雨に花
mikumari・・・マルヨシ・・・清住町時代のラヴェドン・・・
大好きなお店は何処も初訪問の時に道に迷ったっけ・・・
そして、昨年末に初めて訪れた赤城山の麓にあるこのお店も・・・
ナビがあるにもかかわらず、思いっ切り迷いましたよ!!
昨年12月中旬の訪問ということもあって、お店の前の駐車場(&空き地?)は一面、落ち葉が敷き詰められていました。
それにしても、まるで森の中にでもいるかのような光景ですが、それもそのはず、赤城山を大沼方面へと上っていく
通称“上毛三山パノラマ街道”から細い路地に入ってさらに奥の方に曲がった先の突き当たりがお店なのですが、
途中から舗装の無い砂利道になるばかりかお店のすぐ裏手はご覧の通りの雑木林が先へと続いています。
まるで宮沢賢治の『注文の多い料理店』にたどり着いてしまったかのような不思議な気分に誘われます。
そんな落ち葉の絨毯の向かい側に、真ん中を通路で隔てた全く異なった外観の2棟の建物があります。
左の棟は瓦屋根の純和風建築ですが、空き家のようで窓から見える屋内はがらんとしていました。
そして、右の建物は正面から見るとレンガの外壁と白い窓枠で一見すると洋館のようですが・・・
雨に花
通路に面した入口のガラス扉に書かれた“雨に花”の文字・・・その存在を知ってから約1年・・・ついにやって来ました!!
そして、ガラス扉を通るとすぐ正面で出迎えてくれるのが・・・壁一面のドライフラワーです!!!
訪れた方のレポやSNSのPhotoでその存在は知っていましたが・・・目の前の光景に感嘆の声が漏れます・・・
雨の雫がポタポタと・・・
花に潤いを与えます・・・なんてロマンチックなもてなしなのでしょう・・・
入口正面の“雨と花のディスプレイ”から視線を左に向けると、奥に思っていたより大きな空間が広がっています。
その広々とした空間にゆったりと配置されたテーブルや棚はまるで気持ち良さそうに寛いでいるかのようです。
それにしても・・・広い空間にゆったりと置かれた古家具や絶妙なバランスで其処此処に配されたドライフラワー・・・
眼前の印象的なディスプレイの手法は、あの場所を連想させずにはいられません・・・
大きなけやきの木の下に建つ“ものさしのデパート”&路地沿いの“ものさしのアパート”・・・
この空間をずっと眺めていたい衝動を抑えて(お腹もペコペコですし)、黒板の本日のランチをオーダーします。
2種類のランチからサンドイッチをチョイス・・・まず最初にキャロットラペとスープが運ばれてきました。
よく晴れた休日の午後とはいえ下界のそれとは違い赤城山麓の寒々とした中、温かなスープの何と嬉しいこと。
さらに、シャキシャキの食感に人参本来の甘さとビネガーの酸味がマッチしたキャロットラペに食欲が一層増します。
続いてメインのサンドイッチがやって来ましたが・・・ここにも“雨に花”の文字が・・・
そういえば・・・フランス語だと思っていたmikumariに、店長の苗字と全く異なるマルヨシ、
店名の由来を聞いてビックリしてしまったラヴェドン・・・初訪問で迷ってしまった3軒のお店は、
その店名のユニークさも他とは一線を画すものでしたね・・・そして、この“雨に花”って店名も、ね・・・
サンドイッチ (タペナードとチーズ)
“タペ(プ)ナード”とは、黒オリーブとツナのペーストからなるフランス南東部のプロヴァンス地方を発祥とするペーストとのこと。
さらに、とろとろになったチェダーチーズが天然酵母の薫りが広がる褐色のカンパーニュにたっぷりとサンドされていました。
カリカリに焼かれたカンパーニュの香ばしい表面と、酵母の仄かな酸味が効いた水分をたっぷり含んでもっちりした生地、
パンだけでもモグモグと食べていけそうですが、ツナの旨みに黒オリーブの薫りとオイルがパンにたっぷり染み込んで
合わせて食べると美味しさも倍増・・・さらにとろけるチーズがパンとタペナードを上手く包み込んで、三位一体で
口の中いっぱいに広がっていきます・・・初訪問のお店で初体験の南仏郷土料理・・・最高に美味かった!!
クリームブリュレ
さらに、大きな黒板にぎっしりと書かれたメニュー(ビストロメニューに加えてスイーツだけでも10種類くらい・・・しかも一人で営まれている!)から、
迷いに迷ってスイーツを決めましたが、どのメニューも名前を見ただけでオーダーしたくなるものばかり・・・でも、オーセンティックなこちらに決めました。
専用の円い容器の表面には粉砂糖で覆われて、スプーンが添えられてきましたが・・・ここまでお膳立てされたら、次にするのはもちろん・・・
そうです、スプーンで“バリン”と表面を割ります・・・この瞬間が大好きなのです!!!
えっ、「アメリ」!?・・・もちろん観ましたよ・・・ (〃∇〃)ゞ
パリパリの甘くてほろ苦いキャラメリゼの中からとろ~りクリーミーな濃厚クリームが顔を覗かせる・・・
パリパリ&とろとろの部分を一緒にいただくも良し・・・それぞれの食感を別々に楽しむのも良し・・・
この上なくシンプルなのにレベルが高くお店の個性も出やすい・・・この美味しさは病みつきです!
先ほど、迷いに迷ってと綴りましたが、実はもうひとつのスイーツは最初から決めていました・・・が・・・
そのスイーツ(2つのフレーバーがチョイスできる)のフレーバーの豊富さにやっぱりビックリ!!
アイスクリーム (桃のコンポート&栗とメイプル)
某SNSで“雨に花と言えばアイスクリームは欠かせない!”とのアドバイスを受けておりましたので、これを目当てに来ました!!
“桃”や“栗”といった秋~大人気の食材を使いながらも、グラスの器には一見しただけでは見分けがつかないくらいのシンプルなビジュアルです。
流行に逆行するかのように華美なデコレーションは一切無しという潔さに逆に惹かれてスプーンでひと塊をすくって口の中に放り込みます。
口の中で一瞬しゃりっと楽しい舌触りを感じたかと思うと、ひんやりとした心地好い刺激と共に舌先でゆっくり滑らかにとろけていきます。
まるで小さい頃、おやつにお母さんが作ってくれたかのようなホームメイド感に満ちたやさしい甘さとミルキーでコクのある口当たり、
そんな、採算を度外視した濃厚なアイスの中には、ねっとり食感の桃のコンポートやホクホクした栗と甘いメープルシロップが、
ゴロゴロと入っていて、それ自体の美味しさはもちろんのこと、アイスクリームの美味しさをもより一層引き立ててくれます。
前出したSNSで“雨に花に行きたい!”と宣言したところ、絶対にアイスクリームをオーダーして欲しいとのコメントにも頷けます。
フレーバーはこれらの他にも10種類前後もあって、他のメニューと同様、迷って決めましたが・・・全部試したくなりました・・・
ランチやスイーツが続きましたので、温かい飲み物でひと息つきましょうか・・・
ユニークでオシャレなフォルムのティーポットに入った綺麗なキャンディーカラーの正体は・・・
岐阜県産の“和紅茶”とのこと・・・インド・セイロンの紅茶よりやさしい風合いにほっこりしました。
スイーツのあまりの美味しさ&お店の居心地の良さに席を立つのが惜しくなって・・・
追加で“りんごのコンポート”をオーダー・・・今年の冬は本当に“りんご尽くし”になりました・・・
日もすっかり傾いて眩い西日が店内に差し込んでくる頃、手の空いた若い店長さんと少し話をすることができました。
このお店の他に写真家としても活動されているとのことで、壁には店長さんが撮った写真が飾られていました。
さらにカウンターの奥に設けられたショーケースには、店長さんのコレクションとも言うべきフィルムカメラがずらりと並んでいました。
ニコンのF3に・・・オリンパスのPENに・・・最近すっかり目にしなくなった望遠のミラーレンズもあります・・・ワクワクしますね・・・
決してアクセスが良いとは言えませんが・・・橋のムコウのmikumariだって坂の上のマルヨシだって路地の迷路のラヴェドンだって・・・
Cindyが大好きなお店は、みんなそうでしたね・・・ひっそりと隠れているような・・・それでいて、誰かに見つけて欲しいような・・・
そんな、かくれんぼでもしているかのような・・・もう少し暖かくなったら、また“雨に花”を捜しに山道を上ってみようかな?
雨に花
群馬県前橋市富士見町赤城山1789-64
027-289-5867
冬時間(1月-2月) Lunch (月.水.土.日)11:30-16:00. Dinner (月.火.水.金.土.日)18:00-24:00
※お客様がいない場合22:00頃閉店.
Closed 木曜日
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