万葉や古今の時代には、歌は、二重、三重に詠むことができた


大和言葉の特徴が、似た言葉と複数の意味を持つ言葉を使っていたから

さらに

本当のことを大っぴらにことばにしないという言霊の概念に支えられていた


でも

言葉が細分化され持つ意味が少なくなり、複数の意味を持たせるのが難しくなる

さらに

社会の通念としての言霊の概念が薄れてゆく


でも

人の考えが複雑になり、歌に表された言葉と詠んだ人の心というものの関係性の方が重要になってくる

だから

言霊よりも人心に歌の表現は寄り添うことになる


古の技法が使われなくなれば、技法は忘れ去られる

技法が忘れ去られれば、古の歌を詠むことができなくなる

いや

詠む必要性が失われた

だが、

歴史的な概念からは、そのようなことが行われていたことや、そこに詠まれていた内容は、歴史を裏付ける、または、覆す資料になりいおるものだ