スコーピオンのパールバージョンです。

先代のスコーピオンから随分経ちましたね。

今回のパールバージョンはコアも変わっています。コアのベースは同じLEDなのですが、僕の感想としては先代のスコーピオンとはイメージが変わりました。

 

ザ・ワンリミックスとエンヴィーではかなり長い記事になってしまったのでスコーピオンスティングでは簡潔にサクっといきたい。手抜きではないです。だって読みやすい方が良いでしょ?

 

手抜きではないです。

 

 

 

【カバー】

SEMTEX PEARL

弱めのパールです。オーシャンバイブに採用されているCT REACTIVE PLUSより一段階弱い位置となっています。が、正直似た強さ。入ってるコアも違うし、それぞれのカバーを使ったボールも少ないのでデータが不足してます。

 

1500番ポリッシュ仕上げ。

カラーはティール、シルバー、パープル。

とても綺麗なカラーですが、明るくて軽めな印象のマルチカラーだと転がりが過度に感じる場合もありそうです。

 

 

 

【コア】

LED3.0

先代スコーピオンに搭載されていたLED2.0のアップデートバージョンですかね。フリップブロック付いてます。

RGが下がり、⊿RGが上がっています。要するに強くなってます。

転がるようになって若干フレアポテンシャルが上がったという事は安定感の上昇を狙ったのでしょうか。

レジェンドスターのカタログにもブレーキの強化とありますね。

この数値的なスペックの変更に加えて実際の使用感の変化がこのスティングの注目すべきポイントです。

 

 

 

【所感】

メリハリが結構強く感じられます。

走ってキレる部類のボールになるかと思います。

先代スコーピオンからはカバーや表面仕上げの違いを考慮しても結構大きくイメージが変わった仕上がりです。

 

・スキッドは長めです。

直線的で軽い印象。ですが不安定さは無くて弱めのボールとしてはかなり扱いやすくて頼れるスキッド感です。

 

・ブレーキはかなりはっきりしてます。

僕はこの部分がコアのアップデートによる変化として大きい点だと思います。

ドライエリアでのレスポンスが良く、短い距離で止まって向きを変える力も強いです。

 

・バックエンドも鋭い動きです。

ブレーキで向きを変えてからさらに曲がり角度が増すようなイメージ。パキっと曲がって終わりではなく、アグレッシブさの割にはピンに当たるまで曲がり続けてくれます。

強いブレーキに加えてこのバックエンドなら、ストローカーがインサイドからのライン取りをした場合の入射角不足に悩まされる事は減るでしょう。

 

・オイルへの強さは中の下から下の上って感じ。

ミディアム~ミディアムドライな状況にマッチします。

 

メリハリがよく出た軌道イメージでしたが、細かく見るとブレーキでのレスポンスの良さの中にも軸移動の自然さがあったり、高い直進力からの強いブレーキがあってもバックエンドでの曲がり角度や持続性を失わない等のトータルバランスの高さはスコーピオンの良さを受け継いでいます。

 

 

 

【オーシャンバイブとの比較】

オーシャンバイブの記事では、このボールは絶妙な強さで他に無いと書きましたが、その強さにこのスコーピオンスティングが加わる事になりました。

強さが似ている2つのボールの違いを見ていきます。

 

・スキッドはスティングもバイブも同じような長さです。

ただ、スティングの方が直進性があるような気もします。

この後のブレーキ感の違いによってもスキッド後半の印象は変わってきますね。

 

・ブレーキはかなり性格が異なります。

スティングは前述した通りドライでのレスポンスに優れ、短い距離で止まって向きを変えます。

バイブはドライに触れた時にレスポンスが早めで、そこからは柔らかく向きを変えるようなスムーズなブレーキです。

ここはコアの特性差かと考えます。

数値というより、個人的にはフリップブロックが効いてるんじゃないかなーって気がしてます。

って思ってレジェンドスターのSNSのコメント見たらそう書いてあったわ。なんかごめん。

 

・バックエンドは両ボール共にインサイドからでも入射角を確保しやすい曲がり角度を持ち、共にバックエンドの初期に加速感があってピンへの当たりの強さも感じさせます。

曲がり幅も似たような感じですが、ラインの適性で言えばスティングの方がドライでのレスポンスに優れるので強い戻り感が必要なワイド目のラインに対応しやすそうです。

 

・オイルへの強さは若干バイブが上に感じます。

でもドライでの反応の違いが大きいですし、断言しにくい差です。バイブの方が転がりは強い気がします。特にスキッド中盤以降。

なので、正確にはオイル上の安定感ではバイブが上って感じ。良くも悪くもスティングの方が直進性で若干上です。

 

この2個のボールの違いは曲がり形状や軌道イメージで大きく出ており、オイルへの強さは僕の感想としては同じくらいという感じです。

メリハリが出るスティング、スムーズなイメージのバイブといった感じ。

これは用途としては似た感じになりますのでボウラータイプやライン取りのイメージのしやすさによって選ぶと良いと思います。

この2個のラインナップ内での同居は、僕がテストした同レイアウト・箱出しという条件ではナシです。

適性に軽く触れると、スティングはワイドなラインに向くように思います。

バイブはスティングに比べてタイトなラインに向きます。

でもあくまで比べた場合の違いというだけで、スティングはタイトが苦手、バイブはワイドが苦手というわけではありません。


 

 

【用途・適正】

・ミディアム~ミディアムドライに適合します。

 

・トーナメントではオイルが枯れてきてインサイドからのライン取りになった場合に先の動きの強さや角度の付けやすさが非常に強い武器になります。

この点はバイブでも優れていましたが、スティングはさらに優秀と思える場面が多いです。

 

・ラインナップではストローカータイプにとっては一番下を担えます。

ハイレブタイプは下から二番目くらいになります。

ただ、この強さの下のボールって今は殆ど無いのでこのボールが一番下になるかもしれませんね。

 

・ストローカータイプにとっては走りが良くドライでしっかり向きを変える特性が良く合います。

走りを求めて弱いボールで内に寄って外に向かって投げたらボールどっかいく的な事が起こりにくいです。

ドライの摩擦で先の動きがボヤけるような事も起こりにくく、走りの軽さの割に先でのこの転がりの強さはかなりのものです。

ボールスピードが速くないボウラータイプでもしっかり先が動く点も優れた点です。

 

・ハイレブタイプにとっては出しても先が弱くなりにくく、ズルズルに伸びたインサイドでは余計なキャッチをしない点は超インサイドのラインを投げる弱いボールとして優位性があります。

とはいえ球質によってはドライでのレスポンスの良さ故に必要以上に動いてしまう場面も出てきそうです。

高い番手でポリッシュして全体的な軌道にさらに軽さとスムーズさをプラスする事で非常に扱いやすくなります。

 

 

 

【総括】

弱めでメリハリがあるボールとして曲がりの質が非常に高く、特にドライでのレスポンスと向きを変える力は最近のボールには無かった性能です。

これはアップデートしたコアの特性によるものが大きく、ハンマーの開発コンセプトと製品の性能がドンピシャに一致した、まさに開発力の高さを証明したボールかと思います。

 

ここ数カ月でミディアム以下のコンディションに対応するボールのラインナップが一気に厚みを増しました。

 

バイブは強めの転がりや適度にシャープでスムーズな軌道。

 

自然でスタンダードな性能特性で適合するボウラータイプと状況が幅広いメッセンジャーパワーコアパール。

 

走りが良くて先の動きも強く、メリハリが強い特性のスコーピオンスティング。

 

ミディアムコンディションを中心としたあらゆる状況で高い安定性や汎用性を持つメッセンジャーパワーコアソリッド。

 

このラインナップの厚みはかなりのものです。

ボウリングでは、リメンテしない限り投球すればオイルは無くなる一方。

オイルが少なくなってきた場面への備えは全ボウラー必須です。レジェンドスターのこのラインナップは非常に万能性や対応力が高いと言えます。