復刻後、OEMを含めて3個目の3-Dオフセットです。

まず色が良い。めちゃめちゃ良い。

見た目だけで良さそう。

 

今回の3-DオフセットはHK-22ベースカバーが使用されている点が大きな変化です。

 

便宜上、この記事では3-Dオフセットと比較して紹介する事が多いので、前作を「オリジナル」と呼称します。

 

 

 

【カバー】

HK22 - Neoflip 25 Pearl

カバー名、ネオフリップという事でネオフレックスの改良版?親戚的な?名前的にメリハリが強調されたカバーなのでしょうかね。

HK22と組み合わされているのと、アタックというボール名的にも以前までの3-Dオフセットよりも攻撃的な性能をコンセプトにしてるのでしょう。

あと、ネオフレックスからの変更点はあるのでしょうが、投げて分かる変化はカバーが変わったからなのかHK22だからなのかさっぱり分かりません。

 

 

 

【コア】

High Rev Offset

 

いつもの3-Dオフセットのコアです。

ブレーキ感は対称コアかのような自然な柔らかさ、バックエンドの後半にかけて曲がり角度が大きくなるような独特な持続性を感じます。

 

転がりが強い非対称なのにリアクション自体がそこまで強烈じゃなくコントロール性能が高いのはフリップブロックや複雑な形状を用いない単一な成形と密度のコアだからでしょうね。

今まで興味が無かった人、非対称はピーキー故に敬遠してた人、対称が好きだけど戻り感や曲がり幅の不足に悩まされる人、このコア良いと思いますよ。

 

 

 

【所感】

全体的な動きの各所に「しっかり感」が出ており、オリジナルの柔らかさのイメージを残しつつもレスポンスが向上した印象です。

 

・スキッドは平均的です。オイル上での安定感はカバー的にもコア的にも強めのパールって感じです。

軽くも重くもないスキッド感で転がりが良く、特に目立つ点はありません。

 

・ブレーキはシャープさをやや感じる止まり方で、オリジナルに比べてここが一番変わった点のように思います。

オリジナルの良さでもあったウェブのような転がる対称コアって感じのブレーキの印象ですが、その印象のままレスポンスとトラクションが高まってしっかり止まるようになりました。

 

・バックエンドはオリジナルと同じような印象です。バックエンド後半にかけて曲がり角度が大きくなるような感じです。

一見そんなに大きく動くようには思えないんですが意外としっかりとした戻りを見せます。

これが「柔らかいけどちゃんと動く」と感じるか、「違和感」と感じるかは投げ手次第です。

 

・オイルへの強さは中の上~上の下って感じです。

強いパールって感じ。多くのコンディションに対応し、その柔らかいブレーキもあって汎用性は高いでしょう。

 

 

 

オリジナルをしっかりさせた感じという印象はトップスピードの記事上でスピードDBPとの違いの点でも少し書きましたね。

 

オリジナルの記事では主にブレーキの部分でウェブパールのような高いコントロール性能を推しましたが、このアタックでもやはり同様にコントロール性能の高さを感じました。

ブレーキでの自然な軸移動とリンクした止まり方は継承しつつも、HK22のおかげで強化されたレスポンス性能がオイルの濃淡を分かりやすくしています。

3-Dオフセットシリーズが持つ扱いやすさはそのままに、動きをシャープ目に強化した仕上がりです。

 

第一印象では高いレスポンスやしっかり目になったドライエリアでのキャッチ感が目立ちましたが、バックエンドの曲がり角度の大きさやその持続性の高さといったオリジナルの特性もしっかりと感じられました。

 

また、酷くキャリーしたコンディションでも投げましたが、ここでは手前や先のオイル上での安定感も高く感じました。

カバーがネオフリップという事で、察するにネオフレックスをベースにチューニングしたようなカバーであるとするならば、ネオフレックスのウリであったオイル上での安定したトラクションとドライエリアでのレスポンスの両立という特長も引き継いでいるのでしょうか。

 

という事で、オリジナルをビシっとさせた感じでした。

 

 

 

【3-Dオフセットとの比較】

トップスピードと比較しようと思ったんですがね。オイルへの強さは同じくらいでトップスピードは転がりやトラクションが強く、アタックはメリハリがより感じられるシャープな印象。

って感じで、曲がり形状の違いに差が出ています。

現代版3-DオフセットもまだOEM含めて3個目なので、同コアでの比較の方を詳細にしていきたいと思います。

 

・スキッドは気持ちアタックの方が長い気がします。

ただ、オリジナルは#2000マイクロパッド仕上げ。アタックはポリッシュですから、スキッドの長さの差は表面仕上げの差ですかね。

 

・ブレーキはオリジナルは柔らかくてアタックはややはっきりと止まります。

オリジナルの安定性の高さは言うまでもありませんが、メリハリが出ているアタックも軌道の中に不安定な感じが無く、安心して投げる事が出来ます。

トップスピードの時にも感じましたが、HK22を搭載する事によってレスポンス向上の効果だけでなくブレーキ性能の安定も感じる事が出来ます。

強く高レスポンスに止まるだけなら色んなボールがありますが、「ほどけず・予想外の動きをせず・軸移動とリンクして・強いバックエンドに繋がる」という特性もセットで感じるブレーキ性能はHK22で初めて感じられる特長です。

 

・バックエンドもアタックはシャープな印象。オリジナルは柔らかい軌道イメージながらも加速感と曲がりの持続性を感じます。

どちらの曲がりの質も完成度が高いのですが、シャープな印象か柔らかい印象かという抽象的な感想も用途や適正に関係してきますね。

 

・オイルへの強さは明らかな差は感じないものの、アタックの方がブレーキがしっかりしており、この点でオイルを感じる場面では安心感があるかもしれません。

 

 

 

ブレーキ感と曲がり形状に大きな差が出る結果となりました。

しかし、曲がり形状というボールから感じるイメージとしては大きな要素が変化したにも関わらず、このシリーズに感じる特長も残されてあって完成度の高さはさすがでした。

具体的にはどちらのボールにもバックエンドの曲がりの持続性の高さと曲がり角度の大きさにシリーズの特長が表れていました。

 

ブレーキ感の変化としてはオリジナルは柔らかく、アタックははっきりと止まるポイントが見える印象。

適性としては、オリジナルはドライエリアでのレスポンスがアタックほど高くなくてコントロール性能が高いため縦に投げたりタイトに投げたい時、タフなコンディションでも安定して先の動きを求めたい時等に合います。

アタックはしっかり止まって先の動きが見えやすいのでワイドなラインの時や、ストローカータイプがちょっと内のオイルを使ったり外のドライに当てた時の戻り感を求めたりする時に合います。

 

また、アタックと同じくらいの強さのパールが最近は続けて発売されています。BWダークネスとトップスピードです。

これらと比べた場合、

バランスが取れたアタック

トラクションや安定感はトップスピード

メリハリやシャープさはダークネス

という感じで僕の中では差別化されています。

ただ、どのボールも明らかな優劣は無く、強いて分けるならって感じ。

 

 

 

【用途・適正】

・ミディアム~ミディアムオイリーに対応します。

 

・ハウスコンディションや先が落ち着いてきた時、あらゆるタイプにとって幅広い用途に対応します。

ぶっちゃけトップスピードと用途は被りますが、好みで選んで失敗は無いと思います。

 

・ラインナップの上から2番目~真ん中くらいの強さになるボールです。

メインボール的な用途として使えるボールで、コンディションが分からん場合はとりあえずコレ投げる感じです。

 

・ストローカータイプにとってはややシャープさが優先して感じられ、やや高いレスポンスや曲がりの持続性の高さが汎用性の高さに繋がっています。

特に高い曲がりの質と適度なレスポンスは暴れを抑えた上で強い戻り感を生み、ライン取りの自由度や安定性が上がります。

 

・ハイレブタイプにとっては戻り感もレスポンスも高い割にばこーんって来ないバックエンドがとても扱いやすいです。

人によってはブレーキでビシっと止まって向きを変えた後にもう一回曲がるような印象も持つかもしれません。

深いインサイドからドライに当てても抜群ですし、オイルを使ったタイトなラインでも安定します。

 

 

 

【総括】

オリジナルの3-Dオフセットに対して全体的にしっかり動きが出るような印象にした感じです。

これは先月発売のトップスピードとスピードDBPとの差と似たような傾向のパフォーマンスの変化であり、これがHK22の効果である事が分かります。

 

オリジナルよりも高いレベルでトラクションやレスポンスが安定し、汎用性が上がったボールとなりました。

メインのボールとして幅広い用途で使用出来るでしょう。