022. COLT MODEL 1851 4th (Vol.3)
51ネービーの愛称で日本でも人気の高いM1851はコルト社のパーカッション・リボルバーのなかでもM1849に次ぐ生産数を誇るモデルで1850年~1873年まで215,348丁そしてロンドン工場でも1853年~1856年までに42,000丁が生産されたようです。51ネービーの画像で一番よく見るのは3rdモデルで各種のプレゼンテーション・モデルも圧倒的に3rdモデルが多い気がします。しかし実際にはロンドンモデルが1853年からということはこの頃すでに4thモデルに移行していたと推測され、生産数自体は4thモデルが一番多かったのではないかと考えています。
モデルガンは1st~3rdモデルと同じCAWさんのもので、真鍮製のTGとBSを標準装備したモデルになります。箱書きには特別版とかの触れ込みは書かれていないのですが、僕の持っている2ndタイプや3rdタイプと比べると明らかに品質が良く、特別エディションと銘打った1stタイプとほぼ同レベルの仕上がりになっています。購入後はいつものように亜鉛部はREブルー、HW部もすべて一旦表面を研磨してブルーイングとフレーム部は疑似ケースハードゥンをほどこしました。
1st~4thまでそろったので一堂に並べてみくらべてみましょう。
左から1st、2nd、3rd、4th。ぱっと見で一番違いが判るのはトリガーガードの形状でしょうか。
こちらも左から1~4で1stだけローディングレバーの関節部のスクリューがこちらから入れられているのがわかると思います。
3rd(上)と4th(下)の左側面。トリガーガードの大きさがだいぶ違うのとグリップの形状が違っています。1~4の内3rdモデルだけが御覧のように裾のフレアーが前後に広がっています。
下の4thだけがシリンダーカバー部のえぐられた部分の真ん中にキャップのガイドにあたる溝が掘られています。
シリンダーとトリガー・ガード部分を拡大して比較してみましょう。1stと4thの帆船図が非常にきれいに掘られているのがわかると思います。これは実銃の違いではなくあくまでCAWさんの仕様の違いによるものです。トリガーガードの形状の違いは実銃どうりで、中のトリガーの形状もすべて微妙に違うところも確認できます。シリンダーのCOLT PATENTの刻印の後ろは1stはNo.474、4thはNo.8506と入れられていますが1stがそのままシリアル・ナンバーなのに対して4thはシリアル138506の下四桁のみになっています。残念ながら2ndと3rdは簡易版なのでNo.のうしろは空欄になっています。CAWさんがあとからだしたスタンダード版ではシリンダーの彫刻はなしになってしまったのでやや薄目ではありますが彫刻があるだけ良しとしておきましょう(前回お話したように現在は3rdモデルのシリンダーはシリアル入りの彫刻のものに換えてあります)。
バレル部後端下部のえぐれの形状は1stのみ小さく、2と3がほぼ一緒で4thも大きさは一緒ですがやや丸みをおびているのがわかります。あとはウェッジの向きが1stのみさかさまなのも確認できます。
トリガーガード前部付近を下からみたところ。1stと4thのみシリアルが打たれています。
1stは2ndに比べてTGが小さいのでシリアルナンバーの下に隙間がありそこにKの刻印が入っているのもわかります。
TGとグリップの底部を比べてみましょう。1stと4thにシリアルナンバーが打たれているのは一緒ですが3rdがグリップの形状違いにより前後に約3mmほど長いのがわかると思います。4thの横幅が他の物より膨らんで見えるのは画像のアングルのせいで実際にはほぼ一緒です。
縦だった元画像をアドレスを読み取りやすいように横倒しにしたので順番が下から1~4になってしまって申し訳ありません。1stはADDRES SAML COLT NEWYORK CITYとやや小さめ、
2ndと3rdはまったく一緒でADDRESS SAML COLT HARTHORD CT 4thはADDRESS COL.SAML COLT NEWYORK U.S.AMERICAと入れられています。
新しく購入した51ネービー2丁セット用の木製ケースに収められた3rdと4th。
本当はロンドン・モデルも7.5インチで統一してほしいのですが、僕が以前に所有していたロンドン・モデルやオークションで出てくる同モデルはみんな4インチなので、もしかしたらCAWさんがそれしか販売していなかった可能性があります。今しばらくオークションで様子見をしてどうしても4インチしかなさそうならそちらを購入しようかと考えています(購入後刻印がなくならないように注意しながら7.5インチに延長するかもしれません・・・??)
以上、51ネービーの4thモデルでした。
次回は51ネービーのロンドン・モデルです。