ハリーム について調べてみました!
ここ最近、改めて気になっている、
豆と麦と肉のイスラム式煮込み料理、“ハリーム”!!!
スパイス感あるものの、一般的なカレーとは違うライトな味わいで、
シチュー料理ではあるものの、一般的なシチューとも違っていて、
スパイシーで不思議なテイストの食べ物なんですよね。
特別な名前もあるし、そもそもどうしてこういう味わいなのか??
パキスタン料理やバングラデシュ料理など、
イスラム料理の知識が全然ないので
モチベーションが上がっているうちに調べてみることにしました!!
現地ではバザールなどで1年中食べられますが、
お祝いの時に食べるご馳走料理であり、
ラマダン(断食月)のイフタール(日没後の食事)でも食べられるハリーム。
※ラマダン用ハリーム大量調理動画@インド・ハイデラバード。
こういう光景を見ると、特別な料理だというのが伝わってきますね。
さて、ハリーム。
日本語版Wikipediaでは以下のように説明されています。
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ハリーム
ハリーム (Haleem, Halim) とは、アラブ料理、イラン料理、パキスタン料理、ベンガル料理、インド料理などで見られる、肉の入った濃厚なシチューである。また、アナトリア半島、イラン、コーカサス地方やイラク北部では、違った種類のハリームが見られ、ケシュケクやハリーサと呼ばれ親しまれている。この他、インドで好んで食べられているヒチュラやハイデラバード・ハリームもハリームのバリエーションの1つである。これらのように地域によって使う食材にバリエーションが見られるものの、ハリームには、コムギ、オオムギ、レンズマメ、肉だけは必ず用いられる。
ハリームはコムギ、オオムギ、肉 (通常は牛肉もしくは羊肉だが、鶏肉やひき肉を用いることもある)、レンズ豆、香辛料から作られる。この料理は肉の形が崩れ、コムギ、オオムギ、肉、香辛料の成分が交じり合うまで7~8時間かけてじっくりと煮込んで作られる。
ハリームは1年を通してバザールのスナックフードとして売られている。ハリームはラマダーンやムハッラム (ヒジュラ暦の1月) にはイラン、パキスタン、インドを始めとする全世界で用意される特別料理でもある。
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へぇーーっ!!!
インドのイスラムエリアや
パキスタン、バングラデシュだけでなく、
中東や中央アジアのイスラム圏でもハリームが食べられていたとは!!
材料や作り方の差異はあるのか??
レシピ動画で確認していきましょう。
まずはハイデラバード式マトンハリームの作り方。
手間のかかる料理だというのがわかります。
※動画のタイトルにあるようにHaleemはDaleem(ダリーム)という呼び方もあるようです。肉をほぐさず塊のまま調理するとKhichra(ヒチュラ)という名前になるんだとか。
こちらはハンドミキサーを使ったパキスタン式ハリーム。
どちらもスパイスはたっぷりと、そしてお米も少し入るのですね。
ここからは他地域のハリームを見ていきましょう。
まずはアフガニスタン式ハリーム。
豆を入れずに、炭水化物は麦と米がベース。
唯一使うスパイスがカルダモンパウダーで
牛乳を入れて煮込むのも新鮮です!
ペルシャ料理(イラン)式ハリーム。
こちらは豆も米も入れず、麦と肉を煮込むシンプルなスタイル。
スパイスを入れずに作りますが、仕上げにシナモンをかけるようです。
この動画ではシナモンと砂糖で模様を描いていますね。
トルコではケシケキ(ケシュケク)という名前になるようです。
こちらもペルシャ式と同じく、
豆や米は入れず麦と肉で煮込むスタイル。
スパイスは仕上げに唐辛子入り溶かしバターをかけるくらいですね。
※材料やレシピが気になる方はこちらを。Google翻訳機能である程度読めます。
お次もケシケキのレシピ動画。
ざっと、色々な地域のレシピ動画を見てみましたが、
スパイスを入れたり入れなかったり
豆や米を入れたり入れなかったりはあるものの、
炭水化物と肉をドロドロになるまで煮込む
高カロリー食としてのハリーム的な料理は
イスラム教国の各国にあって、
それが南アジアではスパイス文化と混ざり合って
スパイスが入りのハリームが生まれた!!ってことなのでしょうか。
英語版WikipediaのHaleemのページでは
気になるその起源が書かれていました!!
要点をまとめてざっと訳してみるとこんなカンジではないかと。
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Haleem
・起源
ハリーム(Haleem)の起源は、Harees(Jareesh)として知られるアラビア料理にあります。(記録として残っている)最初のレシピの登場は10世紀にまで遡ります。その時代、アラビア帝国の勢力がどんどん拡大していたたため、Hareesは様々な地域で作られるようになっていったのです。
インドにおけるHareesはハイデラバードでアラブ人兵士によって伝えられました。今日でもハイデラバードのBarkasというアラブ地区ではJareeshと呼ばれています。Hareesはハイデラバードの人々の味覚に合うように、現在のハリームへとその味を変化させていきました。
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なるほど!!
もともとはアラビア料理のHareesという食べ物で、
アラビア帝国の勢力拡大にともない各地で作られるようになり、
同様の流れでインドでも作られることに。
徐々にスパイスがたっぷり入る
インド(パキスタン,バングラデシュ)スタイルになっていったのですね!!
はいっ、めちゃくちゃスッキリしました!!!!!!
さて、別の角度からも調べてみようと思い、
トルコのケシケキ(ケシュケク)を検索してみると、
日本語版Wikipediaでは以下のように説明されてました。
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ケシケキ
ケシケキ(Kashkak, keşkek, kashkeg, kishkak, kashkek)は、イラン、トルコ、ギリシャなどにおいて食される料理。麦や肉、ミルクなどを煮込んで作る粥に似た料理で、宗教的な行事や結婚式、葬儀の席でしばしば食される。トルコやイランでは一般的な料理であり、国外も含めた世界中のイラン人によって食されている。
15世紀ごろにはイランや大シリア地域の文献に登場しているが、結局のところは16世紀から18世紀ごろ、イランで羊のミルクに同量の大麦や小麦の粉、肉を加えて作られた「カシュク」(Kashk)という料理が起源と考えられている。
ギリシャでは「ケスケク」(κεσκέκ、κεσκέκι、κισκέκ)という名前でレスボス島、サモス島では祭りの席の食事としてポントス人以外も含めて食されるほか、ギリシャとアルバニアの間に位置するイピロスでも食される。レスボス島では夏祭りの日にケシケキが用意される。この祭りの夜の儀式で牛が屠殺され、一晩かけて調理され、小麦とともに翌日供される。
ケシケキはただの料理ではなく、儀式や民俗文化と結びついた一種の「社会的慣習」といえるものである。トルコでは結婚式、割礼式、祝日、雨乞いなど大きな儀式の際に主催者によってケシケキが振舞われ、調理には主役の親族や周辺住民などが総出であたる。小麦の処理や脱穀といった一つ一つの過程は伝統的な歌や踊りと共に行われ、儀式の一部と化している。
トルコ政府はケシケキ文化を保存するためにケシケキの習熟課程の設定、関連工芸品の生産奨励、ケシケキ・マスターの人間国宝への登録などの取り組みを行っているほか、官学一体となった保存活動やNGO、地方自治体によるケシケキイベントなどの取り組みも行われている。こうした取り組みが実り、2011年11月に「トルコの『ケシケキ』の伝統」(Ceremonial Keşkek tradition)は ユネスコの無形文化遺産に登録されている。
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イランの「カシュク(Kashk)」という料理がルーツのようですが、
時系列的に、Hareesがカシュクになり、
さらに進化してケシケキになったのでは??とも考えられますが
どうなんでしょう。
ってか、それよりも驚いたのは、トルコのケシケキは、
ユネスコの無形文化遺産に登録されているのですね!!!!
正確に言うと、登録されたのは『ケシケキの伝統』として。
動画を見ると、なるほど!日本の餅つきのような雰囲気です。
宗教的な色合いが濃い食べ物だというのがわかりますね。
同じイスラムルーツの食べ物に“ビリヤニ”がありますが、
インドにおけるビリヤニは
宗教に関係なく、全域で食べられているのに対し
ハリームは主にイスラムの人たちが食べている印象があります。
※こちらの記事をみるとハイデラバードでは宗教に関係なく食べられているようです。
インドの人たちの多くはベジタリアンなので、
肉が必須のハリームはそもそも受け入れられなかった
ってのもありますが
もしかすると、トルコのケシケキのように、
ハリームにも濃い宗教的要素があるから、
広く浸透しなかったのでは・・、とも考えられるような・・。
※あくまでも推測です。
ハリームからたどり着いたトルコのケシケキ。
どこかで食べられるお店はないものか??と調べてみましたが
東京にはトルコ料理店がたくさんあるものの、
ケシケキをメニューに載せているお店は見つかず。。。
ミルクとカルダモンで仕上げるアフガン式ハリーム、
シナモンと砂糖で模様を描くペルシャ(イラン)式ハリーム、
麦と肉でシンプルに煮込むトルコのケシケキetc.
スパイスの効いた南アジア式ハリームとの違いを味わうべく
機会があれば、いろいろ食べてみたいものですね!!!
スパイシ~~♪♪♪
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