「いつまでも変わらないままの君でいて⑧」



櫻葉。



櫻葉←滝。



前回櫻葉さんの仲の良さを見せつけられてしまったタッキー、それでもまだ雅紀くんを諦めてません。



櫻葉er(翔ちゃん×雅紀くん)の願望と妄想です。

ご注意下さい。




雅紀を取り戻したいと強く感じるようになったあと、松潤が主演したドラマのヒットも手伝って嵐の人気は急上昇、一気に国民的アイドルの座を手に入れ世間一般に“嵐”というスーパーグループの名を広く知らしめた。

その一方でお互いの仕事が忙しくなってきた俺と雅紀との距離は開いていくばかりで昔みたいに気兼ねなく会うこともままならず、ただ会いたいという想いだけが強くなっていく。

もどかしい思いを抱えたままだったある日、珍しく雅紀の方から電話が掛かってきた。

『もしもし?久し振り、滝沢くん?元気?

受話器越しとはいえ、雅紀の声を聞けるのは嬉しい。

「元気だよ?雅紀は?」

『元気だよ~!!ごめんね、ずっと電話くれてたのになかなか時間取れなくて』

「そんなのはどうだっていいさ。雅紀、忙しそうだな、あまり無茶するなよ?」

『くふふ。大丈夫だよ~ドラマの撮影終わってちょっと落ち着いた』

「そうか、お疲れ」

『滝沢くんは今忙しいの?』

「いや、落ち着いてるよ?」

『じゃあ久々にご飯食べに行こうよ!!』

「え?」

思ってもみなかった雅紀からの食事の誘い。

これに飛び付かないわけがない。

『ん?なに?都合悪い?』

「いや、行こう」

『やったぁ!!いつがいい?ねぇ、ねぇ!?

「ふふ。落ち着け、俺は逃げたりしないから。そうだな....」

意識してゆったり落ち着いた振りをしながら俺は慌ててスケジュールを調べ、俺と雅紀の都合が合う日を確認して約束を取り付けた。

二人きりで会うのはいつぐらい振りだろうか、距離が開くばかりの雅紀との関係をこれ以上続けたくない。

何気なく降ってきたこのチャンスをみすみす見逃がすつもりはなく、今度こそ雅紀を取り戻そうとそんなことを考えていた。



雅紀が食事のおいしい無国籍料理のダイニングバーがあると言うので、店のチョイスは任せ、昔は自分の知ってる店に連れて行っていたのに雅紀に店に連れて行ってもらうようになるなんてと、少し感慨に耽りながら待ち合わせの店に向かう。

店員に個室に案内されると昔とちっとも変わらない無邪気な笑顔で手を振る雅紀が待っていた。

「ごめん、待たせたね」

「全然!!滝沢くんが来るまでに料理適当に頼んどいたから!!飲み物はビールでいい?」

「ああ、サンキュ」

少ししたら料理と生ビールが運ばれてきた。

無国籍料理らしくエスニックと中華が合わさったような料理と生ビールでテーブルが埋まっていく。

「へぇ~うまそうじゃん。でもまずは乾杯からだな」

「そうだね、かんぱ~い!!お疲れ様ッス」

「お疲れ」

料理を売りにしているだけあって、エスニックと中華をミックスさせたようなものや材料は和の素材を使いながらもフレンチ風のものなど雅紀が注文しておいてくれたものはどれも見た目も綺麗だしお洒落でおいしく、二人とも酒もすすんだ。

「まさか雅紀に店に連れて来てもらうようになるなんて昔は思いもしなかったな」

だいぶいい気分になって雅紀に言うと

「くふふ。この店さ、翔ちゃんに教えてもらったんだ。前に友達と飯食いに行く時、どっかいい店ない?って聞いたら“うまくて食事と酒が同時に出来て値段もリーズナブルな店があるよ”ってここ紹介してくれてちょこちょこ来てるんだ。よかった、滝沢くんにも気に入ってもらえて」

雅紀は満足そうに微笑んだ。

一度翔くんの名前を口にすると雅紀は翔くんの話が止まらなくなったように“翔ちゃんは”“翔ちゃんが”と楽しそうに繰り返す。
 
人の気も知らないで。

翔くんの話は今は聞きたくなかった。

雅紀の笑顔は大人の男に成長した今でも昔と変わらず無邪気で愛くるしいけど、翔くんの話ばかりする雅紀はかわいくない。

俺と一緒にいるのに。

「俺といても雅紀はいつも翔くんの話ばかりだな」

皮肉めいた薄笑いを浮かべて雅紀に目をやるとだいぶ酔っていた雅紀はハッとした顔をして口をつぐみ、下を向いた。 

「ごめんなさい....」

「嘘だよ。嵐は仲の良さで通ってるし、10年も一緒にいれば自然に仲間の話は口を衝いて出るさ。それより雅紀あんまり飲んでないだろ?久し振りなんだから飲めよ」

そう言ってジョッキのビールを進める。


「もう、やめとくよ....これ以上飲んだら滝沢くんに迷惑を掛けるかもしんないし....」

「大丈夫だよ、昔散々面倒見させられたんだぞ、今更だろ?酔い潰れたら連れて帰ってやるからさ、俺を信用しろ」

「うん....」

俺に対して雅紀がはっきりと断れないのを知っていて少し強引に酒をすすめる。

元々飲んでいたのもあって、雅紀は少ししたらトイレに行って戻ってきたらくたりと壁に凭れて椅子に座ったまま寝てしまっていた。

「雅紀?雅紀?大丈夫か?」

肩をぽんぽんと叩いて声を掛けるとゴニョゴニョと意味不明な返事が返ってくる。

飲ませ過ぎたのだろうかと少し反省しながら店員にタクシーを呼んでもらい、タクシーに乗り込む。

その時の様子を友人と食事をした帰りに偶然タクシーで通り掛かった翔くんに見られていたなんて気付いていなかった。


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