こぐま星座さんの詩集「なんなはん」より、次の詩を紹介する。
野焼き
こぐま星座
父ちゃんは
土手のうえの枯れ草に火をつける
よそのうちの地面まで広がらんように
ぼおは火を踏み消している
消えたと思うとまた火が出て燃え広がる
春の日差しがあかるすぎて
炎がうまこみえんまま
急に風がふいてきて燃やしたらあかんとこまで燃えて行く
たちすくんでいると
姉ちゃんと父ちゃんが助けにきてくれた
「えれえもんやなあ
火がこんな際まできてるんやに
鳥は卵だかえていごこうともせんのやなあ」
姉ちゃんが草むらを指さす
そおっとのずくと枯れ草のあわさいに
ぼおの顔を キッとにらんでいるヒバリがいた