バイオリン習いたての人が弾く音のイメージって、だいたい

ギ~ギ~!ギギギ~!

って表現されますよね。

そう、のこぎりを弾いたようなとか!

頑張って練習してるのに失礼な!って思われる方も('ω')

 

では、なぜ、このようなギギギという音がするのか。

研究室にある「ボーイングマシン」を使って計測をしてみました。

 

Bowing Machineの動画:https://youtu.be/IUqIWkDJlA8

6軸センサーの上にヴァイオリンを乗せる台座をつくり、

サーボモーターがスライダーを動かし弓を移動させます。

このスライダーはプログラムで速度や長さをコントロールできます。

 

それで、バイオリンを固定して、駒からの距離が一定になるようにし、

圧力を強い→弱いといったように徐々に変えながらダウン・ボウを計測した時の

グラフが下の図です。

横軸は、ダウン・ボウの一回分の時間軸です。

縦軸は、ボウイングの進行方向Fyと垂直方向Fz、それぞれのバイオリンにかかる力の変化です。

力(圧力)の方向が垂直↑が正なので、マイナスになっているのに注意です。

つまり、線が下にあるほど弓からの力が大きいことを意味します。

 

この前半部分(Noisy)と書いている区間が、いわゆるギギギギという音のしている区間です。

弓が楽器に与える力が波打つように不連続ですね。

この山の一つ一つがギギギギという音の原因です。

 #スティック&スリップの運動とは別物

弓の運動速度に対して弓から受ける力が強すぎると、このようなノイズの音が起きていることが分かります。

 

一方、後半部分はスーと圧力が抜けて音がクリアになっている状態です。

波打つ不連続さがなくなっています。

 

これはバイオリン属の擦弦(さつげん)楽器に共通することなのですが、

弓の圧力と速度と駒からの位置の3つは関連があります。

良い音を出すためには次のグラフのような関係があります。

 

Schelleng 1973楽器の物理学より引用

 

この図はチェロの例ですが、いい音で演奏するには、

駒からの距離が近いほど圧力を高くする必要があります。

なお、このグラフには現れませんが、駒の近くで圧力を強く弾くには弓の速度は遅くしなければいけません。

 

このブログのテーマである、ギーギーという音は、

ボーイングが、駒からの距離と弓の速度に対して圧力が高すぎるために

起きているので、単純に言えば圧力を弱く(腕の力みを取り除いて)、

弓を動かすという対処になるわけです。