日銀、マイナス金利解除へ 17年ぶり利上げ 2024.3.16(土)日本経済新聞 | 遊びを仕事・学びに 仕事・学びを遊びに 豊かな人生をつくるストーリー「MATSUBARA」 Amebaブログ

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日銀は18~19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通しになった。2024年の賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準となり、2%の物価目標を持続的・安定的に達成できる環境が整った。日銀が政策金利を引き上げるのは07年2月以来、17年ぶり。金融政策は大規模緩和から正常化に向かい「金利ある世界」に踏み出す。


マイナス金利政策の解除に向けて15日、日銀内外で調整を始めた。現在の短期の政策金利はマイナス0.1%。これを0.1ポイント以上、引き上げて短期金利を0~0.1%に誘導する案が有力だ。16年2月に開始したマイナス金利政策はこれで終了する。

日銀のマイナス金利政策は金融機関が日銀にあずける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用するしくみ。大規模緩和の象徴的な政策とみなされてきた。日銀が解除すれば世界でマイナス金利政策を採用する中銀はなくなる。


連合が15日発表した24年の春季労使交渉の第1回回答の集計で賃上げ率は平均5.28%となり、焦点の中小企業の賃上げ率も4.42%と32年ぶりの高い水準だった。ベースアップも3.70%(ベアと定期昇給を明確に区別できる654組合が対象)に達し、賃金の持続的上昇で日銀が目指す2%の物価目標を安定的に達成できる見通しがたった。


日銀が春季交渉を「大きなポイント」(植田和男総裁)と位置づけて重視してきたのは、物価上昇の持続力と密接に絡むからだ。賃金が上がれば個人消費に弾みがつくうえ、人件費の増加分はサービス価格への反映を通じて物価の押し上げ要因になる。


植田総裁は12日の国会答弁で春季交渉の結果を踏まえて判断する考えを示したうえで「賃金と物価の好循環がどのくらいうまく回っているか点検している」と発言。マイナス金利解除に向けた見極めが最終段階に入っていることを示唆していた。

日銀内からは24年の賃上げ率は「政策修正に慎重なリフレ派も納得できる水準」(関係者)との声も漏れる。


日銀はマイナス金利政策の解除とあわせて大規模緩和の柱となってきた長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)も撤廃する方針だ。現在は長期金利の上限のめどを1%としている。

上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の新規買い入れも終える見通しだ。

23年末以降、日銀はマイナス金利の解除に向けた地ならしを進めてきた。


内田真一副総裁は2月8日の講演でマイナス金利を解除しても「緩和的な金融環境を維持していく」と解除後の政策運営に言及。高田創審議委員も同29日の講演で物価2%目標の「実現がようやく見通せる状況になってきた」と踏み込んでいた。


政府内にも3月解除の容認論が広がっている。財務省幹部は「4月まで待つ必要がなく、3月に解除するのが望ましい」と話す。首相周辺も「時期は日銀に任せている」と静観の構えだ。

22年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など世界の中銀はインフレ抑制へ急ピッチで利上げしてきた。


07年2月の利上げを最後に一貫して金融緩和を続けてきた日銀がマイナス金利を解除すれば、企業や家計にとどまらず世界の資金の流れにも大きな影響を与えることになる。