色鉛筆・・・ 幼保無償化が始まったが・・問題は山積み
 

【ワーカーズ】十一月一日号

 

 

 10月から幼児教育・保育の無償化が始まった。無償化が動き始めたのは17年9月。安倍首相が衆院解散・総選挙に踏み切る際、消費税率10%への引き上げによる増収分の使い道を変え、無償化に充てると表明した。消費税の増税を正当化するために無償化を打ち出したが、具体的な制度設計は後回しだった。

 政府は当初、無償化の対象は認可施設の利用者だけだったが、認可外施設の利用者から「不公平だ」と批判されると認可外施設も対象にしてしまった。認可外施設は保育士数や保育計画の基準を満たしていないから認可されていないのに公費を投じるのは矛盾している。

 政府は、認可外の施設に対する指導・監督を強化に努めるとしているが、今でさえ自治体では年1回の監査にも手が回らない実情があるのにできるわけがない。子供の安全をを守ることができるのか不安になる。

 無償化より認可外施設を認可施設にすることにお金を使うべきで、無償化なら働きたいという保護者が増えてますます待機児童が増えていくだろう。

 まずは希望者全員が認可施設に入れるように整備するのが先決だ。

 何よりも保育士不足で保育園の開園や増設ができなかったり、保育士不足で現場の保育士たちの負担が増えていることが全国で起こっている。

 無償化より保育士の処遇改善にお金を使うべきだ。

 無償化という場当たり的な政策やうわべだけの手直しだけではなく、根本的に制度を変えなければ待機児童問題は解決しない。

そして、無償化が始まると様々な問題が起こっている。

 無償化が「各種学校」である外国人学校は対象外になるというのだ。

 新聞に投書した女性は「高校無償化除外に続き、幼稚園児までに差別の矛先が向けられた。

 在日朝鮮人をはじめ外国人たちは義務である納税はするのに、権利としての無償化は享受できない」と訴えている。

 まったくそのとおりで外国人たちに財政的負担だけ押しつけて無償化にしないのは不公平で差別そのものだ。

 また、幼稚園では表のように認定保育所や認定こども園,新制度に移行した幼稚園は原則無料にしたが、移行しない幼稚園に補助として「月2万5700円まで無料。預かり保育は月1万1300円まで無料」となった。

 保護者としては家計負担が減り預かり保育をしてもらえると思っていた。ところが、ある私立幼稚園では9月までの授業料は給食費を含んで2万3700円だったのが、10月から授業料2万5700円、給食費4500円になった。(2万5700円は無償化で無料になる上限額)保護者の負担は減るがトータルでは6500円の値上げで、この園には約170人が通っており今回の値上げで園は毎年1300万円以上の増収になるという。 この幼稚園は「子ども・子育て支援制度」に移行しないので利用料は各園の裁量で自由に設定できるというのだから驚く。新制度に移行しないなら補助をするべきではない。まさに便乗値上げで儲けるとは余りにも汚い。

 別の私立幼稚園の預かり保育でも「預かり保育は希望者が多く、利用できない人もいる。利用者だけ無料では不公平になる」と、この幼稚園では無償化に必要な手続きをしていなく無償化にならないという。

 無償化にするかどうかは各園の判断次第で、「無償化で利用者が増えれば職員増が必要になり人件費がかさむ」等の理由で「無償化辞退」が各地で起きているという。

 これらは政府が制度の検討や周知が十分ではなく中途半端な無償化をするからこういうことが起きているのだ。無償化によってこれからも様々な問題が起こるだろうが、子供たちが安全に命が守られることを願いたい。(美)