BWシリーズに待望のHK22カバー搭載モデルが追加です。

 

結構前にあったBWブラックゴールドのHK22バージョンとも言えますが、工場変わってますし同じアグレッションハイブリッドカバーですがもはや別物でしょうね。

 

HK22は登場以来、短期間で多くのボールに搭載されてきました。

トップスピード、エンビジョン、3-Dオフセットと、各ブランドのハイパフォーマンスボールで抜群のパフォーマンスを証明してきましたが、やはり皆さんが待っていたのはブラックウィドーでしょう。

僕はHK22-GB12.0Pearlのザ・ワンを待ってるんですがね。

 

 

 

ボール名について言いたい事があるんですよ。

世界発売のBW、この度めでたくソリッド、パール、ハイブリッドの3タイプのカバーが揃ったわけです。

BW2.0、BWゴースト、BW2.0ハイブリッド。

 

ゴーストも2.0パールでよくね?絶対2.0パールで良いよね?

なんでパールだけゴースト?こうやってボール名3つ並べるとなんかムズムズしない?落ち着かなくない?なんかゴーストだけ収まってないよね?僕こういうの本当にダメなんすよ。

 

 

 

【カバー】

HK22-AGGRESSION HYBRID

HK22のアグレッションは初。

アグレッションのハイブリッドもブランズウィック工場では初。

中程度の強さのカバーですね。

特性はどちらかというと走りの軽さからパール寄りに感じますが、動きはパールともソリッドとも取れない中間的な印象。

個人的にハイブリッドはあんまり好きじゃない。

パールとソリッドの「悪いとこ取り」と感じるハイブリッドが昔は結構あったので。最近は良いのは分かってるんですがね。

 

そもそもブランズウィックのパールとソリッドは高い汎用性や安定性を持つのでハイブリッドはいらないとすら考えてました。

ただこんなに良いハイブリッドなら話は別。

最近ではエクスプロージョンのREFLEX HYBRIDもそうですが、パールとソリッドの「良いとこ取り」なハイブリッドが多くなってきました。

 

それに加えてHK22のおかげでオイル上のトラクションを必要以上に上げずにドライエリアでのレスポンスや安定性が向上してます。

こんなに良い素材を開発するなんてブランズウィックさん天才っすね。

 

 

 

【コア】

GAS MASK

いつもの。

 

転がる・安定する・大きい曲がり角度・高い持続性。

曲がりに関する各性能が非常に高水準高バランス。

 

【所感】

最近は特徴的な性能が多いこのシリーズですが、2.0やゴーストのような「優等生」「お前も丸くなったな・・・」感がある性能になりました。

 

・スキッドはちょい長って感じです。

勿論非常に転がりが強いのですが、結構走りは軽くてカバーの良さが際立っています。

 

・ブレーキはちょっとだけ短めの距離ではっきり見やすい止まり方です。あと失速感がかなり抑えられています。

BWシリーズはパールのゴーストでさえ柔らかいブレーキですし、強いブレーキをするボールがそんなに多くないんですが、これはややはっきり目に止まります。

この塩梅も丁度良く、トラクションが強すぎず失速感も最小限で軸移動とリンクした自然な止まり方・向きの変え方をします。

これはHK22のおかげと考えます。今までより明らかに変わりましたからね。

 

・バックエンドはまんまBW。いつものバックエンド。

はっきり動きが見える程度のキレ、曲がり角度の大きさ、その持続性の高さ。

曲がり幅はやや大き目で強い戻り感が頼りになります。

 

 

・オイルへの強さは中~中の上くらい。

そんなに強くはないです。24mlのハウスコンディションで起こる少しのキャリーでちょっと先が甘くなる程度。

これは内壁を感じやすく利用しやすいレベルの強さで、ミディアムコンディションに適合するボールとしては良い感じです。

 

 

 

優等生ボールですね。高バランス。非常に扱いやすい。

良くまとまっていて完成度が高いので何も言う事が無い。

ブラックウィドーらしいリアクションを表現しながらも全体の軌道の中で尖った部分が無く、ここが優等生ポイント。

 

最近のBWシリーズはカバーの性質を活かした特長を持ったボールが多かったですが、このボールは2.0やゴースト、リアルモンスターのような高バランス型のボールに思います。

 

このようなボールの最大の利点は「何でも出来る」という事だと僕は思ってます。

簡単に言えばローテーションやチルト、ボールスピード、それらを素直に反映した上で質の高い動きを見せます。

深いインサイドに入ってサイドロールを強めたら強い入射角を取れますし、逆にフォワードロールを強めたら手前のトラクションが増します。

しかしこれは他のボールでも出来るのでは?まあ当然出来る。

ただ、あるボールはサイドロールを強めたら暴れたり、あるボールはフォワードロールを強めたらバックエンドの動きが出なかったり、球質に対してピーキーなボールも多くあります。

その点、非常に強いコアであるにも関わらず、その球質の「デメリット」ではなく「メリット」を引き出したリアクションを表現する点が「何でも出来る」という評価になってます。

また、これは器用な人だけに向けてのメリットではなく、つまるところ「多くのボウラータイプに適合する」という事でもあります。

「万能」という雑な言葉は使いたくありません。しかし悔しいですがそれに近い感想を持つ事は間違いありません。

 

 

 

【ブラックウィドーダークネスとの比較】

シリーズでも直近のモデルであるダークネスとの比較です。

ダークネスは強いカバーでパール。

あとはHK22の効果がどう出ているのかが興味深いです。

 

この比較の項目内では便宜上ブラックウィドー2.0ハイブリッドを「ハイブリッド」、ブラックウィドーダークネスと「ダークネス」と呼称します。

 

・スキッドはハイブリッドの方がやや長いように感じます。

どちらのボールも暗めのカラーという事もあって走りに重さは感じられず、かといって滑りもなく素直な走りです。

強いて言えばダークネスの方が気持ちオイル上でのトラクションを感じるかなって程度。

 

・ブレーキはどちらのボールもパッと見BWシリーズらしい転がりの強さを活かした高い安定性が感じられる印象。

ダークネスの方が強さを感じます。若干カバーの強さをコアの転がりより先に感じるというか、そんな感じ。

 

ハイブリッドの方が減速感が少なくて軽快な印象を持ちます。

ダークネスは若干の減速感があり、その点もダークネスの方が強いと感じる部分です。

 

・バックエンドは同等の曲がり角度、持続性、強い加速感、曲がり形状です。

ここに関しては双方のボールでカバーの違いはありながらも加速感やリアクション自体の強さ等、動きの質の水準が変わらない点は流石です。

特にダークネスはブレーキで結構カバーの強さを感じながらもバックエンドも強いのは高評価すべき点。キレ感もハイブリッドより少しあるように思います。

 

・オイルへの強さとしてはダークネスが若干上のように思います。

強さの違いは出ていますが、双方共にそもそも対応力が高くて守備範囲が広い性能なので実用性の観点で大きな差はありません。

ダークネスは上の下、ハイブリッドは中の上って感じでしょうか。

 

 

 

ハイブリッドとダークネスの違いは強さ以外はブレーキのやや細かいニュアンスであり、パッと見そんなに大きな差は感じない人もいるかもしれません。

ブレーキ性能の違いやスキッド感によってハイブリッドの方が動きが軽いと僕は思いますが、バックエンドのキレ感を見るとダークネスもなかなか軽快です。

細かく見る所を変えると違いはあるんですが、全体の動きの印象が共通して「ブラックウィドーの動き」なので「パッと見似てる」って感想になるんだと思います。

 

 

ラインナップ内の同居は、強さや動きのニュアンスの差を読み取れる場合は可といった感じ。

ダークネスでちょっとオイル足りない場合にハイブリッド、ハイブリッドでちょっと滑る場合にダークネスって使い方が出来ます。

「差」を見た場合はそんなに大きくないんですが、同じコアでカバータイプや強さが異なるボールはお互いを補完し合う関係性で使用出来ます。

ミディアム~ミディアムオイリーくらいのオイルコンディションの場合、この2個は有効に機能するでしょう。

 

あ、ダークネスとハイブリッドの比較の中でHK22が目立った差を生むかどうかで言うと、正直「ここがHK22による差だな」なんて思う事はありませんでした。

カバーそのものやカバータイプも違い、HK22以外にも性能を左右する要素が多かったために少なくとも今回の「比較」においては決定的な影響を及ぼす要素ではありませんでした。

 

 

 

【用途・適正】

・ミディアムコンディション全般に対応します。

 

・高バランスで場面をあまり選ばず投げる事が可能です。

特にトーナメント等では長時間投げ続ける事が出来るでしょう。

手前の走りの不足感を感じにくい割にはブレーキも安定しており、走らない板でも困る事は少なそうです。

 

・ラインナップではちょうど中間くらいの強さのボールとなるでしょう。

 

・ストローカータイプにとっては手前の走りの良さと、その割には安定したブレーキのバランスは扱いやすく感じて頂けるでしょう。

特に外に向けてのライン取りで安心感を持つ事が出来る点が他のボールより優れた点です。

これは強すぎないカバーと、大きな曲がり角度と高い曲がりの持続性を持つコアとのマッチングによる優位性であり、ドライに当てても先の動きが弱まらずに強い戻りを見せる性能になっています。

 

・ハイレブタイプにとっては動きの強さや曲がりの大きさの割には非常にスムーズな軌道が扱いやすく感じて頂けます。

このタイプにとって走りの軽さはストローカータイプより重要な特性ですが、この点も満足出来るでしょう。

インサイドのオイルを感じやすくてアウトサイドのドライに触れてもしっかり戻るといった特性、ハイレブプレイヤーがミディアムコンディションで投げる際に非常に広いポケットヒットの幅を感じる事ができ、ビッグゲームの連発が期待出来ます。

 

・スピードより回転が上回るタイプにとっては箱出しだと少々走りが不足するかもしれません。

このボールはポリッシュとの相性がとても良いと思いますので、2000番か3000番くらいでポリッシュしても良いかもしれません。

 

 

 

【総括】

ブラックウィドーシリーズの中でも屈指の高バランスなボールです。

アグレッシブですが、全体的にスムーズな軌道イメージで誰にでも扱いやすく感じて頂ける仕上がり。

 

中くらいの強さのカバーとHK22の組み合わせはミディアムコンディション全般に対応しており、高バランスな性能と相まって非常に高い汎用性も持っています。