ザ・ワンウレタンです。
最初はワンコアにウレタンはウィドーウレタン(しばらく発売してないけど)とパフォーマンスや用途が被りそうと思っていましたが、今回は久しぶりにソリッドのウレタンを採用という事でこれまでのウレタンとはまた違ったパフォーマンスを持ったボールとなりました。
【カバー】
Solid Urethaneとの事。
このカバーが過去にハンマーのウレタンで使用されていたカバーと同じ物なのかは情報が無いので分かりません。
パフォーマンスで判断しようにも初のコアとの組み合わせなので正確には分かりません。
カタログにはSolid Urethaneと表記してありますが、箱にはUrethaneとだけ書いてあります。
箱の表記だけ見るとブラックウレタンやブラックウィドーウレタンのカバーと表記上一緒なんですよね。ま、細かい事はいいか。とりあえず良い感じのウレタンではあるのでしょう。
表面仕上げは#1000ですが、強い表面でもそんなゴリッゴリにキャッチしまくるわけではないですし、使いやすいです。
【コア】
ワンコアです。
既に過去ウレタンカバーとのマッチングで実績のあるガスマスクと比べると、両コア共に手前の転がりの強さとバックエンドの動きが両立されたコアです。
で、ワンコアの方がガスマスクより手前がスッキリしててシャープな動きが出る印象です。
この辺がウレタンカバーになってどう出るか。
【所感】
スキッドはスムーズで手前のオイルに流される印象もありません。
現在圧倒的なシェアを持っているパープルパールウレタンのカバーはパールウレタンですが、このパールウレタンと比べるとかなり安定感のあるスキッドです。
ブレーキ感やオイルの濃淡への反応ですが、これはかなり使いやすいバランスです。
オイルがあれば無駄な動きしませんし、ドライではちゃんと向きを変えます。
濃淡への反応は適度にしますが、ウレタンカバーなので当然リアクションはマイルドです。
ドライで向きが変わったあとはユル~~~いバックエンドです。
ウィドーパープルパールウレタンのように「戻り」として見えるバックエンドと、ブラックウレタンのような「寄り」として見えるバックエンドの中間のような動きです。
個人的にはウレタンジャンル内で1番扱いやすい動きです。
僕がウレタンが苦手な理由は、元々はオイル上での不安定さが理由としてありました。オイルの高い低いではなく、高さの程度が分かりにくいというか。
ブラックウィドーウレタンが出てからはその点が解消されましたが、今度はウレタンとしてはオーバーリアクションな動き幅でやっぱり合わず。
なのでショートは我慢しきれずかなり早い段階でリアクティブを投げるハメになっていました。
だってウレタン投げてもどうせ不安定ならいずれリアクティブの時間になるんだから早めにリアクティブのライン探してもいいでしょ?
ま、その肝心のリアクティブの時間帯は予選落ちしてて投げてないんですが。
という感じだったんですが、このザ・ワンウレタンはオイル上では安定してるしドライに触れてもちゃんとポケットに収まるリアクションという、実に都合の良いパフォーマンスです。
ウレタンが下手な僕の感覚なんですが、
外のドライに触れると戻り過ぎる、
出し幅を狭めると行き過ぎる、
立ち位置外に寄ってドライに沿わせたらポッケ行くけど相変わらずオイルに乗ったらボールどっか行くしなんだか幅が出ない、
「これウレタンのレーンじゃねーわ、リアクティブ投げよ。」
ってのが時々あります。しかも絶妙にリアクティブかウレタンか迷う時。3:1〜5:1のイジワルなパターンの時とか。
弱いソリッドなウレタンって元々割と手前でドライに引っ掛けてゆるゆるーって寄らせてポケットにボール集めるような使い方をよくしてたんですが、パールウレタンが出てきてからドライへの反応や向き方が余計な場合が増えたんです。なので手前で引っ掛ける使い方が難しくなったというか。
こういう時にワンだとオイル感じるラインで安定してポケットにボールが集まるので凄く楽なんです。
※語ってるのはウレタンがド下手なヤツです。
【パープルパールウレタンとの比較】
これまでの工場が変わってからのウレタンのラインナップはパープルパールウレタンのみ。
その前のウレタンは結構前になっちゃうし、持ってる人が1番多いであろうパープルパールウレタンとの比較です。
スキッドの比較。長さだけで見れば『あーまぁワンの方がそりゃ短いよねー』くらいの、ソリッドウレタン&強い非対称だから比べたら少し短くなるだろうっていう予想通りの感じ。普通にオイルあれば普通に走りますので長さだけで言えばウレタンとしては特別な感じじゃないです。
オイルがあってもめっちゃキャッチする感じじゃなく、スムーズで流されない安定感が良いです。
パープルパールウレタンとの比較で1番の違いがこのオイル上での安定感です。
ワンはちゃんと転がりとオイルキャッチを感じて投げ手のコントロール下で走ります。
それに比べてパープルパールウレタンはオイル上で滑る場面が多いです。カバーがパールウレタンなのでワンで安定してる状況で同じく安定するとは限らないのは当たり前なんですが。
ドライでの止まり方はパープルパールウレタンよりやや手前でしっかり柔らかく止まってくれます。
これもソリッドウレタンである点と転がりの強さが良く出ている点です。
パープルパールはパールウレタンなのでドライでのレスポンスは良く、ウレタンとしては割とはっきり向きが変わります。手前が流されない状況ならラインが見えやすいです。
当然手前のオイル量によってその差が大きくも小さくもなります。
ここまでは全体的にパープルパールウレタンよりワンの方が多いオイル量に対応するという風に読み取れますね。
バックエンドはパープルパールウレタンの方が若干先の動きが見えてメリハリを感じるかもしれません。あくまでウレタンの範囲内です。
ワンは転がりと動きがちゃんと連動してて軌道予想がしやすいので曲がりの大きさに関わらずコントロールしやすいと思います。
ザ・ワンウレタンがソリッドウレタンなのに対して比較ボールはパールウレタンなので、基本的にリアクティブにおけるソリッドとパールの特性の違いと同様のものと感じます。
で、その中でもウレタンが主に選択されるシビアな状況下において重要な要素である「安定感」と「扱いやすさ」という性能が非常に高いと感じました。
【用途・適正】
僕は長さにもよりますがだいたい23ml以上のオイルパターンで使用します。
長さを問わずスポーツコンディションで力を発揮します。
特にショートはキャリーを感じやすく、「ウレタンだと流される、でもまだリアクティブは投げられない」というよく遭遇する状況でキャリーに流されにくい・または対応しやすいので強いウレタンならではの特性が武器になるでしょう。
曲がり幅も適度で動きを予想しやすいのでフラットなパターンでもボールの行先がバラつきにくいと思います。
そしてオイルがあれば走り、ドライに触れたら止まり、過剰に動かないという素直な特性で信用出来るボールです。
で、僕はなんですが、外のオイルが薄い低難易度のパターンでも積極的にこのボールを投げるかもしれません。20枚目より外に立てるならコレ投げます。
ウレタンの弱点の筆頭であるピンアクションがこのボールに関してはもう弱点と呼ぶほど低いレベルではないからです。弱点消えちゃいました。
もう一つ、オイリーなエリアとドライなエリアの境目である「壁」ですが、この壁のすぐ内のオイリーなエリアでの安定感が抜群で幅が非常に広いラインを取れます。
壁の内のオイリーなエリアはポケットには集まりますがウレタンでそのようなラインを取ると流されるか10ピンが飛ばないのが普通でした。これが流されませんし飛んでくれるのが非常に大きな点です。
現にテストを行った際は240点を下回るゲームはありませんでした。
結果、フラットからハウスコンディションまで非常に幅広い用途に対応するボールとなってます。
主戦場はスポーツコンディションになると思いますが、5:1くらいのパターンで投げても全然アリです。
以上のように、左投げのプレイヤーにとって非常に有用なボールとなり得ると思います。
あとは僕のように今までウレタンボールに苦手意識があった人にもおすすめです。
勿論全てのトーナメントプレイヤーに気に入って頂けると思います。
あと、やはりパープルパールウレタンとの使い分けが良いですね。
ウレタンっていくらピン飛ぶといってもインサイドに寄ってもビシバシ飛ばせるものではありません。
なのでワンでアウトサイド中心のラインが厳しくなったらパープルパールウレタンに変えるという選択肢が効果的です。
パープルパールなら手前の行き足がワンより良く、パールのためドライでの反応も良く、ちょうどワンでオイル欲しーってなった頃にぴったりです。
【総括】
手前の安定感と適度な動き幅の2点が特に素晴らしいです。
この2点の特長により予想外の動きをせず、イメージ通りのラインでの投球を安定して続ける事が出来ます。
ピンアクションも特筆すべき点であり、甘えたラインでもしっかりピンを飛ばすのでこの点はシビアなパターンでも投球に安心感を与えます。
ウレタンカバー使ってもさすがエボナイトという感じです。
ハンマーって特長がしっかり出てて、投げて楽しいボールでもある印象ですが、エボナイトのボールはどのコアでも一貫して投げ手の意のままなレベルの高いコントロール性能を持っている印象です。
テストで初めて投げるボールでも「あぁ、やっぱり良いなぁ。」ってなる。
ウレタンといえばハンマーでしたが、エボナイトのウレタンも同じくらいのシェアを獲れるパフォーマンスを持っています。
おわり。