フィールズ賞 | しろグ

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過日……といっても、昨日だが、フィールズ賞について触れてみた。

数学の最高の権威とされている賞で、「数学界のノーベル賞」と言われている。自然科学で顕著な功績をあげた人を賞するようにと遺言したアルフレッド・ノーベルが、なぜ数学賞を設けなかったか諸説があるが、とにかく設けなかったので、別の人が設けて、1936年以来、顕著な功績がある人を顕彰している。創設者はカナダ人数学者ジョン・チャールズ・フィールズ。彼自身は代数学で衆に優れた業績を上げたらしい。

フィールズ賞は4年に一度開催される国際数学者会議で発表される。ノーベル賞は毎年なので、この点も違う。また、ノーベル賞は業績に対して与えられるものだが、フィールズ賞は人に対して与えられるので、一度しか受賞出来ない。それと、40歳までの現役バリバリの数学者を対象としており、功成り名を遂げた科学者が受賞するノーベル賞とは違い、フィールズ賞を受賞した後でも瞠目すべき業績を上げた人がほとんどである。そう言われてみると、ノーベル賞を受賞した科学者が、その後も世界を驚かすような業績を上げたという話は寡聞にして知らない。

4年に一度なのでオリンピックみたいなものだが、1回の受賞は4人まで。
現在までの受賞者数は49名。そのうち日本人の受賞者は3名。

小平邦彦氏(1954年)「調和積分論、二次元代数多様体(代数曲面)の分類など」
広中平祐氏(1970年)「標数0の体上の代数多様体の特異点の解消および解析多様体の特異点の解消」
森重文氏 (1990年)「三次元代数多様体の極小モデルの存在証明」

受賞国トップはアメリカの11。次いでフランスの9。イギリス、ロシアが8。そして日本の3と落ち込み、ベルギーが2で、その後はフィンランド、ノルウェー、スウェーデン、イタリア、中国……が1と続く。『フェルマー予想』を証明したアンドリュー・ワイルズは1998年に特別表彰という形で受賞し、『ポアンカレ予想』を証明したロシアのグレゴリー・ペレルマンは辞退している(2006年)。ノーベル文学賞を辞退したサルトルのようである。

Landscape and portrait ver. 2

ノーベル賞は授賞式も盛大で世界に向けて放送されるし、受賞者が各国に帰った後もプレス対応、講演会など、大変らしい。フィールズ賞の受賞者は、ノーベル賞受賞者ほど大騒ぎされることはないのだろうか。新聞での扱いもそれほど大きくないようである。確かに、フィールズ賞の受賞理由というものは説明されても理解不能だ……上記の日本人受賞者の功績を見ても何が何やらさっぱり分からない。

この辺りに、「科学の女王」と呼ばれ、全ての科学の根底をなし、極めて高度に抽象化された概念の学問である数学が脚光を浴びにくい理由がありそうだ。それ以前に、小中高時代に数学に邪険にされ、おまけに先生にも邪険にされ、受験では壊滅的な打撃を被った数学なのに、わたくしはどうしてこんなに肩入れするのか……数学の参考書を目の前に積まれて「勉強し直せ」と言われたらはだしで逃げ出すに違いないのに。。。

謎だ。
マゾのせいか、、、