ケイト・ハドソン、オーウェン・ウィルソン、マット・ディロン主演最新ラヴコメ映画を観た | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

 先週末封切られた、オーウェン・ウィルソン、

ケイト・ハドソン、マット・ディロン主演の

You,Me and Dupreeを先日テスト試写で

観てきた。


YOU



ストーリーは、新婚で熱々のケイト&マット家に、

マットの親友で無職宿無しのオーウェン・

ウィルソンが突然転がり込んできたのだが、

こいつがマイペースで図々しい、とんだ厄介者の

クラッシャーだと気づいた時には時既におそし。

新婚早々、いきなり夫婦間に亀裂が入って危機一髪!

というラヴ・コメディなのだが、ストーリーは浅く

コメディの要素も幼稚でひねりもなく、新鮮な点は

何も見当たらない、残念な内容であった。

主役は、プロデユーサーの一人に名前を連ねている

オーウェン・ウィルソンなのだが、彼はコメディアン

としてよりもドラマなどシリアスな作品のほうが

光る俳優だということを確信した。

コメディアンとしての才能も勿論あるのだが、

ピンでコメディ映画で主役をはるのは無理だと

いうことを、この作品で立証してしまう

ことになった。


昨年のサプライズ・ヒットとなった

WEDDING CRASHERSも、コメディ担当は

ヴィンス・ボーンでオーウェン・ウィルソン

シリアスに恋に悩む青年役だったし。

『エネミー・ライン』や『ライフ・アクアティック』

のような映画の彼のほうがずっと魅力を放っている

と感じた。

ケイト・ハドソンは、相変わらずのゴージャスで

ゴールデンな眩しい笑顔を炸裂させていたが、

子供も生んで流石にちょっと老けましたね・・・。

それでも十二分に魅力的なのですが!

そして、マット・ディロンがこの映画で光って

いたのだが、彼はなにをやらせても器用に

こなしますね。コミカルな面とシリアス面を

同じ温度でとてもナチュラルにスムーズに

表現してました。

さすがベテラン、頼もしい演技ぶりでした。

クライマックス・シーンで、COLDPLAYの名曲

FIX YOU』がかかるのですが、シーンの展開と

歌詞がマッチしていて製作側の狙いは非常に理解

できたのですが、ちょっと大仰過ぎて逆にミスマッチ

でした。もっと深くてドラマティックで、

カタルシスを感じられるようなクライマックスで

あれば上手くフィットしていたかもしれませんが。

そういえば、ケイトの父親役(同時にマットの上司役)

マイケル・ダグラスが出演しているのですが、

彼は実力があるしまだまだ今後のキャリアもある

のですから、作品選びはちゃんとして欲しいもんだなあ、

と思ってしまうようなマヌケな役どころでした。

個人的に、ラヴ・コメディは好きなジャンルなのだが、

おざなりで中途半端な(オチをつけることから

逃げたような)エンディングにがっかりしたジェニファー・

アニストン&ヴィンス・ボーン主演の『The Break Up

にせよ、サラ・ジェシカ・パーカー、マシュー・

マコノヒー主演のFailure to Launch』にせよ、

全米で1位になって大ヒットしても、良質だと思える

ようなラヴ・コメディと巡り合うことがない昨今だ。


『ウェディング・シンガー』や『フォー・ウェディング』

ような作品は、やはりなかなか生まれませんね・・・。