1989年6月4日、中国北京で天安門事件が起こりました。
民主化を求めた学生100万人に対して、中国政府は共産党の私兵(人民解放軍)を差し向けました。
戦車による銃撃、蹂躙が行われ、外国メディアが把握しているだけで千数百名の犠牲が出ました。
当時を知る私は、暗闇を切り裂く曳光弾の軌跡に心が引き裂かれました。
「こんな無法政府を野放しにしてはいけない」と誓ったものです。
その後戒厳令を敷いた中国全土で殺戮が続き、一万から二万もの人命が奪われました。
天安門事件と言うより「天安門から始まった大虐殺事件」の方が事の性質を表します。

今、香港で行われている追悼集会のライブ映像を見ています。
世界最大規模の天安門追悼集会です。
毎年行われていますが、近年反対意見が増えていると聞いて悲しくなりました。
確かに四半世紀続けても、中国政府はビクともしません。
昨年の雨傘革命でも中国政府は一切妥協をしませんでした。
「こんなやり口では手ぬるい」という強硬意見が出るのも理解できます。
でも、穏健なやり方を否定することはしないでください。
敵は世界最悪の独裁体制です。
立ちはだかる壁を崩すには、ハンマーで叩く方法もあれば、水で浸食する方法もあるのではありません?
民主主義社会とは、異なる価値観を互いに尊重し合わなければ維持できません。
たった一つの価値観しか認めないなら、それはファシズムです。
「自分こそ唯一の正義」と思ったとき、人間は中国共産党と同じ悪に染まるのです。
山頂に至る道は一本ではありません。
複数のルートによるチャレンジは効率的には思えないでしょう。
しかし、どこで崖崩れが起きても全滅しない、粘り強い方法なのです。

一国二制度の期間が迫る、と焦る気持ちは分かります。
しかし焦っているのは中国政府も同じです。
世界に影響力を与えてきた原動力である経済は、破綻が隠せなくなりつつあります。
頼みの綱であるAIIBも日米の不参加で目論見は崩れました。
経済破綻が表面化したとき、中国本土は激震が走るでしょう。
そのとき内部で対立していたら、中国政府から妥協を引き出す機会を逸してしまいます。
どうか内輪で争わないでください。
市民の団結こそ中国政府が恐れるものです。
だから中国政府は市民を分断する陰謀を仕掛けています。
それは日本に対して行われてきた工作の焼き直しです。
市民の分裂こそ中国政府の狙いです。
異なる手法を尊重しつつ、全体で中国政府に立ち向かってください。
香港市民の高い民度があれば、きっと民主化は勝ち取れるはずです。
今は忍耐の時と、粘ってください。
海の向こう、日本から香港に声援を送ります。

(」・ω・)」香港!(/・ω・)/加油!

外國勢力 葵東