2024.3.16一日一季語 蛤(はまぐり) 【春―動物―三春】

 

蛤の紋に潮騒聴こへくる     伊藤厚子

 

古代より重要な食材。平安時代後期に成立した「堤中納言物語」には人々が二組にわかれて貝殻を出し合い、その形や色などを比べ、歌を詠んで優劣を競った貝合わせの様子が書かれている。美しく彩色し、貝を合わせることから、夫婦和合を表す縁起物として婚礼の儀式にも使用され、瑞祥的な意義から家紋にもなっている。この句では蛤の紋様に注目。白や薄茶色で放射状のラインが特徴。ごま模様やジグザグ模様などさまざまな模様。これらから潮騒が聞こえるのだという。現在では瀬戸内海西部の周防灘の一部や有明海の一部等でしか日本古来の蛤は見ることができない。

⇒画像をクリックするとブログ記事が読めます。

 

 

【傍題季語】

蛤鍋(はまなべ) 蒸蛤(むしはまぐり) 焼蛤(やきはまぐり) 蛤つゆ(はまつゆ)

 

【季語の説明】

マルスダレガイ科の二枚貝。北海道南部から九州にかけて分布。淡水が流入する内湾などの砂泥域に棲息する。ひな祭りや結婚式に縁起物として食べられているハマグリ。二枚貝の蛤は、同じ貝の殻どうしでないと、ピタリと合わない。このため、貞操の象徴とも、お吸い物や酒蒸しなど、さまざまな調理方法で楽しめる食材。名前の由来は、形が栗に似ていることから「浜栗」、また、浜の小石(グリと呼ぶ)のような貝との説がある。昭和の後期以降その数は急激に減少してしまい、絶滅危惧種に指定

 

 

【例句】

舌やいて焼蛤と申すべき    高浜虚子

蛤の殻に残れる貝柱      高橋将夫

蛤に衣を着せる人形師     小林朱夏

蛤の陰になじんでゐたりけり  齋藤朝比古

蛤汁のにごり礁に雨降れり   中尾杏子

 

 

【語源等の由来】

蛤、浜栗、文蛤、花蛤、波万久里

 

浜栗 〈思うに、文蛤は海浜にいて形は栗に似ている。それで俗に浜栗という。〉『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)

 

文蛤、花蛤、油貝 〈灰白色に紫黒文(もよう)あって花のように鮮明なので、文といい花という。また純褐(きぐろ)色のものがあって油貝という。〉『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)

「はま」は「浜」、「ぐり」は「石」の意味。石が地中にあるに似ていることから。

 

 

今日は何の日

十六団子

田の神が山から戻ってくるとされる日で、東北地方の各地で団子を16個供えて神を迎える行事が行われる。

10月16日には、神が山へ帰る日として同じように団子を供える。

 

国立公園指定記念日

1934(昭和9)年のこの日、内務省が、瀬戸内海・雲仙(現在の雲仙天草)・霧島(現在の霧島屋久)の3か所を国立公園に指定し、日本初の国立公園が誕生した。

 

財務の日

ミドルの日

オコパー・タコパーの日

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

(575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)