027. COLT M1855 SIDEHAMMER (Vol.5)

 

 

                      

 

                      

M1851で成功したコルト社は1855年コネチカット州の川べりに立派な自社工場を新築しました。ロシアのモスクを思わせるような独創的な外観は現在までコルト社のシンボルとして各銃の登録証などにその雄姿を刻んでいます。この年コルト社は51ネービーなどとは全く別のプロジェクトとしてサイド・ハンマー形式の銃器をいくつか発表しています。コルトのチーフ・エンジニアのE・K・ルートがこの年取得したパテントを元にしたことから別名ルート・モデルとも呼ばれています。

 

サイド・ハンマー・モデルはハンドガンだけでなくミリタリー・ライフルやライフル・マスカットなど多岐にわたって制作されたようです(前回1851ウッドストック・モデルの時一緒に紹介したM1855ミリタリー・ライフルが一例に)。

 

 

1855のハンドガンはオクタゴン・バレルを使用した.28口径と丸バレルの.31口径モデルがあり、それぞれいくつかの銃身長のものが存在したようです。

 

 

51ネービーと60アーミーの間に造られたこのユニークな機構のこのハンドガンは残念ながら日本では一度もモデルアップされたことはありません。非常に重要なモデルであるので、いつかは自作したいと前から思っていました。ただそのユニークさからベースにできそうなモデルガンが存在しないので、もし造るとなるとほぼフルスクラッチになることは容易に想像できました。

 

        

 

                   

 

 

フルスクラッチですが、できるだけ可動個所は多くしたかったので一番のポイントとなるサイド・ハンマーとトリガーは連動、スプリングは金属製の板ばねでは強すぎて軸のABSが負けてしまいそうなので1.5mmのプラ板を使用しました。画像のように完成品はシリンダーバーの後ろまでフルコック出来ていますが、一番最初の段階ではハンマーの下部分がシリンダーバーのツマミ部分にあたって止まってしまったのでハンマーの底とシリンダーバーの付け根部分の厚さを修正しました。

 

 

       

 

  逆サイドから見たハンマー部、フルコックに合わせてトリガーが飛び出しているのが確認できますね。

 

 

        

 

                  ハンマーが落ちた状態。

 

 ハンマーを軸に固定しているスクリューが実銃とはまったく違うのですが、さすがにここをABSで造ると強度的にもたないのでパーツボックスを漁ってこいつをチョイスしました。

 

 

 

 

 

       

 

 

 ほとんどの部分はABS板からの切り出しと重ね合わせで造っているのですが、唯一シリンダーだけは1849ポケットのものを改造してつくりました。3mmほど長さが足りなかったのでABS板を丸くカットして前部につけ、ニップル部の抉れの形状も角形から丸型に修正しました。こちらの面はサイドプレートが外せる仕組みになっていて、留めてある3つのスクリューはS&WのM19のサイドプレート用のものをオークションで購入しました。こちら側のハンマー軸スクリューはダミーです。

 

 

        

 

     まあフルスクラッチの割にはそれらしくできたのではないでしょうか。

 

 

 

         

 

 

今回実銃写真を見ていて気が付いたのですが、グリップフレームの後ろ側の下の方にスクリューがありますね。僕は51ネービーやS.A.A.のようにグリップ前部に板ばねの基部になるスクリューを付けたのですが、本来はこっち側についているのかも・・・というわけでダミーのスクリューを追加しました。

 

 

      

 

 前回のせたローディング・レバーの画像ですが、接合部の回転軸になる穴がだいぶ前よりになっているのがわかります。ここを本来の中心に直したのですが、そうすると今度はレバーを下げたときの後部のバーが下がりすぎてフレームに干渉してしまいます。そこで今度は後部バーの起点になる軸の入る穴を大きくして上下に遊びができるように直しました。

 

 

         

 

       まだ若干距離がありますがかなりシリンダー前部にバーが近づきました。

 

 

 

        

 

 前回登場時との差別化のためホルスターを選びました。かなり古びた状態ですがサイズ的にはぴったり。

 

 

     いつものように専用ケースに入れましたが今回参考にしたのは下の画像。                  

 

                   

 

 1855の.28口径今回モデルアップした.31口径よりやや小さなモデルでバレルは8角錐本当はこちらもいつかは造りたいです。

 

 

        

 

たまたま内装によく似た木製ケースがあったので最小限の備品と一緒に収納しました。

 

 

                   

 

 外装は御覧の様にゴールド・インレイと彫刻が施された民芸品でなかなか良い雰囲気。

 

 

                   

 

      

               以上M1855サイドハンマーでした。

 

 

 

 

                   

 

 

 

 

                   次回はM1860です。