遺伝子の研究により、現在地球上に暮らすすべての人は、アフリカにいた一つの系統の子孫であることが分かっています。
世界中の数千におよぶ民族について、その遺伝子のルーツをたどることができるようになりました。
遺伝子配列のわずかの違いから、いつ、どこで、何が起きたのかを読み取ることが可能になったのです。
そして遺伝子分析によって、驚くことが判明しました。
今日生きている人類の遺伝子配列は、驚くほど多様性に欠けているということです。
これがどうして驚くべきことなのかというと、他の生物と比べて、奇妙で珍しい特徴であるからです。
哺乳類の大半の種の遺伝子配列は、もっと多様性に富んでいます。
私たちと遺伝子配列が一番近いチンパンジーは、そのバリエーションが私たちの10倍もある。
つまり、これってどういうことなの?
ということですが、
遺伝的多様性が乏しくなった理由として考えられるのは、一つしかないとのこと。
それは、わたしたちホモ・サピエンスは、ある時点で人口が激減して(1,000人以上、10,000人以下と推測される)、その結果みんなよく似た遺伝子情報を共有するようになったということです。
これってかなり驚きですよね。
私たちはある時期、ほぼ絶滅寸前だったんだ。
原因は、火山の大噴火だったかもしれないし、氷河期の厳しい気候だったかもしれないし、伝染病だったかもしれない。
日本の2018年の人口は、前の年に比べて、26万3千人減少しました(この数字もすごい)。
それを考えると、地球上に残り数千人しかいなかったら、ちょっと何かが起こっただけであっという間に消えてしまいそうだ。
わたしたちの兄弟である他の人類は、この地球上からみんな消えてしまった。
わたしたちだけが、絶滅を間一髪でまぬがれて、こうやって生き延びている。
これって、ほとんど奇跡みたいなことなのかもしれない。