善通寺の御影の池(過去のブログ記事より) | 石川鏡介の旅ブログ

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 四国霊場第七十五番札所で弘法大師生誕の地ともいわれる善通寺の西院には、「御影の池」という池があります。

 これには次のような伝説があります。

 のちに弘法大師と呼ばれるようになる空海が遣唐使船に乗って唐へ渡る直前、別れを告げるために故郷へやってきた。当時の航海技術は拙く、日本の船も荒波に耐えうるものではなかったということが司馬遼太郎氏の『空海の風景』(中公文庫)にも書かれていますが、まさにその通りで、命がけの旅だったのです。

 空海の母・玉依御前は悲しみました。現代人が海外旅行するのとはわけが違います。この時代の船旅に比べたら、スペースシャトルに乗って無事に帰還するほうがむしろ何の心配もないことでしょう。生きて帰れない可能性の方が圧倒的に高く、留学年数のことも考えたら、母君の在世中に息子・空海が日本に帰れるかどうかも分かりません。母君は「どうしても行くのか?」と息子に何度も念を押したことでしょう。

 息子・空海は池に自分の姿を映して、自画像を描きました。そして、その絵を母君に渡しました。「おかあさま、これを私だと思って、私の旅の安全と、唐の国で仏法を究められるようにということとを祈ってください」と、現代語に訳せばそのようになる言葉をかけて、母君と別れ、遣唐使船に乗ったのです。

 その伝説が今に伝わり、「御影の池」として大師の霊跡の一つとなり、遍路の訪れる名所の一つともなっているのです。

 

 

(2013年11月13日の「石川鏡介のブログ」の記事を再編集)

 


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