『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』(江副浩正、角川書店) を読みました。

 

 リクルートについての本はたくさん出ており、私もこれまで藤原和博さんの本を読んだりしていましたが、創業者である江副さんの本を読むのは初めて。

 

 今回、たまたまブックオフの105円コーナーに本書が置いてあったので入手。R25などのフリーペーパーの手法なのは、これからもますます広がりそうですし、何かの参考になればとさっそく読みました。

 

 本書のなかに、他の起業家について書き連ねた章があり、ここはアマゾンのレビューでも評判が悪い。わたしもやや退屈・・・。リクルートの手法そのものの説明については、とても楽しめました。

 

 リクルートのビジネスマインド、起業家精神。社員皆経営者主義。

 

 海外遊学制度、ステップ休暇。3年間勤続すれば1ヶ月分の給与と休暇とともに海外に遊学できる。

 

 退職社員の起業を支援する風土。

 

 その制度、そのマインドそれぞれが魅力的なものがいっぱい。

 

 起業家精神やビジネスマインドのないビジネスマンは、やっぱりみすぼらしいというか、ビジネスマンの資質に欠けているように思う。すくなくとも私の会社には、いわゆる「サラリーマン根性」は必要ない。動機ややる気の源泉は、夢であっても、生活のためであってもいい。だけれども、マインドの組成がまちがっていると、本人にも一緒にはたらく仲間にもよいことがない。だったら最初からはたらかなければいいし、寝ていればいいし、挑戦がこわいなら尻尾をまるめてこたつでも犬小屋でも閉じこもっていればいい。

 

 これは、会社に嫌々で無理矢理はたらかされるのとはちがう。

 

 みずから、価値や生きがいを創造してはたらくことを意味するのだ。ビジネスマインドのある人と、ない人との差は、そこにあるのではないか。

 

 リクルートの社訓「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

 

 仕事がおもしろくないのは、会社のせいじゃない。自分が機会を創り出していないからだ。そして、自らが変革していないからだ。

 

 自らが燃え上がらないで、誰があなたの心に火を灯してくれるというのか。

 

 いつも誰かの着火行為がなければ、あなたは生きていけないのか。自分を鼓舞できないのか。

 

 働くというのは、ただ日銭を稼いでいるだけでなく、自らへの鼓舞と挑戦の日々なのだ。時間がもったいないと思っているのは、まだまだ。じぶんのもちうるものを完全燃焼させて、自ら社会に財やサービスを生み出す。有形無形の価値を創造するのだ。