『佐藤孝治の新刊『〈就活〉廃止論 会社に頼れない時代の仕事選び』公式ブログ

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 佐藤孝治さんのブログや著書に便乗するわけではないのですが、私は就活という言葉が嫌い。とくに、「就活脳」に侵された学生や社会人はもっと嫌。(おまけにこれを結婚相手探しにあてはめた婚活なんて・・・)

 

 自分の頭で考えなければ、そりゃあ、100も200も受けても会社に受からないだろうし、お金も創り出せないだろう。仕事とは、イス取りゲームじゃないんだ。正社員というイスに座ることができてよかったね、シューショクできてよかったね。有名企業でよかったね。なんて、そういうんじゃない。

 

 それは多くの方がわかっている。当たり前のことなのかもしれないけれど、やっぱりどうかしている。

 

 新卒後、定年退職まで黙って通勤電車に揺られていれば、すべてが約束される。 ・・・そんな時代はもう終わった。30代の年収が300万程度しかない今や。だまっていて年収も上がらない。

 

 そもそも会社に入るというのは、その会社の利益を上げること、仕事を創り出すことなのだから。

 

 「仕事ヒマでよかった」なんて、ぼんやりしている社員は、目をさまさないといけない。

 

 こんな社員、いるわけないじゃん、と思いきや。やっぱりいるんだ。とくに大きな会社や古い会社は。労働組合のしっかりしたところにかぎって・・・。

 

 大前研一さんは、こういう人々を「ゆでガエル」と呼んだ。

 

 時代の変化に気づかず(いや、気づいていても気づかないふりをして・・・。まだ大丈夫だと油断して・・・)、古い価値観の安定のなかに安穏として、湯に浸かっている。しかし、そういっているうちに、湯はどんどんと高温になってきている。あれれと思ううちに、立ち上がれないほどにのぼせあがり、湯から出ることもできず、「ゆでガエル」になってしまう。

 

 ・・・この「ゆでガエル」現象は、あらゆるものにあてはまる。

 

 日本の政治家、官僚、有権者、労働者、経営者、学生・・・その他。事例はいくらでもあるだろう。

 

 私は、だれかを蔑んでそう言うつもりはない。私だけが特別な人間だと思って書いているわけではない。

 

 いま、地盤変動を起こしているこの社会において、高度成長のときと同じ気持ち、価値観で過ごせるわけではない。私も含めたすべての人の、価値観の転換、ライフスタイル、労働スタイルの転換が必要である、ということ。

 

 古いものにしがみつけばしがみつくほどに、脱出不能になるおそれがある。

 

 従来型のイス取りゲームは、もう終わりだ。