留学生に聞く「PTA」④(韓国)背景考察篇 | まるおの雑記帳  - 加藤薫(日本語・日本文化論)のブログ -
2010-03-09 22:54:48

留学生に聞く「PTA」④(韓国)背景考察篇

テーマ:留学生に聞く「PTA」
(承前)
「韓国の保護者って、日本人以上に子どもの教育に熱心だよね?」

と話を振ると、

「自分の子どもの教育のことは熱心に考えていますが…。」

「学校のお手伝いは、じゃあしないのかな?」

と聞くと、一瞬「?」という反応を見せ、

「学校は学校。親は親ですよね。」

う~ん、日本に欠けているのは、この「線引き」なのかもしれないと改めて思った。
考えてみれば、われわれ日本人だって、病院や役所や郵便局の「世話」になっていると言えば言えるわけだが、「なんでそのお手伝いいはしないのか?」と聞かれれば面喰うかも。


「文化祭の模擬店を見ていても韓国の学生の団結力ってすごいと常々思っていたんだけどね…。」

「オリンピックの応援でもサッカーの応援でも、確かにその瞬間、韓国人はわっと盛り上がるけど、終わればまた一人一人にもどるように思います。」

「ああ、そう言えば、韓国の人って、日本人の学生に比べ、教員に対しても言うべきことははっきり言う傾向があるね。」

「ええ、韓国では、集団も大切ですが、個人も大切にされるように思います。一人一人がしっかりしていなければ、集団もダメになってしまうのではないのですか。」
とHさん。

「日本はその点どちらかと言えば、一人一人が自分をしっかりと持つことよりも『我を出さない』ことが強く求められる傾向があるように思う。」
とわたし。

このあたり、周囲を海に囲まれうちうちで国を回してこられた日本と、過酷な環境の中、外部と戦い続けてきた韓国との地政学的な違いも大きいのかもしれない。


Hさんから逆に、なんで日本の保護者はそんな理不尽な目にあっており、しかもそれを是正できないでいるのか聞かれ、私が答えたのは…

深層には「みんなでいっしょに何かをすること」を称揚する価値観があるかな…。(注)
表層的には、一部の母親(父親も)にとってはPTA活動が自己実現の手段になっていること、また、邪推かもしれないが特に一部の男性幹部には商売がらみのうま味がないとは言えないこと、学校・教委はただで労働力が手に入ったり、生涯学習に貢献しているという実績作りになること。そういう「うま味」のトライアングルが出来上がっていることが原因かもしれない…

と、ちょっといい加減なことを言ってしまいました^^;…。
そして、「うま味」のトライアングルの下で追い詰められている人がいると。

こんな話をしているときにHさんから発せられたのが、前エントリで紹介した「日本はこれで大丈夫なのですか?」発言。

「日本が無謀な戦争に突っ込んでいきHさんのお国にも多大な迷惑をかけてしまったこととPTA問題はつながっているように思う。そういう意味でも今後ともこの問題は引き続き考えていきたいのだ。」とわたし。

Hさん、近いうちにまたぜひお話を聞かせてください<(_ _)>。

注:森有正が「日本人は何かをするためにいっしょになるのではなく、いっしょになるために何かを探し出す」てなことを『経験と思想』の中で述べている。

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