「お雑煮」を食べ歩いてみた | マサミのブログ Road to 42.195km

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今年のお正月に「お店のお雑煮を初めて食べた」という記事を書きました。それがきっかけでひらめいて、何軒かのお店でお雑煮を食べ歩いてみたので、ご紹介します。(もっと早く書きたかったのに、ちょっと時季外れになってしまって悔しいあせる) ほぼ、食べた順です。では、どうぞ。

 

 

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ここはご紹介済みですが再掲。横浜高島屋の中にある「清月堂」。明治44年に銀座で創業した甘味屋さんだそうです。今も銀座7丁目に本店があります。

 

 

 

 

かまぼこ、玉子焼き、しいたけ、里芋、竹の子、三つ葉、お餅。1,210円。これが、私が生まれて初めて食べた「お店のお雑煮」でした。

 

 

 

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次は銀座です。4丁目交差点からすぐの「若松」。「あんみつ発祥の店」と言われています。創業は明治27年。私は25年ほど通っていますが、お雑煮がメニューにあることに気がついたのはわりと最近。通年メニューだそうです。

 

 

 

 

 

かまぼこ、竹の子、しいたけ、海苔、お餅。「見た瞬間は「えっ、これだけ?」と思ってしまいましたが、これで十分の美味しさです。足らないものは、ない。

 

 

 

彩りが美しいミニあんみつがついたセットで1,350円。銀座のど真ん中で味わう優雅な時間。でも決して「高級店」ではないです。なんていうか…庶民的なんだけど「庶民」のレベルが高い、とでも言いましょうか。

 

 

 

「若松」はものすごく分かりづらいところにありますが、ざっくり言えば和光の斜め向かいあたり。銀座の大通りのユニクロの反対側の、この「プラダ」のビルの1階の奥、通路の真ん中にあります。銀座を散歩されたり、歌舞伎をご覧になった後で何か甘いものを…というようなご気分の時にどうぞ。

 

 

 

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深川不動と富岡八幡宮の最寄り駅、門前仲町(もんぜんなかちょう。通称もんなか)にある甘味処「由はら」(ゆはら)。門仲には時々行くのですが、道すがらにある小さな喫茶店のメニュー見本に「お雑煮」があって「へぇ!喫茶店でお雑煮なんて食べられるんだ!」と思ったのが25年ほど前のことでした。それ以来ずーっと気になっていて、今回やっと訪問できました。

 

 

 

 

 

かまぼこ、ぶなしめじ、竹の子、海苔、お餅。1,000円。下町だけど、浅草のような観光地とは違った、飾り気のない素朴な温かみがあるお店です。でもそれを「ぶっきらぼうでサービスが悪い」と感じる人もいるかもしれない。そりゃ、スターバックスとは違います。

 

 

 

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意外だったんですが、マイ地元の上大岡にある「京急百貨店」のなかの「たきざわ茶寮」というお店にもお雑煮、ありました。こちらはファミレスで言うと「夢庵」とか「藍屋」「華屋与兵衛」みたいな「和食レストラン」ですね。メニューはうどん、そば、丼もの、甘味などなど。

 

 

 

 

 

かまぼこ、ほたて、海老、シイタケ、鶏肉、お餅。

 

 

 

わらび餅もついたセットで1,000円。ここのお雑煮は、今回食べ歩いた中では独特の味がしました。ホタテ、海老、鶏肉っていう組み合わせがお雑煮にしてはユニークですもんねぇ。

 

 

 

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浅草に来ました。雷門をくぐって仲見世に入り、ちょっと行って左に曲がると、私の大好きな甘味処「梅園(うめぞの)」があります。創業は1854(安政元)年。「元祖あわぜんざい」が名物の、老舗中の老舗。

 

 

 

おぞうに770円。湯葉ぞうに990円。春雨ぞうに990円。梅園ぞうに990円。

 

 

 

 

 

「梅園ぞうに」990円を頂きました。うずらの卵、かまぼこ、竹の子、海老、しいたけ、海苔、三つ葉、お餅。かまぼこがちょっと隠れていますが、出来るだけすべての具が見えるような盛り付け(よそり方)が素晴らしい。どうです?この透明感! もう、食べる前に「参りました」と頭を下げたくなる感じ。

 

 

 

この内装。お姉さんたちのテキパキした動き。私の中で「甘味処」と言ったら、ここが原点になっています。

 

 

 

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門前仲町とか浅草とか、大きな神社やお寺がある街には甘味処があって、お雑煮を出す店が多い…というような法則が見えてきたので、ここにも↓行ってみました。

 

 

 

 

 

「お蔦、黙って俺と別れてくれ」「別れろ切れろは、芸者の時に言う言葉…」で有名な「湯島の白梅」というお芝居の舞台となった湯島天神。この近くならきっと何かあるはずと思って行ってみたら…

 

 

 

湯島天神に行く時いつも前を通るので気になっていた「つる瀬」。創業は昭和5年だそうです。もうすぐ百周年ですね。

 

 

 

 

 

小さな喫茶スペースで頂きました。こちらではお雑煮というと、自動的にこれです。ふわふわの炒り卵、かまぼこ、竹の子、シイタケ、お麩、海苔、三つ葉、お餅。710円。銀座の「若松」のメニューに「たまご雑煮」というのがあって、私は「なんだろう?こんど食べてみよう」と思ったのですが、これが玉子雑煮なんですね! しかし玉子の食感を表現する言葉がありません。炒り卵と書きましたが、フライパンで焼いてはいないでしょう。おだしの中で溶くのかな。美味しい。

 

 

 

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湯島の甘味処といったら、私にはこちらのほうが馴染みがあります。「ハニー焼き」で知られる「みつばち」。何度かご紹介しましたよね。ひとつ前の「つる瀬」とは150mぐらいの近さ。創業は明治9年。「小倉アイス」はこちらで発明されたそうです。

 

 

 

ちょっと気がつきづらいですが、お店のわきを入ると喫茶室があります。ショーケースを見て注文を決めて、お店に入ったらレジで注文して支払い。レシートをテーブルの上に出しておくと品物が届く…というシステムです。大昔のデパートの「お好み食堂」がコレでしたよねぇ。

 

 

 

なんと、この「みつばち」でも、お雑煮というと自動的に「たまご雑煮」なのでした。面白いでしょう? でも玉子の感じが「つる瀬」とは微妙に違います。こちらはもっと細かくて「おぼろ玉子」とでも言えばいいでしょうか。他にはかまぼこ、シイタケ、海苔、三つ葉、お餅。760円。

お店を出る時、お店のお姉さんに「湯島ではお雑煮と言ったらたまご雑煮なんですか?『つる瀬』さんでもそうでしたけど」と訊いてみました。超美人のお姉さんは笑いながら何か答えてくれたのですが、残念ながらマスクのせいで私には聞き取れず…いつか確かめてみますね。

 

 

 

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さて、「大きな神社やお寺がある街」と言ったら…ここに来ないわけにいきませんよね~。

 

 

 

はい。鎌倉駅で降りて小町通りに入り、すぐ右に折れて若宮大路に出る路地にあるのが…

 

 

 

「山里」という和食のお店。私はおそらく数えきれないぐらい何度も前を通っているお店ですが、みるからに観光客向けなので、入ったことはありませんでした。でもなんかここ、いかにもお雑煮、ありそうな店構えですよね。若宮大路がわにも玄関があります。二の鳥居の真ん前。

 

 

 

でも、お店の外の見本やメニューを見ても「お雑煮」がないんです。私が「ないのかぁ…」と思っていると、中からおかみさん?みたいな女性が出てきて「はい、いらっしゃい、どうぞ」と誘い込もうとするんですよ。いかにも「観光地の店」って感じで、グイグイ来るんです。私が「お雑煮、食べたいんですけど」って言うと「お雑煮?あるわよ、ほら、どうぞ」「え?でもメニューに書いてないですけど」「お店の中のメニューにいろいろあるから」と、なかば強引に入店させられました。正直、私は本意ではなかったんですが、まぁハズレでもいいかと。鎌倉なら何度でも来れますしね。

 

で、メニューを見ると、確かに「お雑煮」と「けんちん雑煮」の2種類があるじゃないですか。「けんちん雑煮」は思いつきませんでしたね。いかにも鎌倉らしくていいじゃん!と思い、頼んでみました。(ちなみに「けんちん汁」は「建長寺のお坊さんが食べたから」というのが由来という説があります)

 

 

 

 

 

二つの白いものはお豆腐のように見えますが、お餅です。具は大根、にんじん、ゴボウ、こんにゃく、里芋、焼き豆腐、油揚げ、豚肉(の切れ端)、ネギ、三つ葉。たしかに「けんちん雑煮」ですね。「けんちん汁」にお餅を入れれば、こうなる(笑)。900円。私の脳内のけんちんは母が作った(そして今は妹がたまに作る)けんちんなんですけど、それに比べるとかなり甘口です。砂糖が多いのかな?でもこれはこれでとても美味しい。七味を振って味変できるのも嬉しい。お店のおかみさんに強引に引っ張り込まれたような感じで入った「山里」ですが、なかなか良かったです。

 

 

 

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さて、「お雑煮食べ歩き」ラストとなる10軒めはこちら↓にしました。

 

 

 

赤坂見附で降りて、青山通りを渋谷方向へ。

 

 

 

 

 

室町時代の後期に京都で創業(したらしい)という、もはや伝説の和菓子店「虎屋」。現在、会社としての本社はここになります。青山通りをはさんで向いは豊川稲荷。はす向かいは、上皇様ご夫妻や秋篠宮ご一家はじめ、皇族がたがお住まいの赤坂御用地です。

 

 

 

1階エントランスで番号札をもらって…

 

 

 

階段を登って2階へ。順番が来ると呼ばれて、喫茶スペースに入ります。

 

 

(この辺の何枚かの写真は借り物です)

 

3年ぐらい前に建物がリニューアルしたのでピカピカです。リニューアル後は初めて来たので、ちょっとドキドキしましたほっこり ここには「和菓子博物館」的な施設があって、前に仕事で何度か来たことがあったのですが、当時は本当に「古色蒼然」という言葉が似あう雰囲気だったんですけどね。

 

 

 

実はここ、私の勤務先の2軒となりなんです。私の勤務先の隣が赤坂警察で、その隣がここ、虎屋本店。リニューアルオープンした当日、ふと駐車場を見たらトヨタ2000GT(初期型)が停まっていたのにはぶったまげましたよ!誰が乗って来たんだっつーの。実話です。

 

 

 

 

 

虎屋では店頭に「今月のスペシャル」的なメニューが張り出されます。1月はお雑煮でした。京都ふうの、白味噌仕立てのお雑煮。具は大根、ニンジン、里芋、お餅。あと、何か透明なヒラヒラするものが入っていて、お店の人に訊いたら「鰹節の羽根」というものだそうです。いま調べてみましたが、ちょっと分からない。

 

私は白味噌仕立てのお雑煮、初めての出逢いでした。なるほど、こういうものか!…っていうか、正直言いますとよく分からないうちに食べ終わってしまいました。だいたい「白味噌」というもの自体、私は初めてだったかも知れません。いままで食べ慣れてきた信州味噌とか、八丁味噌とはかなり違いますねぇ。いま調べたら白味噌は魚の西京漬けに使うのか。だったら知らない味ではなかったですね。

この時の経験を元に、白味噌仕立てのお雑煮をもっと経験したくて、先月の京都の旅では楽しみにしていたのですが、本場での出逢いが叶わなかったのは残念でした。また次回ですね。

 

それにしても「虎屋」の喫茶スペースには、独特の雰囲気が流れていました。お客さんはシニア層が中心…かと思うと意外に若い女性もいますが、シニア層は2人~3人連れなのに対して、若い女性は一人で来る人が多い。皆さん背筋をシャン!と伸ばして、颯爽としています。そしてどなたも、お行儀がたいへんよろしくてらっしゃる。大きな声でしゃべったり笑ったりする人はいません。「声をひそめて話す」という、こういう場所でのマナーをご存知ですね。高級/超高級ホテルのラウンジと同じ空気が流れているなぁと感じました。さすが、虎屋の本店。私はこういうところを観察するほうに気をとられてしまい、お雑煮の味の印象が薄くなってしまったのでしたニコニコ こちらでのお雑煮は1月だけらしいので、また来年の楽しみ。

ちなみに、こういうところで頂くお雑煮のお値段はというと…1,650円でした。これまた、さすがどすなぁ。

 

 

 

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ささーっとご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。虎屋以外、どこも基本は関東風のお雑煮ですけど、よく見ると具材が少しずつ違っていて面白いですね。まぁ基本は家庭料理なので、そのお家ごとにそれぞれのお雑煮があるのでしょう。奥さんのご実家のお雑煮とご主人が食べて育ったお雑煮が違うご家庭もあるでしょうし。私は「マサミ家のお雑煮は、どっちかといえば少数派なのかも?」と気がつきました。鶏肉が入っているお雑煮、ほぼ見かけませんでしたからね。

 

 

さて、たった9軒しか食べ歩いていませんが、この中で私が特に美味しい!と思ったお雑煮を挙げますと…

1、浅草の「梅園」

2、湯島の「つる瀬」

この2軒がずば抜けて印象に残りました。これはあくまで「私の好み」ですので、興味のある方はぜひ食べ歩いてみてください。そしてお雑煮としてはオルタナティブな存在かもしれませんが(笑)、鎌倉「山里」のけんちん雑煮も、とてもとても美味しかったことを付け加えておきます。

 

 

 

 

(さあ、どれがどこのお店のお雑煮か、思い出せますか?ニコニコ