僕の詩集「僕のソネット」の第Ⅲ部(副題「日々の哀歌(エレジー)」)より、次の作を紹介する。
旅を歩く
新サスケ
さよなら ジュピター
火車に乗って帰っておゆき
さよなら 私の天使
気をつけておゆき
草むらで虫が鳴きしきっている
山の端を出た赤い満月に照らされて
池の大鯉も躍り上がる
赤白斑らの背を 黒い背を見せて
私はさらに歩いて行く
手首に小さなバッグを提げて
原稿用紙と自慢の万年筆が入っている
届ける筈なのだが
どこの誰に? いつまでに?
鯨の白骨を幻視したりしながら