ガンギ車の入れホゾ!! | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」のスタッフブログ

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こんにちは

今週は佐々木がブログを担当します。

 

僕も今回は最近修理していた時計のことを書きたいと思います。

 

先日、ウォルサムの18Sヴァンガードの修理をしていました。

こういった修理をする際に大事なことは、ただ闇雲に分解していくのではなく、ひとつひとつ丁寧に確認していくことです。

それを念頭にいれて確認をしていったら、問題個所が見つかりました…

 

ガンギ車のホゾ(軸の先端のこと)が、穴石から外れるくらいアガキが大きかったです(汗)

下手したら歯車のかみ合いが外れるんじゃないかと思って内心焦りました(笑)

 

なぜこんなにガンギ車のアソビが大きかったのかといいますと…

 

写真をみてわかるように…

うーんこの画像じゃまったく分かりませんね(笑)

 

軸が短いんですね

説明しますと、以前の修理者が折れたホゾを修理する際にその折れた根本を削ってホゾを作り直したようで、当然、ガンギの軸が短くなり、アガキが大きくなったようです。

 

さらに短くなった軸の長さに辻褄を合わせようとして、石の高さやらなにやら無理矢理変えられていて大変なことになっていました(笑)

 

今回はこのガンギ車に 「入れホゾ」 をして修理していきたいと思います!!

 

入れホゾを簡単に説明しますと

軸に穴をあける→開けた穴に軸となる素材を圧入→軸の整形

 

以上です!工程はシンプルで簡単に聞こえますね(笑)

 

しかし言うは易く行うは難しという言葉があるように、この作業はシンプルにみえて相当大変でした。

 

上の写真がちょうど穴を開けたところです。この軸の太さは0.47mmぐらいです(笑)そうなるとそこに開ける穴も必然的に小さくなります。ちなみにこの軸には0.18mm程の穴を開けました。小さすぎてドリルもすぐ折ってしまいここまでするのにも相当な時間を掛けました。

 

このあと新たに作った軸を圧入していきます。この圧入も緩いとだんだん外れてきますし、きつすぎると軸が裂けてしまいます。

 

圧入で軸が延長できたらホゾを作って完成となります。(すみません、完成写真撮り忘れちゃいました! 出来栄えに自信がなくて写真を撮らなかったわけではありません、念のため(笑))

 

出来たものを時計に組んで確認をしたら修理完了です。これで安全に時計が動きます。これで一安心ですね、よかったよかった。

 

ところがどっこい

この直したガンギ車が、最後の最後に問題を起こしました…

 

ムーブメントをケースに組み込むと時計が止まってしまうんです!!完成間近でこんなことがおこると冷や汗が止まりませんよ

 

原因は、ガンギ車のアガキが小さすぎたせいでした。

 

部長の岩田さんに聞くと、「ムーブメントをケースにいれて機止めネジを閉め付けることにより受け板が僅かに変形して歯車のアガキが無くなることはよくあること」 とのこと。

今回私が入れホゾしたガンギ車の軸はアガキが小さ過ぎ、ムーブメント単体では良くても、ケーシングしたら止まってしまう時計になっていた訳です。

 

全く知りませんでした。 

学校では教わりませんでしたし、アガキは小さければ小さいほどいいと思っていたのですが、、、やはり、こういうことは現場で経験して覚えていくしかないのですね。

 

そんなこんなで問題もありましたが、最後にはちゃんと動くように直しました。

少し長くなりましたが、今回はここまでで終わりたいと思います。

 

 

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