松本勝オフィシャルブログ「勝のでんがなまんがな!」Powered by Ameba-Jacky Woo/Masaru Matsumoto

Jacky Woo  & Masaru Matsumoto


フィリピンでの撮影は激熱のまま最終日を迎えた。

既にタガログ語と英語の台詞パートを全て終えてた僕。

最終日はジャッキーさんとがっつり絡む。

しかも内容は厳しいシーンばかり。



松本勝オフィシャルブログ「勝のでんがなまんがな!」Powered by Ameba-ジャッキーさんを撃つシーン

監督と大江さんを交え入念に打ち合わせ中の

ジャッキーさんと僕。


ガンエフェクトが日本のスタイルと違っていたので

タイミングの合わせ方を入念にやりました。

それでも配線の接触不良だったりと

仕込んだ火薬の場所だったり量が気に食わなくて

何度も撃ちましたし

ジャッキーさんは何度も撃たれました。

一度穴が開いた衣裳も

代えの衣裳でやってる間に衣装部が修復し

OKが出るまでTake6ぐらいやったかな。

ここはもう監督のこだわりと火薬班の戦いに

僕とジャッキーさんは何度でも集中して芝居に取り組むしかない。


ジャッキーさんきつかったやろなぁ(苦笑)


けどセットチェンジの合間に2人きりになると



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シーンの打ち合わせから読み合わせを兼ねて

お互いの呼吸を確認。


ジャッキーさん演ずるハトリが

上官に見つからないように

フィリピン兵を助けるとこを

僕に見つかったところの緊迫するシーン。


最初監督の構想では見つけた僕が鉄拳制裁するんですが

その殴りもカメラ位置で殴ったように見せてって感じだったのですが

ジャッキーさんの提案でビンタを実際に当てて

そのまま最後まで一連で台詞いって最後までいく。

本当は監督もそうしたかったのですが

スターの顔ひっぱたいて

それでそのまま台詞のやり取りがあって

最後までってのは

あんまりカットを割らない監督なので

上手くいかなかった時を考え

実際に当てるのは不安だと思ってたみたいで

ジャッキーさんから提案をうけた監督は

「やってくれるのか?」とテンション上がってました。


その時はまわりにエキストラスタッフ総勢150人以上。

あの緊迫した空気は強烈でした。


僕としては殴るとこだけカット割ってくれりゃ

一発で問題ないのになぁと(苦笑)

けど監督のこだわりだから仕方なし。


周りのスタッフやエキストラもまさかがっつり

目の前でスターが殴られるとは思ってなかったらしく

強烈なテンションでした。



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リハーサルの時から強烈な周りの緊張感も

ひしひしと伝わってきました。


いざ本番!



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一発強烈なのが入りその後一連の台詞のやり取り。


芝居自体は一発OK。

ただモニターのプレイバックを見たジャッキーさんが一言


「二発だな」


すぐにタガログ語で監督に話すジャッキーさんに

監督もうなずき

一発殴った後に台詞があり

起き上がったジャッキーさんにもう一回喰らわし

追加の演出があり台詞のやり取りに変更。


監督のこだわりとジャッキーさんの映画に対する情熱。


応えてやるのが役者の心意気!


遠慮なく張っ倒しました。



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OKかと思いきや

カメラさんのズームがとちってしまって

ってまぁ急遽リハーサルと動きが変わってで

いきなり本番やったので仕方がなかったかもしれんが

カメラさんの謝る言葉を聞き

モニターを見るまでもなく

「良いテンションだからすぐに行こう!」とジャッキーさん。


Take3

がっつり張っ倒したとこで

後ろのエキストラが緊張と疲労の余り

ヘルメットかなんかのぶつかる音が

台詞とかぶるという大失態。

しかもこの3回目は強烈にええのが2発入って

ジャッキーさんのコンタクトがどっか飛んでいった。


Take4

これは僕のミス。

前回強烈な奴が入ってのNGだったので

みるみる腫れていくジャッキーさんの頬に

ちょっと躊躇して入れてもうた。

冷や冷やしながら待ってましたが

監督からはOKが出まして

回り全員から歓声が上がりました。


モニタープレイバックを確認したジャッキーさんが

こんな殴り方じゃ駄目だ!

「勝!お前ちょっと遠慮しただろ!ふざけるな!思いっきりこい!」と(汗)

腫れ上がるジャッキーさんの頬を見ながら

監督にも「すみません僕のミスだからもう一回やらしてくれ」と。


Take5

あの時のスタジオの空気は今でも思い返すと

身震いするぐらい殺気に溢れ

針が落ちる音すら

唾の飲む音すらしない

強烈な空気。



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台詞のやり取りが終わり僕が銃を構え

暫くの沈黙。

「OK!」

監督の叫びと共に

スタジオ内の全員がスタンディングオベーションで

大歓声。

ジャッキーさんと監督と3人で

モニターのプレイバックを見てる間もう一度沈黙。

見終わり監督がにこりと笑みを浮かべ僕とジャッキーさんに

握手を求めてきた瞬間に

また一同拍手と大歓声!


いやぁあの瞬間の鳥肌たるものや強烈でした。

そのシーンをもってジャッキーさんの今回の滞在でのラストと

僕の映画「Death March」の撮影オールアップ。

自然にジャッキーさんと握手してハグした瞬間に

感極まって涙でてもうた。

次々にスタッフや共演者が僕に握手を求めてきてくれました。

写真もようさん撮られたなぁ。


僕らのシーンが終わっても撮影は続くので

セットチェンジが始まる。


監督からも「必ずまた一緒に作品を創ろう」と声をかけてくれ

なんか体の力がいっぺんに抜けてもうてね。

やりきったんでしょうね。


はっと気がついてジャッキーさんのとこにいったら



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「大丈夫ですか?」と声をかけたら

「この後にインタビューがあるから腫れると不味いので

なんか大袈裟に見えるが全然大丈夫だから心配すんなよ!」とジャッキーさん。


「最後本当に良いシーンが撮れて良かったな!本当にありがとうな」と

ジャッキーさんが手を差し伸べてくれた時にまた胸が熱くなった。


この人ほんまにかっこええなと。

映画に対する情熱や想い。

どんどん盛り上がっていくフィリピン映画界において

歴代のスター俳優と共に

外国人俳優でただ一人ウォークオブフェイムに

名前が刻まれてるJacky Woo


僕もいつかジャッキーさんみたいに

名前が刻まれる俳優になりたいなと。


最後の夜はジャッキーさんと一緒に呑みにいき

お互いの芝居に対する想いを

ずっと語り合いました。



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