ガーシュウィンについて学ぶ | マサミのブログ Road to 42.195km

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2/17の土曜日は、横浜・野毛にあるジャズのお店「ドルフィー」にいました。去年の6月、穐吉敏子さんのライブを聴きに行って以来になります。ジャズのレコードを聴かせる「ジャズ喫茶」ではなく、ライブが中心のお店。

 

 

今回の目的はこれ↓でした。

横浜ジャズ協会が主催する「サタディ・アフタヌーン・ジャズ・パーティー」。月に一度開催され、小針俊郎さんの司会でジャズのあれこれについて学び、ゲストの演奏を楽しむ…そんな内容です。私は二度目の参加でした。

 

今回のテーマは「ジョージ・ガーシュウィン」。私はガーシュウィンという人の名前は知っていましたが、どうもイメージが掴めなかったんです。だいたい、クラシックの人なのかポピュラーの人なのか、それともジャズの人なのかがイマイチ、分かりませんでした。

「バーンスタイン」なら、クラシックの人だよね?ぐらいの知識はあったものの、ガーシュウィンについてはなんかボンヤリしたイメージしかなかったので、彼について学ぶ良い機会と思って参加しました。

 

 

 

ジョージ・ガーシュウィンは1898年NY生まれ。父親はロシア、母親はベラルーシからの移民。13歳の頃からピアノを学び作曲に取り組む。1919年に作品『スワニー』が大ヒットして有名に。ミュージカル向けの楽曲の他クラシックにも挑戦し、1924年に発表した『ラプソディ・イン・ブルー』はジャズとクラシックを融合させた作品として絶賛された。1937年、38歳の若さで脳腫瘍のため死亡。

 

エピソード①

ガーシュウィンはポピュラー分野の作曲家として知名度を得た後、管弦楽を書くためにストラヴィンスキーの元を訪れた。しかしガーシュウィンがすでに有名でたくさんの収入があることを知っていたストラヴィンスキーは、逆に「どうすればぞんなに稼げるのか教えてほしい」とガーシュウィンに訊ねた(ストラヴィンスキーはこの話を否定している)。

 

エピソード②

同じくガーシュウィンはモーリス・ラヴェルにもアドバイスを求めたが、ラヴェルは「あなたは既に一流のガーシュウィンなんだから、いまさら二流のラヴェルになる必要はない」と断った。

 

エピソード③

指揮者の小澤征爾がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した最初のレコーディングは、ガーシュウィンが作曲した「アイ・ガット・リズム変奏曲」(ミュージカル映画『巴里のアメリカ人』のテーマが元)だった。

 

エピソード④

ディープ・パープルの有名曲『紫の炎』は、ガーシュウィンの代表曲のひとつ『ファッシネイティング・リズム』と似ていると言われるが、パープルのギタリストであるリッチー・ブラックモアは否定している。

 

 

…こういうエピソードというか小ネタ類が私は大好きなんですほっこり すぐに記憶に残るし、下世話だけどそれだけに親しみが増すんですよね。自分との距離感が縮まる気がする。なお上記はwikiほかあちこちからの引用で一部未確認のためご注意ください。

 

 

ーーー

 

 

小針さんによる約1時間のレクチャーは、博物館を訪れて展示品を見ながら解説を読み、一歩一歩あるいて行くような楽しさ、いわば“知的な歓び”がありました。学生時代に「試験に出るから」と無理やり勉強させられていたのとは全然ちがう感覚。

 

そのあと、ピアニスト・RINAさんの演奏でガーシュウィンによる『ラプソディ・イン・ブルー』を聴きました。この曲も有名ですから私もタイトルだけは知っていたものの、どんなメロディだかさっぱり知りませんでした。

 

この曲は1924年、ガーシュウィンがピアノとオーケストラのために書いた曲で、今年が初演から100周年になります。当時はヨーロッパのクラシックとアメリカのジャズを融合させた「シンフォニック・ジャズ」と呼ばれ、高く評価されたそうです。

その後はジャズバンド向け、2台のピアノ向け、ピアノ抜きのオーケストラ向け、ピアノソロ向けなど、たくさんのバージョンが編曲されています。

 

フィギュアスケーターのイリヤ・クーリック選手はこの曲を1998年の長野オリンピックのフリーに使い、金メダルを獲得しました。また『のだめカンタービレ』TV版では、のだめがマングースの着ぐるみを着て演奏したそうです。覚えている方いらっしゃいますか?

 

 

YouTubeを検索したらいろいろ出て来ました。『のだめ』のエンディング曲だったみたいですね。私は観てなかったのでスミマセン(^^ゞ

 

 

 

RINAさん。国立音楽大学で小曽根真からジャズピアノを学ぶ。2015年、バークリー音楽大学にスカラシップで入学。ファーストアルバム『RINA』が2021年度CDショップ大賞・ジャズ賞を受賞。埼玉県出身で、小江戸・川越観光親善大使も務めています。

 

 

上は当日のRINAさんの演奏風景。画像はファンクラブのHPからお借りしました。撮影はTetsuo Nakagawaさん。

 

RINAさんは去年の秋に小針さんから「これを弾いてください」と『ラプソディ・イン・ブルー』のピアノソロ版の楽譜を渡されて懸命に練習したそうですが、演奏後は「とっても難しかったです。実は、弾けてないところもありました」と語っていました。

 

15分か20分ほどもある長い曲で、次々に曲の表情が変わって行くのですけれど、私はどんどん引き込まれて行きました。なにしろ凄いテクニック。でも元の曲がやっぱりいいですね。聴いてる人を癒したりうっとりさせるだけが目的の甘い音楽ではない、鋭さや深さを感じました。100年前の曲がこうやって現代でも輝く素晴らしさ。音楽の力。

 

…というわけで、勉強にもなったし素晴らしい演奏も楽しめたし、ものすごく価値のある時間でした。これで1,500円(ドリンク代は別)とは、申し訳ないくらいです。横浜ジャズ協会と小針さん、RINAさんに感謝申し上げます。