今回は、「卒アル写真で将来はわかる」(マシュー・ハーテンステイン著 文藝春秋)をご紹介してます。


本書は、以下の7つの章で構成されています。


第1章 殺される顔、殺す顔

第2章 排卵日にはゲイがわかる

第3章 卒アル写真で将来はわかる

第4章 嘘をつく奴の顔はここが違う

第5章 話は中身より話し方

第6章 顔の細い社長の会社は業績が悪い

第7章 なぜ子供は選挙の当落を当てられるのか?


顔の幅の広い男性は攻撃的な人が多く、殺人等の加害者になることが逆のパターンより圧倒的に多いという結果が出ました。

また、300の裁判を調べたところ、大人びた顔の男性の92%が有罪であるのに対し、童顔の男性の有罪率は(半分以下の)45%でした。


女性は、排卵期に近づくほど男性の性的傾向(ゲイであるか否か)をより正確に予測できるようになります。


女性が男性に求めるものは良質な遺伝子と良好な健康状態です。

左右対称に近い男性の顔ほど、その要求を満たすことが多いようです。

男性が女性に求めるものは、自分の遺伝子をよりよい形で残してくれることです。

その大きな基準はウエストとヒップの比率で、0.7以下が好ましいとされています。


満面の笑み(デュシェンヌの笑い)で卒業アルバムにおさまる人は、寿命が長く、結婚生活も長続きする傾向があります。


嘘を見抜く研究者であるエクマンは、目のまわりの筋肉を”信頼できる筋肉”と呼んでいます。


話す内容よりも動作等のプレゼンスタイルのほうが、学生による教授の評価に大きな影響を与えます。


顔の幅が広いCEOの方が、会社の業績を伸ばしているという研究結果が出ています。


米国大統領に選ばれる人のように、選挙で勝つ人は「見かけ」で選ばれています。


(抜粋・要約は私の独断です)


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私が「嘘を見破る質問力」を執筆するに際して、エクマンの著書等の文献にあたり、自らの経験をブレンドしました。

そういう意味では、自著執筆が本書との出会いをもたらしてくれたのかもしれません。


ただ、本書でも著者がしつこく書いているように、決して信じすぎないことが大切でしょう。

嘘を見抜くには、たくさんの手がかりを拾っていく必要があります。

もちろん、直感なども大切でしょう。


左右対称やウエストとヒップの比率のような大きな要素にしても、それだけで決定的なものではありません。

フェロモンのようなものもあるでしょう。


攻撃性の強い幅広顔の男性が、経営者になると力を発揮するというのも面白い材料です。

あくまで判断材料のひとつとして。


選挙で、(他の要素が五角なら)見た目のいい人が当選するのは子供にだって予想できることでしょう。


まだまだこの分野は進歩していくでしょうが、観察力や判断力を磨く「材料」として、本書はとても有益な一冊です。


卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学/文藝春秋
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