新しい職場では、1か月間の試用期間が設けられていた。
この間に、お互いに仕事や人間関係などの
合う、合わないを確認できるように。
そして、この試用期間がちょうど過ぎた頃、
私は辞めることを決意した。
それまで辞めるという発想が一切自分の中になかったので、
自分でも驚きだった。
だけど、この1か月を振り返ってみた時、
わたしにとってはとても中身の濃い、貴重な時間だった。
久しぶりに自分の遠い過去のトラウマに触れて、
その時の自分に向き合うことができたのと、
いわゆる「ダメな子ども」
「できない子ども」のように
扱われる気分を味わえたことも貴重な体験だった。
相手がそういう前提でくると、
こっちもだんだんそういう気分になってしまう。
さらに、相手がそういう前提だと
まるで、それ以外の私の良さなんて見えていないかのように
存在していないかのように
前提に合う事実だけをつきつけてくるというか
そこだけをクローズアップして接してくるのがすごかった。
それくらい、「前提」って、自分のものの見え方に
大きな影響を与えるんだなと思った。
そして、それは相手にも確実に伝わる。
相手が影響を受けるかどうかは別として。
私は、どういう前提でものごとを見ているんだろう。
自分も相手もそのまんまが完璧で、
無限の可能性を持っているという前提で世界を見ていたい。