しかし逆に言うと、今とここは必ずどんな人や物にもあります。すべての人や物は今ここにあるのです。私に絶対的に与えられた今とここ。私は今という時間と、ここという場所こそが私から切り離すことができない絶対的なものだと思います。それは私の本質であり、唯一の真実であり真理です。それは1足す2が3である以前に存在します。つまり今という時間と、ここという場所は別の言葉でいうと神です。私は常に最も近くで神を見ていたのです。そして今も神と共にいるのです。
それなのになぜ今まで神がはっきりと見えなかったのか。それは、私の作り出す過去や未来や別の場所という妄想に引きずられていたからです。今ここしかないことに気付けば、神が見えます。この手の上に神の言葉が乗っています。神は白いひげを生やして杖をついた姿勢のいい老人でもなく、神の言葉は本に印刷されているわけでもありません。神は今ここにあるガムの包み紙であり、神のメッセージはこの部屋の冷たい空気なのです。
私が過去も未来も彼の地も捨てたとき、神は現れます。過去の業績も、過ちも、未来の希望も不安も、持っている家も地位も名誉も、お金があることもないことも、敵も家族も友人も、幸福や不幸でさえ忘れたとき、神はすぐそこに鮮やかな姿で現れるのです。
そして神はこう教えてくれるのです。過去の業績も、過ちも、未来の希望も不安も、持っている家も地位も名誉も、お金があることもないことも、敵も家族も友人も、幸福や不幸でさえ関係ない。大切なのは今ここにあなたがいることです。あなたにとってそれ以上の業績、安心、地位、名誉、富、愛、幸福はありません。
