巻き芯って結構大変 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」のスタッフブログ

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どうもこんにちは。

今週は真下の担当です。

 

さて、今回は現在作業中の時計をご紹介します。

 

 

かっこいいですね!

 

これは、「WALTHAM  model 1888」

いわゆる88モデルと呼ばれている時計のムーブメントで、製造開始は1888年。

この個体は1893年製造です。

 

ウォルサムで最初に設計されたペンダントセット(リュウズを引いて時刻を合わせる)になります。

いわゆるAmerican Watch Gradeの高級モデルで、19石。

資料的には16サイズということになっていますが、実際には通常の16サイズよりやや大きく、パスタイムでは「17サイズ」と呼んでいます。

 

さてさて、受け板やスティールパーツ等の仕上がりも上質ですが、特質すべきはその香箱!!

 

通常、2番車、3番車、4番車がゴールドの時計をゴールドトレインと呼んでいますが(パスタイムに入って知りました)このモデルの場合、なんと香箱までゴールドで出来ています。

ちなみにこれは、同社の高級機リバーサイドマキシマはおろか特別モデルのプレミアマキシマにも採用されていません。

 

幸い、文字盤やムーブメントの状態も良好。

現在ケースの仕上げ中なので写真を撮っていませんが、silverケースに入っています。

ただ、元々付いていたリュウズがやや消耗していたので、このsilverケースに合うリュウズに交換することになりました。

 

しかし、、、店に保管されている大量のストックの中からケースに合うリュウズは見つけるのに、まずは一苦労。

ようやくケースにピッタリしたものを見つけたものの、今度は巻き芯のネジ部の外径やピッチが合わなくて、リュウズに上手く取り付けられない、、、

 

いや〜、なかなか思い通りに行きません(笑)

 

 

巻き芯に合うリューズがあるかどうかも分からない上に探している時間も勿体ないので、見つけたリュウズに合う巻き芯を製作することにしました!

 

作り方は人それぞれですが、まずは鋼の丸棒を旋盤にセットして、ネジ部を作ります。

材料がネジの外径になるまでバイト(刃物)で削っていき、その後、ダイスと呼ばれる雄ネジを切る為の道具を使い、下段の写真のようにネジを切ります。

 

 

ネジが上手くいったら、次は反対側の加工です。

掴みなおして先端を削っていきます。

 

 

ある程度まで削ったら、ヤスリを用いて四角柱?となるように4面を均等に削ります。

 

 

こんな感じです。

ちょっとわかりづらい(笑)

 

ここはツヅミ車と噛み合うため、均等に削れていないとゼンマイを巻いたり時刻合わせの際にガタついたりします。

なにより、ビシッと4面を削れば見た目もいいですし、モチベーションも上がりますよね!多分!

 

 

この段階で一旦旋盤から加工中の巻き芯を外して焼き入れをし、そして紫〜青くらいまで焼き戻します。

こうすることによって、硬いながらも必要な靭性(粘り)のある巻き芯になる訳です。

 

そうしたら、いよいよ次の工程へ!

 

続いて、オシドリが入る溝を作っていきます。

オシドリとは、巻き芯が抜けるのを防ぎ、尚且つゼンマイの巻き上げと時刻合わせの切り替えを行っている重要なパーツです。

なので慎重に削っていきます。

慎重に、、、

 

↑真ん中の窪みです。

(写真だとそんな綺麗に見えませんね。。。)

 

かなりの時間が掛かり社長にイラっとされてしまいましたが(涙)、、、何とかきちんと作動する巻き芯が無事に完成!

 

辻本さんのケースの仕上げが終わったらいよいよ新商品としてウエブサイトにアップしますので、是非ご覧下さい!

 

 

 

↑下の巻き芯が今回作ったもの

 

 

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