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流山市議


G20が「テロとの戦い」を宣言した。その言やよし。

ならばまずは、フランスを含む、米軍を先頭にした多国籍軍や有志連合軍が、この間イラクやアフガンで繰り広げてきた、ISも赤面するような大規模で残忍なテロ行為を総括し、その責任者を処罰してもらおう。そして、欧米諸国のテロによって命を生活を奪われた人々に対して謝罪をしてもらい、生活再建に責任を負ってもらおう。もちろん日本にもその責任の一端をになってもらう必要がある。

ところが、彼らがやろうとしていることは、真逆だ。イラク戦争、アフガン戦争等々の中で繰り返してきた、軍事力を前面に出しての殲滅・掃討の再演だ。これで問題が解決すると考えている愚かさ、幼稚さが恐ろしい。


パリテロの「報復」としてシリア猛爆する
仏ラファール戦闘機
近年中東産油国から大量の発注を受けている


ペルシャ湾に展開する
仏空母シャルル・ドゴール

部族社会としての中東

今中東で起きていることの本質は、多国籍資本の論理と部族社会の論理との激突だ。

多国籍資本は、その巨大な生産力のはけ口を求めて、市場のグローバル化を追求している。かつてのようなブロック市場ではなく、地球全体を資本の市場に転化しようという衝動であり、そのための障害はどんな手段を使っても除去しようとする。

多国籍資本によるグローバル市場化の障害物とされたひとつが、中東の部族社会、その上に乗っかった権威主義体制などだ。血縁地縁を主な紐帯とする部族社会は、そのままではかつての資本の力にも、今のように巨大化した多国籍資本の力にはなおさら、立ち向かう力は持たない。だからこそ、アラブ民族主義、「社会主義」=国家資本主義、イスラム主義等々がそれを束ねようとしたが、次々と限界を露わにせざるを得なかった。

ISが登場した背景

そして登場したのが、欧米諸国とりわけアメリカが実演してくれた軍事力行使を前面に出した、野蛮と暴虐の破壊活動から学び、その手法を自らも採用し、それを極度に復古化させたイスラム主義でイデオロギー的に粉飾したISの勢力だ。

ISは、米軍によって掃討されたフセイン体制下のイラクの官僚や軍人をかき集めて国家もどきをつくろうとしているが、イラク国家自身が米軍に敗れたように、それだけでは多国籍資本の圧倒的な力には対抗できない。彼らの支配もまた、何らかの根っこによって支えられなければ、砂上の楼閣だ。それを支える土壌として、ISが利用しているのが、中東に今も根強く息づいている部族社会であり、その紐帯だ。

中東の部族的紐帯は、それを利用し、支配する勢力が次々と入れ替わる中、今も生きながらえ、その生命力を維持し続けている。部族社会の側も、そこで暮らす普通の人々が、突然やってきた欧米の軍隊に彼らのルールを嘲笑され、蹂躙され、生活の基盤を暴力で壊され、大量殺戮の憂き目に合い続ける以上は、この圧倒的な力に抗い自らを守る必要がある。だから、ISの不合理で恐怖支配を用いたやり方にも、従わざるを得ない。その意味では、ISは、部族社会の限界の上に乗っかった二次的構成物、モンスター化した二次的構築物と言える。

欧米・日本の軍事介入に抗議しよう

現在の中東と世界で起きている暴力、人権破壊、恐怖支配を打ち破っていくために、私たちがまずなさねばならないことは、欧米諸国や日本が行っている軍事的な対応を批判し、抗議し、それをやめさせることだ。それはISを利することだとの理屈は、中東の現実を見ない議論であり、自らの行為が生み出した現実から何も学ばない愚か者の言葉だ。

欧米や日本の市民は、多国籍資本の横暴と強欲を規制し、それを押さえつけるための行動を起こし、その力を強化し、自らの社会編成を変えていかなければならない。中東の人々が置かれている現状を自身の力で変えていく可能性を広げるためにも、このことは不可欠だ。中東の人々は、欧米諸国から仕掛けられる理不尽な戦争、強欲な経済的収奪が抑制され、無くされていくならば、自分たち自身の力で社会を再建し、発展させ、変容させていく事が出来る。部族社会、部族的紐帯は、IS等に服従しつつ支えるという屈辱的な役割とは異なった別の新しい可能性を、必ずや見つけ出していくに違いない。

(見出しは管理人がつけました。)