万葉集から


大伴家持の霍公鳥の歌、二首



夏山の 木末の繁に 霍公鳥

鳴き響むなる 声の遥けさ


なつやまの こぬれのしげに ほととぎす

なきとよむなる こえのはるけさ


夏山の梢の繁みに霍公鳥が鳴き響かせる声は遥かに


別の詠みをすれば


「なつやまの」は「」

「こぬれのしげに」は「」

「ほととぎす」は「」

「なきとよむなる」は「」

「こえのはるけさ」は「」


四句を「無き「とよむ」なる」と解釈し、

歌から「と」「よ」「む」を取る


「なつやまの」は「撫づや間の」

「こぬれのしげに」は「子寝れの繁に」

「ほ□□ぎす」は「穂着す」

「なき□□□なる」は「鳴き鳴る」

「こえのはるけさ」は「声の張る今朝」


猫を詠んでいる



あしひきの 木の間立ち潜く 霍公鳥

かく聞きそめて 後恋ひむかも


あしひきの このまたちくく ほととぎす

かくききそめて のちこひむかも


あしひきの木の間を潜る霍公鳥、聞きはじめた後に恋しく思う


別の詠みをすれば


「あしひきの」は「あ、鴟尾木の」

「このまたちくく」は「此の間立ち供具」

「ほととぎす」は「秀と遂ぎす」

「かくききそめて」は「かく聞きそめて」

「のちこひむかも」は「後も恋ひむかも」


屋根の上の両端の鴟尾の飾りを詠んでいる