周りに気を使いすぎるところがある。
怒ったところを見たことがない。
会社や友人関係での夫への評価。
その評価に私は??と思っていた。
確かに優しいし、怒ったりすることはほとんどない。
それでも私に対してイライラをぶつけてくることはたまにあった。
繊細で周りの人の目をかなり気にしていた。
私は、そんなにまわりはあなたのことを見ていないよとよく言ったが、
彼はそれを否定した。
品行方正に生きる、そう彼は自分に課していたように見える。
何かを始めるときや飲み会に行くとき、大きな買い物をするときは、
勝手に黙ってせず、必ず~したいんだけどいいかな?と私に了解を得てから。
飲み会に関してはお付き合いもあるだろうから報告しなくていいよと言ったのだが、
毎度ご丁寧に了承を得てから行っていたようだ。
私の基準が厳しいのだろうか?
でも私が自宅で一人バタバタと家事をしているとき、のんびり新聞やTVを見ていたりすると
プチ腹が立ったり、旅行先で私が荷物と子供の手を引いている先で手ぶらで進む様子をみてやはりなぜと思った。
そこでかわいい奥様なら、手伝ってと上手に誘導できるのだろうが、
私も意地になって、いつになったらこの状況が気付くかと思い言葉にしなかった。
そしていつも賭けに負けて、結局本格的に腹を立てるのでいいことはなかった💦
私が反省して、かわいい奥様を演じることができたら、きっとお互いにとっていいことづくめだったのに、ツマラナイ意地でツマラナイ関係にしてしまった。
そんな感じで、私の彼への評価は気が利かないなあ、である。
先日、本屋に立ち寄った時、繊細な人のためが生きやすくするための書籍のところに目が行った。
そういえば自宅にもこのような本がいくつかあるなあとぺらぺらとめくった。
そこでふと気づく。
あ、彼は私にだけ、スイッチを切ることができたのか、と。
会社でのイライラをうまく解消できなかった時にぶつけられたイライラ。
理不尽だなと思ったが、普段怒ることが少ない彼がそうすることが珍しくて印象に残っただけで、
普通にあることなのかもしれない。
気が利きすぎて立ち振る舞ってしまう中で、私の前だけはスイッチを切ってのんびりと過ごしていたのかもしれない。
当時は私も必死すぎて、気付けなかった。
彼にとって私が唯一羽根を休めることができた、宿り木だったことに。
まだまだごめんねの気持ちは消えないけれど、
私も彼の役に立てていたことに気づき、少しホッとしている。
そうだよ、今まで気づかなかったの?
これを書いているパソコンの右側に仏壇がある。
その中にいる遺影の夫がそう言っているように今日は見える。
今日は特に優しく微笑んでいるように私には見える。