきが科学的思考だと思うのです。私は、複数箇所の測定結果を用意しておりますので、御要望いただければ、いつ何時でもお伝えできるのです。日を改めて問い合わせていただけるかどうか、執行部、教育長にもお伺いいたします
◆4番(大山弘一君) 全く、科学的な物的証拠がありながらも、それに着目しないという思考方法に問題があって、縦割り行政でも上が言っているからではなくて、我々がもし、下の部分で吸い上げられる部分かもしれませんが、被曝者、被害者の立場として、頭の上、床下飛んでいる危険性をなぜ薄めたり、大きくしないと感じ取れないのか。やはり命最優先で危険のあるものについては、敏感に反応してもらいたいです。
 中項目(3)避難生活の健康影響について、小項目① 「原発災害に伴い避難生活が危険因子と考えられる健康影響」について。
 県民健康管理調査の関係論文が指摘する疾病について市の認識を伺います。
◎健康福祉部理事子育て支援・健康づくり担当(牛来学君) 『県民健康調査「健康診査」関係論文の紹介(避難生活による影響)』が指摘する疾病については、東日本大震災の避難生活が、肥満、高血圧症、糖尿病等の危険因子と書かれておりまして、本市といたしましても、避難による生活環境の変化が生活習慣である運動、食事、睡眠に影響を及ぼしているものと認識しております。
◆4番(大山弘一君) 今おっしゃった、関係論文の中には具体的に疾病名も6つ、7つあったと思いますけれどもいかがでしょうか。
◎健康福祉部理事子育て支援・健康づくり担当(牛来学君) このまとめの中で、肥満、高血圧症、糖尿病、あるいは脂質異常、慢性疾患、多血症と7項目ほどございます。その中で、特に私どもで生活活動の減少とか習慣変化という部分で、平成24年度のデータと平成28年度のデータを比較した場合に、メタボリックシンドロームといいますか、その中で、特に肥満、あるいは高血圧症、糖尿病が特に影響しているということでございます。
◆4番(大山弘一君) 具体的に7項目をおっしゃっていただければいいのですけど、次の項目で聞いてみます。続きまして小項目② 市立総合病院の患者数について。ただいま、報告がございました東日本大震災後の疾患について、市立総合病院での患者数の推移を伺います。
◎総合病院事務部長(新田正英君) 県が実施しております、『県民健康調査「健康診査」関係論文の紹介(避難生活による影響)』において報告されている疾患の患者数については、総合病院の医事会計システムから主傷病名で抽出をいたしますと、震災前の平成22年度が約2,700人、震災後の平成23年度が約3,300人、平成24年度が約3,700人と毎年増加傾向にあり、平成29年度では約5,400人となっております。
◆4番(大山弘一君) ざっくり総計を言ってもらったわけですが、先ほどの7つの疾病も含めて、具体的に症例内容をお伝えください。
◎総合病院事務部長(新田正英君) ただいま申し上げました合計については、疾患数で申し上げますと、8疾患でございます。平成22年度と平成29年度を各疾患ごとに申し上げたいと思います。
 まず、肥満症については、平成22年度1件、平成29年度28件。高血圧症が平成22年度1,445件、平成29年度2,688件。糖尿病が平成22年度586件、平成29年度1,074件。脂質異常が平成22年度432件、平成29年度898件。慢性腎臓疾患が平成22年度17件、平成29年度62件。肝機能障害が平成22年度72件、平成29年度299件。多血症が平成22年度2件、平成29年度9件。心房細動が平成22年度95件、平成29年度360件でございます。

◆4番(大山弘一君) 心房細動がすごく高くなっているのもわかりました。これら複数が脳卒中の原因になるものですが、国会で市立病院医師が脳卒中が事故前の3倍以上になったと証言しています。脳卒中の推移も御紹介ください。
◎総合病院事務部長(新田正英君) 脳卒中の推移については、今手元にございません。
◆4番(大山弘一君) 手元になければ、あとからいただけますか。
◎総合病院事務部長(新田正英君) 後ほど提出させていただきたいと思います。
4番(大山弘一君) 脳卒中のデータをいただきたかったのです。やはり国会で証言なさって、センセーショナルだったものですから、それがおそらく先ほどの8疾病と同じようにふえ続けているのではないかと危惧されているのです。
 これらの疾病が現在もふえているという状況については、どのように解釈をしているのか伺います。

◎総合病院事務部長(新田正英君) まずお答えする前に、先ほど、肝機能障害で平成22年度の数値を私72件と申し上げましたが、正しくは77件でございますので、御訂正お願いしたいと思います。この結果についてでございますが、私ども病院といたしましては、この疾患の要因の分析・集計には至っていないところでございまして、この場でお答えすることはできない状況でございます。
4番(大山弘一君) 私が聞いているのは、原因は何だと聞いているのではないのです。こういったふえ続ける病気の現状について、どう解釈をなさるのかそれをお伺いします。
◎総合病院事務部長(新田正英君) これら疾病については、厚生労働省も3年ごとに患者調査という部分で実施しておりまして、それに基づきますと、先ほど申し上げた、疾患というのは、全国的に見ても増加傾向にあるという中でございます。総合病院での疾患の状況も増加傾向でございまして、その要因の部分と関連する部分があるのですが、
要因については分析できていないという状況でございます。
4番(大山弘一君) 市長にお尋ねします。増加傾向という範疇なのか、数倍になっているということについての現状の問題意識をお伺いします。
市長(門馬和夫君) 先日も救急シンポジウムがございました。その中で心疾患について、福島県、さらには南相馬市、かなり多いというような報告が出されております。そもそも低い土地ではなかったのですが、震災後、顕著であるという報告がされております。おただしの避難生活が危険因子と考えられる疾患ということで、具体例を挙げております。これらについても、統計上は整理しないと正確な数字ではないと思いますが、単純な患者数から見ますと大幅にふえております。
 こういった避難生活なり、もろもろの結果として、市民生活、市民の健康の面で、極めて重要なといいますか、注意しなければならない環境になっていると考えております。あわせまして、先ほど来、新たな放射能の問題で、環境放射線の測定の問題とか、新たな提案もございます。それらについても、不溶性放射性微粒子の問題ですとか、体育館とかに放射性の粒子が付着しているということがございます。これらについては、国の見解が出ておりません。正確な分析もされておりません。その上で、私どもとしては、市に環境回復推進委員会、あるいは放射線健康対策委員会等で専門家の先生もございますので、こうした中でそれらについて議論をしていきたいと考えております。

(ここまで)