ブッシュ入れ | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」のスタッフブログ

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」のスタッフブログ

パスタイムのスタッフが週替わりで日々の作業や、趣味などを綴っていきます。


テーマ:

皆さんこんにちは!!

佐々木です。

 

 

ちょっとマニアックですが、、今回は 「香箱受けのブッシュ入れ」 についてご紹介したいと思います。

 

アンティークの懐中時計には角穴車に軸のついているものがあります。 

モーターバレルの時計なんかがそうなんですが、そういう時計の香箱受けには、その軸を受ける大きな穴が開けられています。

 

軸受けの穴が磨耗して広がっている場合、通常はタガネを使用して穴を詰めていきますが、こういった大口径の穴の場合はサイズ的にタガネじゃ穴を詰められません。

 

こんな時は穴を詰めるのではなくて、ドーナッツ状のブッシュを入れて穴を小さくしてやることになります。

 

 

写真じゃなんだか分かりにくいですね(笑)?? これはハミルトン950のリング状の角穴車の軸を受け板の穴に嵌めてある写真ですが、軸の周りに黒く見えているのが隙間です。

大した隙間に見えないかもしれませんが、これでもゼンマイを巻くたびに角穴車がグラグラと横揺れしてしまいます。

これを今から直していきます。

 

そこで今回紹介するものがこちら!!  ジャジャン!!

 

「フェイスプレート」と呼ばれる道具です!! 実は僕も実際に使うのは今回が初めてです。

 

3か所にあるツメはそれぞれ広範囲に移動可能。 そのツメで地板や受け板を掴んで任意の位置に持っていけば、地板や受け板のどこの穴でも中心にして回転させることができるように出来ています。

例えば4番車の穴石を中心に地板を回転させることなんかが可能になるわけです。 凄い優れものですね!!

 

ですがこのフェイスプレート、、、使うのに少々コツがありまして・・・

 

加工する穴を回転の中心に合わせるために、ちょっと回転させては3か所あるツメをプラハンマーでコツコツ叩き、また回転させてはコツコツ叩き・・・という地道な作業をしなければいけません。

いやーー、これがなかなか中心がでてくれない(笑)

 

だけどここで適当にしちゃうと後々にえらいことになりますので、手は抜けません。

 

何はともあれやっと中心が出ましたので、、、いよいよここから切削です。

僅かに広がった受け板の穴にそのままブッシュを入れたら穴が小さくなりすぎてしまうので、まずは穴を一定量広げてそのあとある程度厚みのあるブッシュを入れることになります。

 

旋盤にクロススライドをとりつけて、受け板の穴を削り広げていきます。

なんだか旋盤に色々アタッチメントがついていると時計師って感じがしますねー(笑)

 

穴を広げたら次にブッシュの作成です。

これは特に説明はいりませんね。 要はパイプをつくって切り離してやればいいだけです。

 

切り広げた穴にブッシュを圧入した状態です。 まだブッシュの内径が僅かに小さいので、ここからまたフェイスプレートに取り付けて切削していきます。

フェイスプレイトの中心合わせも2回目ともなればすいすい出来ますね。(まぐれかもしれませんけど)

あとは角穴車の軸に合わせて切削して・・・

 

完成です!!

 

我ながら初めてにしてはうまく出来ました。 角穴車の動きも横揺れなしの新品のようで、、、たぶん100年くらいは大丈夫なんじゃ?!

しかしまあ時間がかかり過ぎましたね。 失敗しないように慎重にやり過ぎてしまいました、、、。

次回はもう少しぱぱっと済ませられるように心がけたいです。

 

では今回はこの辺にしたいと思います。

 

さよならー

 

 

マサズパスタイム ホームページ

☆Twitter☆
☆Youtube☆
☆Instagram☆

☆Facebook☆

マサズパスタイムスタッフさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ